アンダーム軟膏は非ステロイドで安心と誤解

アンダーム軟膏は本当に安全だったのか、販売中止の理由と非ステロイド外用薬の落とし穴を医療従事者向けに解説します。あなたの常識は本当に正しいでしょうか?

アンダーム軟膏は非ステロイドで安全

非ステロイドのアンダーム軟膏は、実は半数近い患者にかぶれを起こして販売中止になりました。


アンダーム軟膏の3つの真実
⚠️
感作率は驚異の50%超え

主成分ブフェキサマクは接触皮膚炎を高頻度で誘発し、感作率50%以上と報告した医師もいます。

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2010年に国内販売中止

欧州医薬品庁の承認取り消し勧告を受け、メーカーが自主的に製造販売を中止しています。

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治療ガイドライン非掲載

日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎治療ガイドラインにアンダームは記載されていません。


アンダーム軟膏の成分と本来の作用機序



アンダーム軟膏の有効成分はブフェキサマクという非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。ステロイドのような免疫抑制作用ではなく、プロスタグランジン合成抑制を介して炎症や痛み、かゆみを軽減する仕組みでした。


参考)ブフェキサマク - Wikipedia


適応疾患は急性湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、おむつ皮膚炎など幅広く設定されていました。ステロイドを避けたい患者や保護者に処方されやすかった背景があります。


参考)https://www.nichiiko.co.jp/medicine/files/10_051.pdf


つまり「非ステロイドだから安心」というイメージで広まった薬です。


しかし、このイメージこそが落とし穴でした。非ステロイド外用薬であっても接触皮膚炎のリスクをゼロにできるわけではありません。


アンダーム軟膏の販売中止に至った経緯

結論は2010年5月をもって出荷停止ということです。


医療従事者であれば、過去の処方歴を持つ患者がいまだに自宅にアンダーム軟膏を保管しているケースに遭遇するかもしれません。使用継続を希望する患者には、代替薬への切り替えを案内する説明資料を準備しておくと安心です。


アンダーム軟膏で実際に報告された副作用の数字

軟膏の市販後調査では発赤0.74%、そう痒などの副作用が報告されています。一方で臨床現場の医師からは、接触性皮膚炎を起こす頻度は10%以上、感作率は50%以上という指摘もあります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/02/s0228-5g7.html


これは10人に1人どころか、2人に1人がかぶれる可能性があるということです。例えるなら、クラスの半分の生徒が同じ薬でアレルギー反応を起こすようなものです。


意外ですね。


非ステロイドという響きから「マイルドで副作用が少ない」と思い込んでいた医療従事者ほど、この数字には驚くはずです。乳児や子どもへの長期使用では、かぶれによって元の湿疹が悪化し、かえって治療が長引く例も報告されています。


参考)https://chieko-clinic.jp/blog/2016/07/21/%E9%9D%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89%E7%B3%BB%E5%A4%96%E7%94%A8%E5%89%A4%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%B6%E3%82%8C/


アンダーム軟膏使用後にかぶれが起きた場合の対応

軟膏開始後3日ほどで症状が改善し、1週間以内に明らかに良くなる場合は問題ありません。しかし毎日塗っても改善しない、あるいは悪化する場合は接触皮膚炎を疑う必要があります。


参考)http://ohisama.cute.coocan.jp/andaam.htm


その場合の対応の基本は、使用を直ちに中止することです。臨床経験上、非ステロイド軟膏による接触皮膚炎が疑われる際は、いったんステロイド軟膏に切り替え、改善後に減量しながら最終的にワセリン製剤へ移行する手順が有効とされています。



つまり段階的な切り替えが基本ということです。


ステロイドへの抵抗感が強い患者対応では、副作用の少ない密封療法用の保湿剤や、皮膚科医監修のスキンケア指導用パンフレットを併用すると説明がスムーズになります。患者には正しい使用方法をメモとして渡すことをおすすめします。


非ステロイド外用薬を処方する際の注意点(独自視点)

アンダームの教訓は「非ステロイド=低リスク」という単純な図式が必ずしも成立しないという点にあります。実際、スタデルムやベシカム、コンベックなど現在も流通する非ステロイド外用剤においても、同様の接触皮膚炎リスクが指摘されています。



成分の作用機序だけでなく、添加物や基剤による感作リスクも考慮する必要があります。どの場合はどうなるんでしょう?


長期・広範囲・乳幼児への使用は特にリスクが高まる傾向があるため、処方期間を区切り、定期的な皮膚観察を組み込むことが推奨されます。アトピー性皮膚炎治療の原則は、保湿によるスキンケアと適切なステロイド外用薬の使用であり、これは日本皮膚科学会のガイドラインでも一貫して示されています。



下記の参考リンクでは、相対的リスク評価の詳細な数値データが確認できます。


厚生労働省の相対的リスク評価ワークシート(副作用発現率の詳細データ)


患者教育の場面では、非ステロイド製剤への過信を防ぐための説明用チェックリストを準備しておくと、診療時間の短縮にもつながります。

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