
診断基準 dsm-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th Edition)は、米国精神医学会(APA)が作成した精神疾患の診断分類・診断基準マニュアルであり、精神症状を一貫したルールで評価するための国際的な標準の一つです。
参考)https://www.psychiatry.org/File%20Library/Psychiatrists/Practice/DSM/APA_DSM-5-Contents.pdf
章立ては「神経発達症群」「統合失調症スペクトラム」「双極性障害」「うつ病性障害」「不安症」「強迫症および関連症群」「心的外傷およびストレス因関連障害」「解離症」「身体症状症および関連症群」「摂食・食行動障害」「排泄障害」「睡眠‐覚醒障害」「性機能障害」「性別違和」「破壊的・衝動制御および素行症」「物質関連障害および嗜癖性障害」「パーソナリティ障害」「パラフィリア障害」「その他の精神障害」といったまとまりで構成されています。
参考)DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
DSM-IVからDSM-5への改訂では、自閉症スペクトラム障害(ASD)の統合やアスペルガー障害の独立診断名の削除、うつ病性障害から喪失反応の除外規定が外されるなど、臨床に大きな影響を与える変更も行われました。
参考)バイナリファイル (標準入力) に一致しました
さらにDSM-5では、診断名だけでなく重症度や寛解状態を補足するspecifier、文化的配慮を行うための「Cultural Formulation Interview」の導入など、診断の文脈をより丁寧に把握するための枠組みが加わっています。
DSM-5そのものは有料出版物ですが、章構成や改訂の背景は日本精神神経学会や医学書院などの解説で確認できます。
DSM-5の分類総論を日本語で詳しく解説している総説論文の例:
DSM-5分類 総論(日本精神神経学会雑誌)
この変更は、喪失に伴う重度の抑うつ状態を見逃さないための一方で、「悲嘆の病理化」につながる懸念も指摘されており、臨床家は症状の経過や患者の価値観を丁寧に聴取することが求められます。
うつ病の診断基準と臨床的評価のバランスについて議論している日本語解説:
診断基準 dsm-5では、従来別々に扱われていた自閉性障害、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害、広汎性発達障害などを統合し、「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)」として一つの診断カテゴリーにまとめています。
ASDの診断基準は、大きく「社会的コミュニケーションと対人的相互反応の持続的障害」と「限定された反復的な行動、興味、活動」の2軸で構成されており、それぞれの軸で複数の症状項目が示されています。
発達障害や神経発達症群のDSM-5基準を平易に説明している日本語サイト:
診断基準 dsm-5では、従来「認知症」と呼ばれてきた状態を「神経認知障害(Neurocognitive Disorders)」として再構成し、「軽度神経認知障害」と「大うつ神経認知障害」に分類しています。
参考)認知症の診断基準(dsm5)とは。認知症ガイドラインによる定…
軽度神経認知障害はいわゆる軽度認知障害(MCI)に近い概念で、日常生活動作はほぼ自立しているものの、注意・遂行機能・学習記憶・言語・知覚運動・社会的認知のいずれかで客観的な低下がみられる状態と定義されています。
大うつ神経認知障害は、これらの認知機能低下が日常生活や社会生活に明らかな支障をきたしている状態であり、日本の診療ガイドラインにおける「認知症」の定義とほぼ重なります。
興味深い点として、DSM-5では「アルツハイマー病による神経認知障害」「レビー小体病による神経認知障害」「血管性神経認知障害」など、原因疾患を特定したサブタイプを詳細に規定しており、画像検査やバイオマーカーの所見も診断の補助手段として位置付けています。
認知症の診断基準DSM-5と日本の認知症ガイドラインの関係を解説したコラム:
認知症の診断基準(DSM-5)とは。認知症ガイドラインによる定義と違い
DSM-5とICD-10は可能な限り整合性がとられているものの、診断名の表記やコードの付け方、障害概念の扱いなどで細かな差異があり、特に発達障害領域では診断名の翻訳や運用に混乱が生じやすい領域です。
DSM-5-TR(Text Revision)では診断基準自体は大きく変わらないものの、用語や診断名の記述がICD-11との整合性を意識して修正されており、今後の国際的な診断運用の方向性を示す資料にもなっています。
DSMとICDの違いや日本での使われ方を概説した日本語解説:
診断基準 dsm-5は、できる限り文化や価値観から独立した「操作的診断基準」を目指していますが、実際の臨床では文化差やジェンダー、多様なライフスタイルの影響を完全に切り離すことは困難です。
臨床家に求められるのは、診断基準 dsm-5をあくまで「共通言語」として活用しつつ、患者の語り・家族背景・文化的コンテキストを重視し、AIやスクリーニングツールの結果も含めた多層的な情報から総合的な判断を行う姿勢です。
DSM-5の文化的配慮や将来の課題を論じた総説の一例(英語だが分類総論として有用):
DSM-5 Table of Contentsと関連資料(American Psychiatric Association)
日本語でDSM-5-TRの解説と今後の方向性を確認したい場合の参考書籍:
DSM-5-TR 精神疾患の分類と診断の手引(医学書院)
【第3類医薬品】ハイチオールCプラス2 360錠