ゾニサミド先発品エクセグランとトレリーフの用量差を解説

ゾニサミドの先発品には「エクセグラン」と「トレリーフ」があり、同じ成分でも用量がまったく違います。処方時のリスクをご存知でしょうか?

ゾニサミド先発品の基礎知識

あなたが知る先発品、実は用量16倍差です。


ゾニサミド先発品の3つの要点
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エクセグランとトレリーフは別ブランド

同じゾニサミドでも、てんかん治療用の「エクセグラン」とパーキンソン病治療用の「トレリーフ」は商品名も用量も異なります。

参考)ゾニサミド:少用量製剤でパーキンソン病にも適応を拡大:日経メ…
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用量差は最大16倍

てんかん治療では1日200~400mg、パーキンソン病治療では1日25mgが基本用量で、桁違いの差があります。

参考)エクセグラン錠100mgの基本情報・添付文書情報 - データ…
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発見はてんかん患者の偶然

てんかん治療中の患者でパーキンソン症状が改善したことが、トレリーフ開発のきっかけになりました。


ゾニサミド先発品エクセグランの基本情報と適応



エクセグランは1989年から使用されている抗てんかん薬です。錠剤(100mg)と散剤(20%)の2つの剤形があります。


参考)https://medical.itp.ne.jp/kusuri/shohou-20091026000790/


適応は部分発作や全般発作など幅広いてんかんタイプに及びます。用量は成人で1日100~200mgから開始し、1~2週ごとに増量します。



最終的には1日200~400mgまで漸増するのが通常です。最高用量は1日600mgまでと定められています。



つまりエクセグランは高用量で使うことが基本です。この用量感覚を持っていないと、後述するトレリーフとの混同リスクが高まります。


作用機序は完全には解明されていませんが、発作活動の伝播遮断やてんかん原性焦点の抑制が関与すると考えられています。半減期は62時間と非常に長く、はがき1枚を作るのに丸2日以上かかるイメージに近い長さです。



長時間作用型のため、1日1~3回の分割投与で安定した血中濃度を保てます。この特性が、後にパーキンソン病治療への応用を後押しした背景の一つです。



ゾニサミド先発品トレリーフとパーキンソン病治療での用量

トレリーフは2009年1月に製造承認を取得した比較的新しい先発品です。適応はレボドパ含有製剤で十分な効果が得られないパーキンソン病に限定されます。



用量は1日1回25mgが基本です。エクセグランの最小用量100mgと比べても、4分の1以下の量ということですね。


必ずレボドパ含有製剤と併用することが条件です。単独では承認されていません。



臨床試験では25~50mgで運動症状の改善が確認され、50mgではオフ時間の短縮も期待できるとされています。ただし副作用として眠気やジスキネジア、食欲不振、睡眠障害、便秘などが報告されています。


参考)https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdgl/parkinson_2018_16.pdf


まれにスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死融解症といった重篤な皮膚障害を起こすこともあります。腎・尿路結石にも注意が必要です。



この重篤な副作用リスクを見落とすと、患者への説明不足につながりかねません。処方時は添付文書の警告欄を必ず確認しましょう。


ゾニサミド先発品と後発品(ジェネリック)の添加物・薬価の違い

先発品と後発品は有効成分が同じでも、添加物が異なる場合があります。例えばパーキンソン病用25mg製剤では、先発品にはアスパルテームやクロスポビドンなどが含まれます。


参考)先発後発対照表|製品情報|医療関係者向け情報サイト|全星薬品…


一方、後発品ではトウモロコシデンプンやタルクなど別の添加物が使われる製品もあります。アレルギー体質の患者では、この違いが思わぬ反応につながることがあります。



薬価にも差があり、エクセグラン錠100mgは1錠16.80円、散剤20%は1g33.40円です。ジェネリックはこれより安価に設定されているケースが多いです。



生物学的同等性試験では、溶出試験と血中濃度比較試験のいずれも先発品と同等と判定されています。有効性の面では基本的に問題ありません。



薬価差が気になる場合は、院内の薬剤部やKEGGの医薬品情報サービスで一覧比較すると確認しやすいです。患者の負担軽減にもつながる知識です。


参考)商品一覧 : ゾニサミド


ゾニサミド先発品を処方する際の注意点とリスク管理

エクセグランとトレリーフは同一成分のため、電子カルテの検索で混在表示されることがあります。名前だけで判断すると、思わぬ処方ミスにつながります。


小児のてんかん治療では体重換算で用量を決めます。最初は1日2~4mg/kgから開始し、最大12mg/kgまで漸増します。



体重40kgの子どもなら最大480mgに相当し、成人量に近づく場合もあります。この換算を誤ると過量投与のリスクがあります。


どういうことでしょうか?同じ「ゾニサミド」という一般名で処方オーダーが並ぶため、適応と用量のセットで確認する必要があるということです。


処方時は「てんかん用か、パーキンソン病用か」を必ずオーダー画面で確認しましょう。院内の処方支援システムに適応別のアラート機能があれば、活用すると安心です。


ゾニサミド先発品の由来ーてんかん治療薬からパーキンソン病薬への転用秘話

トレリーフ誕生のきっかけは、意外にも偶然の出来事でした。てんかんの痙攣発作を起こしたパーキンソン病患者にゾニサミドを投与したところ、痙攣だけでなくパーキンソン症状も著明に改善したのです。



厳しいところですね。この偶然の発見がなければ、トレリーフという先発品は生まれなかった可能性があります。


作用機序としては、ドパミンニューロンへのMAOB阻害作用やドパミン放出の亢進が報告されています。T型カルシウムチャネル遮断効果は振戦改善への関与が指摘されています。



神経保護効果の可能性も研究段階で示唆されています。まだ完全には解明されていない部分も多いです。



こうした転用の歴史を知っておくと、患者や家族への説明時に「なぜ同じ成分で別の薬があるのか」という疑問に、根拠を持って答えられます。詳しい薬理作用は日本神経学会のガイドラインで確認できます。


パーキンソン病治療ガイドラインのゾニサミド章。作用機序や有効用量、副作用の詳細が専門的にまとめられています。


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