後発品なのに先発品と全く同じ製造所で作られているのに、あなたは今まで「安かろう悪かろう」と思っていませんでしたか?
クエンメット配合錠の先発品は、日本ケミファが製造・販売するウラリット配合錠です。 両剤の有効成分はいずれも「クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物」で、薬効分類番号は3949(アシドーシス改善薬)に属します。
参考)医療用医薬品 : クエンメット (クエンメット配合散 他)
両者の違いは剤形にあります。先発品のウラリット配合錠は素錠ですが、クエンメット配合錠はフィルムコーティング錠です。 フィルムコーティングにより、素錠と比べて服用時の味・においが軽減されており、患者アドヒアランスの観点では後発品であるクエンメットに一定の優位性があります。これは意外ですね。
参考)https://www.npi-inc.co.jp/medical/info/file/451
有効成分量は1錠あたり、クエン酸カリウム231.5mg・クエン酸ナトリウム水和物195mgで両製剤で同一です。 薬価はウラリット配合錠6.5円/錠に対し、クエンメット配合錠は6.1円/錠となっています。
参考)商品一覧 : クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物
| 比較項目 | ウラリット配合錠(先発) | クエンメット配合錠(後発) |
|---|---|---|
| 製造販売会社 | 日本ケミファ | 日本薬品工業 |
| 剤形 | 素錠 | フィルムコーティング錠 |
| 薬価(1錠) | 6.5円 | 6.1円 |
| 有効成分 | クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物(同一) | |
| 先発・後発 | 先発品 | 後発品(加算対象) |
クエンメット配合錠の前身はウリンメット配合錠という後発品でした。 日本薬品工業は製造方法をPMDAへ申請し直した際、「先発医薬品と同一の原薬・製剤(添加物含む)・製造所」へ変更したと公表しています。つまり先発品と製造工程まで同一です。
PMDAからは販売名も変更するよう指示を受け、ウリンメットからクエンメットへ改名されました。 一般的にAG(オーソライズド・ジェネリック)とは呼んでいませんが、実態としては先発と同一製剤です。
後発品ながら先発と同等の製造品質を持つ薬剤が存在することは、医療従事者として把握しておきたい知識です。患者への説明や薬剤選択で活用できます。これは使えそうです。
クエンメット配合錠の適応は以下の2つです。
参考)クエンメット配合錠の基本情報・添付文書情報 - データインデ…
尿pHの目標範囲「6.2〜6.8」という数字を覚えておくことが基本です。 この範囲より低い場合は酸性尿が残存しており尿酸結石リスクが上昇し、逆に7.0を超えるとリン酸カルシウム結石のリスクが生じます。
投与量が固定値ではなく「尿pHに合わせて調整」という点が、他の痛風治療薬と大きく異なります。患者への服薬指導では、自宅でのpH試験紙による尿モニタリングを促すことが患者の治療参加を高めます。pH試験紙を薬局で案内できれば、アドヒアランス向上につながります。
参考として、添付文書・処方情報の詳細は以下の公的データベースでも確認できます。
KEGG MEDICUS|クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物の商品一覧(薬価・添加物・適応症比較)
ブランド名(ウラリット、クエンメット)で処方された場合、「変更不可」欄に署名等がなければ患者の同意のもと別銘柄後発品への変更調剤は可能です。 ただし、変更した旨は処方医へ連絡することが必要です。
一方、ウリンメットとクエンメットの混在処方については、どちらかのブランド名のみで記載されている場合は処方医への確認を推奨します。 切り替え時期が患者履歴上で不明確になるリスクがあるためです。
日数を分けた処方(ウリンメット何日分+クエンメット何日分)も同様に、処方箋に明記がない場合は確認が原則です。 保険請求上の取り扱いは各地の社会保険診療報酬支払基金への確認が必要です。調剤ルールを一つ確認するだけで後のトラブルを防げます。
日本薬品工業|クエンメット配合錠に関するQ&A(処方変更・簡易懸濁法・安定性データ等)
クエンメット配合錠はフィルムコーティング錠のため、高湿度環境に弱い性質があります。 無包装状態で25℃・75%RHの条件下では、試験開始3日目に膨張・刻印埋もれ・亀裂が観察され、2ヵ月目には潮解したというデータがあります。吸湿に注意が必要です。
粉砕後の安定性については、25℃・52%RH環境下で1ヵ月間は変化なしのデータがある一方、高湿度(75%RH)では開始7日で質量増加率が約16%、1ヵ月で30%超と報告されています。 粉砕は基本的に推奨されておらず、必要であればクエンメット配合散の使用を検討するのが原則です。
簡易懸濁法については、コーティングを破壊した後に10分以内で崩壊・懸濁し、8Fr.経管栄養チューブを通過するため、経管投与適否判定基準「適2」に該当します。 一包化に関するデータは存在しないため、処方時には散剤への変更を含め検討してください。
JAPIC|クエンメット配合錠 添付文書PDF(効能・用法・副作用・貯法など公式情報)