
抗生剤の副作用は服薬を中止した後、いつまで症状が続くのかという疑問は、医療現場でもよく寄せられる質問です。最も一般的な副作用である下痢や軟便は、服薬中止後1~2週間程度で軽快することが多いとされています。しかし、腸内細菌叢の多様性が完全に回復するまでにはそれ以上の時間を要する場合があります。
参考)抗生剤(抗生物質/抗菌薬)の副作用|受診の目安と対処ガイド
特に注意が必要な症状としては、以下の「危険サイン」が挙げられます。これらの症状が現れた場合は、服薬を中止し、当日の受診が必要です。
感染部位・重症度・腎機能・妊娠可能性・併用薬を踏まえて調整が必要です。
危険サインがある場合は「自己判断で続けない」ことが原則です。緊急性が高い可能性があります。
抗生剤による下痢は、抗菌薬関連下痢(Antibiotic-associated diarrhea: AAD)として知られ、抗生剤が腸内の有用微生物群も抑えてしまうことで起こります。多くの場合、抗生剤投与後、腸内細菌叢は数週間~1.5か月程度でおおむね回復するとされています。
参考)全日本民医連
偽膜性大腸炎の場合は、抗生剤の連続投与7日程度で生じるとされ、CLDM(クリンダマイシン)かABPC(アンピシリン)の投与で15~28%に下痢を発症、1~3%で菌を確認した報告もあります。
日本内視鏡学会:抗生剤による下痢症状と内視鏡検査での腸内環境確認
薬疹は抗生剤による副作用で最も多く報告される症状で、2015年のデータでは副作用全体の58%を占めています。薬疹の発生は、1日目~7日目の発生が多い状況ですが、投与後すぐに発現するイメージがある一方で、数日後からの場合も多いため注意が必要です。
症例報告によると、薬疹の消失までには以下の期間を要することがあります。
重い発疹の1例では、治療薬を使っても皮疹消失まで12日間も掛かっています。抗生剤の副作用で最も多く報告された副作用は発疹(軽度の発疹から全身発疹までを含む)で、112件報告されています。
顔の腫れ・息苦しさ・急速に広がるじんましんがある場合は、救急または当日受診が必要です。原則として中止しましょう。
発疹が広がる・繰り返す場合は、48時間以内に相談が必要です。薬の変更が必要なことがあります。
薬剤性肝機能障害は、自覚症状は乏しく、血液検査を行うことによって分かる場合が殆どです。強い疲労感や、普段と違った症状がある場合には医師に相談をする必要があります。
症例報告によると、セフトリアキソンナトリウム(注射剤)の投与で、投与3日目にCRP(炎症反応の値)は低下したが、薬剤性肝機能障害が発現(AST135/ALT192)した事例があります。投与を中止後、中止7日後に薬剤性肝機能障害は改善しました。
薬剤性肝機能障害の場合、投与を継続すると、薬剤性肝機能障害が重篤化する場合があります。内服薬でも発現する可能性があるので注意が必要です。
腎機能障害については、リンコマイシン系の抗生剤は、抗生物質の中では腎毒性の低いものとして知られています。しかしメーカーには死亡例を含む急性腎不全疑い例6例が報告されており、ハイリスク患者に対しては、腎障害への注意が必要です。
肝障害は24件報告されています。次に多く報告されているのが、肝障害の24件です。
医療従事者として知っておくべき意外な事実として、一部の抗生剤による副作用は不可逆的である場合があります。特に注意すべきは、アミノグリコシド系やペプチド系抗生剤による聴力障害です。
バンコマイシンの副作用報告では、86歳女性にMRSAを疑い、バンコマイシン0.5g×2を5日間、その後0.5g×4で14日間投与。投与15日目に聴力障害を認め、副作用を疑い投与中止。しかし、難聴は1週間後も改善しませんでした。
このように、ペプチド系・アミノグリコシド系抗生剤の投与上の注意には「難聴」が繰り返し記載されています。非可逆的な障害になることがあり、要注意です。
適応患者の選択(小児・高齢者・腎機能障害患者)と血中濃度のモニタリングも重要です。バンコマイシンの血中濃度で望ましいのは、最高25~40μg/ml、最低(谷間値・次回投与直前値)は10μg/mlを超えることです。
アミノグリコシド系薬剤の第8脳神経(内耳神経)障害は有名な副作用です。高齢者への投与量は個別性があるため、ともすれば成人量投与で医療がされやすいので注意が必要です。
聴力障害は6件報告されています。アナフィラキシーショック6件と続いています。
テトラサイクリン系抗生剤は、小児期に使用すると歯に永久的な着色を生じることが知られています。これは、テトラサイクリンが石灰化過程にある歯の象牙質やエナメル質に結合し、光に反応して黄色や褐色の変色を引き起こすためです。
副作用の発生に関しては、1日目~7日目の発生が多い状況です。投与後すぐに発現するイメージがありますが、数日後からの場合も多いため、注意が必要です。
ミノサイクリンの副作用では、脳圧上昇による頭痛や前庭毒性(聴器毒)によるめまい・運動失調・悪心・嘔吐、肝機能障害がよく知られています。
2008年度に民医連副作用モニターに寄せられたミノサイクリンの副作用は、内服薬と注射薬を併せて18症例でした。ほとんどの症例が前庭毒性による副作用と推察できます。
前庭毒性は、投与を中止すれば速やかに回復しますが、非常に不快な症状です。200mgを処方する際にはあらかじめ副作用を説明し、治療を成功に導くよう工夫が求められます。
また、ミノサイクリン開始後に頭痛薬が処方されているケースでは、副作用を疑ってみましょう。
食道炎(寝る直前内服で増)、光線過敏もテトラサイクリン系の副作用です。
テトラサイクリン系や一部の抗菌薬では、光線過敏(「日焼け様」の赤み・ヒリヒリ)を起こすことがあります。一部の抗菌薬で起こりえます。
外出時は帽子・長袖・日焼け止めを使用することが推奨されます。強い赤み・水疱・痛みがある場合は、48時間以内に相談が必要です。
この副作用は、抗生剤の服用中だけでなく、中止後もしばらく続くことがあります。紫外線への感受性が高まった状態が続くため、服薬中止後数週間は日光に注意する必要があります。
光線過敏の症状は、強い日焼け様の赤みとして現れます。
発熱+発疹+全身症状(重症薬疹)がある場合は、当日受診が必要です。
フルオロキノロン系抗生剤(LVFX等)の副作用として特に注意すべきは、腱の痛みや腫れ、断裂リスクです。一部の抗菌薬(例:キノロン系)で注意が必要です。
腱の痛み・腫れ・歩きづらい場合は、中止して早めに相談が必要です。手足のしびれ・感覚異常がある場合も、早めに相談が必要です。
この副作用は、服薬中だけでなく、服薬中止後数か月間もリスクが続くことが報告されています。高齢者やステロイドを併用している患者では特に注意が必要です。
フルオロキノロン系の副作用として、下痢、吐き気、不眠・めまいなどもあります。
腱の痛み(アキレス腱など)/しびれ・感覚異常(特定薬で注意)がある場合は、薬の変更が必要なことがあります。
偽膜性大腸炎は、抗生剤で他の菌が死滅し、結腸周辺で増殖したクロストリジウムディフィシル菌(C・ディフィシル菌)が毒素を出し、びらんなどが生じて起こります。抗生剤の連続投与7日程度で生じるとされ、CLDM(クリンダマイシン)かABPC(アンピシリン)の投与で15~28%に下痢を発症、1~3%で菌を確認した報告もあります。
日本での健常成人のクロストリジウムディフィシル菌の保菌率は平均7.6%(4.2~15.3%)です。欧米ではこの菌は院内感染下痢症の重要な原因菌であり、入院患者の約10%が感染した、という報告もあります。
症例報告では、糖尿病による壊疽の57歳男性にCLDM600mg回/日、3~10日目に2回/日。CEZ1gを1~2日目に1回/日、3~4日目に2回/日。5日目PIPC1g2回/日、6~11日目にPIPC2gを2回/日。9日目で下痢発症、10日目便培養。12日目にC・ディフィシルプラス、抗生剤を中止したが改善せず。16日目から4日間、バンコマイシン内服1g/日を投与し改善しました。
抗生剤投与には定期的なチェックや、必要に応じた調査・監視が求められます。
血便・発熱・強い腹痛がある場合は、当日受診の目安です。
第3世代セフェム系抗生物質に、ピボキシル基を持つ抗生物質があります。(先発品:フロモックス、メイアクト、トミロン、オラペネム、メリシンなど)
これらの抗生物質は、2012年にPMDAより「小児(特に乳幼児)への投与においては、血中カルニチンの低下に伴う低血糖症状(意識レベル低下、痙攣等)に注意してください」との警鐘が出されています。この副作用は小児(1~5歳)の方に多いと報告されていますので、注目されています。
しかし、この系統の薬剤は、年間600万人に処方されていると言われ、副作用は低カルニチン血症だけではありません。民医連の副作用モニターでは、2006年度に副作用モニターに寄せられたピボキシル基を持つ薬剤の副作用報告は22件。発疹が10件(フロモックス細粒3件、メイアクト小児用2件)と多数を占めました。
ほか、下痢が3件、肝障害が3件、吐き気が2件、その他4件でした。小児に多い傾向が見られます。
ピボキシル基は生体内で代謝される過程でホルムアルデヒドを産生します。建築用材などから空気中に放出されたホルムアルデヒドは、シックハウス症候群やアレルギー性皮膚炎、気管支喘息の原因ともいわれています。
この系統の薬剤の副作用は、中止後1~2日と速やかに発疹などの症状が治癒しているのが特徴です。
バルプロ酸ナトリウム(以下、バルプロ酸)は、各種てんかん、精神神経系疾患の治療薬として有効性が認められていますが、重要な相互作用が報告されており、使用にあたっては十分な注意が必要です。
バルプロ酸とカルバペネム系抗生物質(パニペネム、メロペネム、イミペネム、ビアペネム、ドリペネム、テビペネム)との併用は禁忌です。
バルプロ酸とカルバペネム系抗生物質との相互作用の機序は明らかではありませんが、血漿タンパク結合率の競合やカルバペネム系抗生物質により、肝臓でのバルプロ酸のグルクロン酸抱合代謝が亢進するなどの報告があります。
バルプロ酸の有効血中濃度は、40~120μg/mLです。カルバペネム系抗生物質の併用で血中濃度が大幅に低下し、けいれんが再発した症例が報告されています。
カルバペネム系抗生物質との併用時にバルプロ酸の血中濃度をコントロールすることは、非常に困難と考えられます。今回の報告でもバルプロ酸の増量で血中濃度が上がらない例がありました。優先する治療を考慮し、併用薬を変更することが必要と考えます。
バルプロ酸ナトリウムとカルバペネム系抗生物質との相互作用は、2011年8月1日に民医連新聞で取り上げられました。
ロセフィン(セフトリアキソンナトリウム)は広域スペクトルを有する第3世代のセファロスポリン系抗生物質で、1日1回投与が認められているため、外来も含め使用機会が増えていると思われます。
2008年度の当副作用モニターには、発赤・発疹、掻痒感、薬疹、薬剤熱、喘息様症状・喉頭浮腫の過敏反応を生じた9例が報告されました。また、咳(喉の違和感)、薬剤性肺障害が各1例、血液障害では血小板減少症が1例、報告されています。
血小板減少症を生じた症例では、90歳代女性。肺炎、腎盂腎炎の診断で入院。ロセフィン(R)1日4gを開始。10日目に採血後の出血が止まらず、血液精査で血小板が0.1万/μlまで低下しており、同薬を疑って中止。止血剤などで治療したが回復せず、中止3日目に濃厚血小板10単位を投与。中止4日目の血小板は2.6万/μlに、中止7日目の血小板は21.0万/μlに回復しました。
血小板機能異常は、広域スペクトルのβ-ラクタムでもみられます。また、非置換性N−メチルチオテトラゾール(NMTT)側鎖をもつセファロスポリン(セフォペラゾン・セフメタゾール等)は血小板機能を変化させることがわかっています。
NMTTN-methylthiotetrazole側鎖と構造が似たN−メチルチオトリアゾン環を有する薬剤(ロセフィン)は、用量依存性にビタミンK依存性凝固因子を阻害することが知られています。
これらの薬剤を投与する際は、血液障害に対する観察が必要です。出血の危険のある患者では、止血系(プロトロンビン時間、出血時間)のチェックが不可欠です。
セフトリアキソンによる血小板減少は、2009年8月17日に民医連新聞で取り上げられました。
ミノサイクリンの副作用では、脳圧上昇による頭痛や前庭毒性(聴器毒)によるめまい・運動失調・悪心・嘔吐、肝機能障害がよく知られています。
2008年度に民医連副作用モニターに寄せられた同剤の副作用は、内服薬と注射薬を併せて18症例でした。ほとんどの症例が前庭毒性による副作用と推察できます。また、投与量が1日200mgの報告が多数を占めることも特徴です。
抗生物質治療が見直され、200mg/日の投与が増えているか、マクロライド耐性マイコプラズマが登場し、外来通院患者の肺炎の治療では、マクロライドよりミノサイクリンが多用されているためかもしれません。
前庭毒性は、投与を中止すれば速やかに回復しますが、非常に不快な症状です。200mgを処方する際にはあらかじめ副作用を説明し、治療を成功に導くよう工夫が求められます。
また、ミノサイクリン開始後に頭痛薬が処方されているケースでは、副作用を疑ってみましょう。
余談ですが、親知らず抜歯後、血餅が剥がれ感染を起こし、ペリオフィール歯科用軟膏2%(ミノサイクリンとして10mg)を残孔に充填する治療を受けました。その数分後から2~3日間、圧迫されるような頭痛・めまいが続きました。
ミノサイクリンの副作用は投与量に注意が必要です。2009年6月15日に民医連新聞で取り上げられました。
抗菌薬で常在菌バランスが崩れると、膣カンジダや口腔カンジダ(かゆみ・白苔など)が起こることがあります。
外用/内服の抗真菌薬で改善することが多いです。繰り返す場合は背景(糖代謝など)も含めて相談が必要です。
この副作用は、抗生剤の服用中だけでなく、中止後もしばらく続くことがあります。常在菌のバランスが元に戻るまでには時間を要するためです。
抗生剤は、細菌を殺す作用があるお薬であるため、腸内の有用微生物群も同様に抑えられてしまいます。そのため、下痢という副作用が起きる可能性が高いと言えます。(便秘の場合もあるが、下痢の可能性の方が高い)
この副作用を防ぐために、抗生物質耐性の乳酸菌または酪酸菌などの製剤が投与される場合があります。しかし、その場合でも下痢が起こる可能性がありますし、重い下痢が起きた場合には抗生物質の投与を中止する必要があります。
膣カンジダ・口腔カンジダ(かゆみ・白苔など)は、抗菌薬関連の副作用です。
メトロニダゾール(MNZ)の副作用として、金属味、吐き気があります。
しびれ等が続く場合は、相談が必要です(長期で末梢神経障害が問題になることがあります)。
この副作用は、抗生剤の服用中だけでなく、中止後もしばらく続くことがあります。特に長期投与の場合は、末梢神経障害が問題になることがあります。
メトロニダゾールの副作用は、比較的一般的ですが、長期投与の場合は特に注意が必要です。
金属味は、メトロニダゾールの副作用としてよく報告されています。
0th CLINIC:抗生剤(抗菌薬)ガイド|副作用・飲み合わせ・整腸剤・アレルギー
同じ「抗生剤」でも、感染部位・用量・腎機能・妊娠可能性・併用薬で安全性が変わります。自己判断での追加・変更は避け、必要時はご相談ください。
薬剤(クラス)別に多い副作用と注意点(早見表)を以下に示します。「自分の薬で起こりやすい副作用」を先に知ると、不安が減り、受診のタイミングも判断しやすくなります。
| 薬剤クラス(例) | よくある副作用 | 特に注意(受診目安) |
|---|---|---|
| ペニシリン系 AMCPCBPC | 下痢、吐き気、発疹(軽症含む) | 呼吸苦・喉の腫れ・全身じんましん(即時型アレルギー)/重症薬疹のサインがあれば当日受診 |
| AMPC/CVA オーグメンチン等 | 下痢が出やすい、腹部不快 | 強い下痢が続く→相談/黄疸・濃い尿・強い倦怠感→薬剤性肝障害の可能性で受診 |
| セフェム系 CEFDINIR等 | 下痢、発疹 | 広域ほど下痢が強く出ることあり/血便・発熱・強い腹痛→当日受診 |
| マクロライド系 AZMCAM | 腹痛、下痢、吐き気 | 動悸・失神前兆など(QT/相互作用が関与することあり)→相談 |
| テトラサイクリン系 DOXYMINO | 胃部不快、食道炎(寝る直前内服で増)、光線過敏 | 発熱+発疹+全身症状(重症薬疹)→当日受診/強い日焼け様症状→相談 |
| フルオロキノロン系 LVFX等 | 下痢、吐き気、不眠・めまいなど | 腱の痛み/腫れ(断裂リスク)、しびれ・感覚異常→中止+早めに受診/相談 |
| クリンダマイシン CLDM | 下痢 | 抗菌薬関連腸炎が問題になりやすい薬のひとつ/水様便が続く・発熱・血便→早めに受診 |
| ST合剤 TMP/SMX | 発疹、胃腸症状 | 重症薬疹サイン(発熱・粘膜病変)→当日受診/だるさ・黄疸→相談 |
| メトロニダゾール MNZ | 金属味、吐き気 | しびれ等が続く→相談(長期で末梢神経障害が問題になることあり) |
本ページは一般的な医療情報です。投与の可否・用量・期間は、感染部位、重症度、腎機能、妊娠可能性、併用薬などで変わります。危険サインがある場合は受診を優先してください。
薬剤別に多い副作用を確認することで、受診のタイミングも判断しやすくなります。
抗菌薬関連下痢(AAD)の対処法として、まずは補水が重要です。経口補水・水分を増やし、脂っこい食事・アルコールは控えめにしましょう。
血便・強い腹痛・発熱がある場合は、当日受診の目安です。回数が多い・長引く・飲めない場合は、48時間以内に相談が必要です(薬変更を検討)。
下痢止めは状況により逆効果のことがあるため、自己判断で乱用しないように注意が必要です。
関連:感染性腸炎の整理 / 抗生剤と整腸剤
抗生物質は、細菌を殺す作用があるお薬であるため、腸内の有用微生物群も同様に抑えられてしまいます。そのため、下痢という副作用が起きる可能性が高いと言えます。(便秘の場合もあるが、下痢の可能性の方が高い)
この副作用を防ぐために、抗生物質耐性の乳酸菌または酪酸菌などの製剤が投与される場合があります。しかし、その場合でも下痢が起こる可能性がありますし、重い下痢が起きた場合には抗生物質の投与を中止する必要があります。
下痢が生じた場合には、下記のような重篤な「偽膜性大腸炎」を起こす可能性があるからです。
Medical DOC:「抗生物質の副作用」を薬剤師が解説 抗生物質・抗菌薬の副作用
「副作用かも?」の時、当院でできることとして、受診の必要性をトリアージします。危険サインの確認+症状の重症度で、受診の優先度を整理します。
アレルギー疑い/重症薬疹疑いの見極めが必要です。下痢が強い場合の腸炎評価(必要なら検査・紹介)も重要です。「感染症の悪化」か「副作用」かの再評価が必要です。
薬の変更・中止判断も重要です。感染部位・重症度・腎機能・妊娠可能性・併用薬を踏まえて調整します。
代替薬の選択(アレルギー・相互作用配慮)も考慮します。必要最小限の期間へ調整も重要です。安全な対症療法の提案も行います。
LINEで事前相談(写真OK)も可能です。発疹や薬袋の写真、症状の経過があると判断がスムーズです。
重要:副作用っぽく見えても、感染症が効いていない/別の病気ということがあります。48~72時間で改善が乏しい・再燃する場合は再評価が安全です。
迷ったらLINEでOKです。「症状」+「いつから」+「薬名(薬袋写真でもOK)」があると判断が早くなります。
自己判断で中止しないことが基本ですが、危険サインがある場合は中止して当日受診が原則です。
抗生物質の最も一般的な副作用は、腹痛、胃の不調、下痢、皮膚の発疹などです。抗生物質アレルギーの症状としては、じんましんや命に関わるアナフィラキシーが現れることがあります。
参考)もし抗生物質の副作用が心配なら? 抗生物質の副作用とよくある…
一般的に抗生物質は3日から7日程度の分量が処方されます。このとき、医師や薬剤師から症状が改善しても必ず処方された抗生物質を最後まで服用することを勧められます。
その理由は、抗生物質を最後まで服用することで病気が治り、抗生物質耐性も予防できるからです。抗生物質を服用して症状がなくなっても体内に菌が残っている可能性があるため、菌を完全に撲滅するまで抗生物質を服用する必要があります。
抗生物質を服用した菌が次に生き残らないように、抗生物質を正しく服用して一度にすべて排除する必要があります。
多くは抵抗力のない菌なので、2日程度服用すれば大抵の菌がやっつけられ症状も治まることが多いです。しかし突然変異で抵抗力を持った菌は、5日や7日と続けて飲まないとやっつけられない場合があります。
少し緩くなる程度であれば飲みきった方が良いのですが、水のような下痢や1日に4、5回以上トイレにいかないといけない状態が起こるようであれば処方医に相談してみてください。
抗生物質の副作用は、他の薬と比べて下痢の症状が多く現れます。抗生物質は体の中にいる悪い菌だけでなく、良い腸内細菌などもやっつけてしまうことがあり、その結果腸内細菌のバランスが崩れ、下痢を起こしたりします。
それ以外にも飲み始めて気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
全日本民医連に報告された抗生物質による副作用は、1年間(2015年)で193件でした。最も多く報告された副作用は発疹(軽度の発疹から全身発疹までを含む)で、112件報告されています。
次に多く報告されているのが、肝障害の24件、その後、下痢10件、口内炎7件、白血球・血小板減少6件、アナフィラキシーショック6件と続いています。
抗生物質による副作用は多岐に渡りますが、おおよそ上記の副作用を注意していくと、全体の85%を押さえる事ができます。
これまでに民医連新聞に掲載されてきた注意喚起事例は、リン酸クリンダマイシンによる腎障害(2004年4月)、バンコマイシンによる聴力障害(2004年12月)、アミノグリコシド系薬剤による聴力障害(2005年6月)、ピボキシル基を持つ抗生物質の副作用のまとめ(2007年7月)、バルプロ酸ナトリウムとカルバペネム系抗生物質との相互作用(2007年7月)、セフトリアキソンによる血小板減少(2009年8月)などがあります。
感染症の治療薬として抗生物質と抗菌薬という言葉があります。この二つは似ているようで違います。抗生物質とは、病原微生物を殺す作用をもつ薬の中でも「微生物が作った化学物質」を指します。
抗生物質自体が(一般的に)投与日数が長いものではありませんが、薬疹の発生に関しては、1日目~7日目の発生が多い状況です。
欧米ではこの菌は院内感染下痢症の重要な原因菌であり、入院患者の約10%が感染した、という報告もあります。
軽い発疹でも、同系統の抗菌薬で再発しやすいことがあります。過去の薬疹歴は必ず申告をしましょう。
発疹・かゆみ(薬疹/アレルギー)の症状がある場合、顔の腫れ/息苦しさ/急速に広がるじんましんがある場合は、救急/当日受診(原則中止)が必要です。
発疹が広がる・繰り返す場合は、48時間以内に相談が必要です(変更が必要なことあり)。発熱や粘膜症状(目・口・陰部)があれば重症薬疹の可能性があるので、当日受診が必要です。
迷ったらLINEでOKです。「症状」+「いつから」+「薬名(薬袋写真でもOK)」があると判断が早くなります。
【既往歴】(薬アレルギー、妊娠可能性、基礎疾患、腎疾患)も申告することが重要です。
抗生物質による薬疹に注意が必要です。抗生物質による副作用で最も多く集積されている副作用が薬疹です。2015年のデータで言うと、副作用全体の58%を占めています。
ひとくちに薬疹と言っても、身体の一部に出るものから、全身発疹まで多岐に渡っています。
抗生物質の服用で起こる下痢や湿疹などの副作用について、原因とメカニズムを詳しく解説します。3人に1人が不安を感じている抗生剤の副作用。
参考)【医師解説】知らないと危険!抗生剤の副作用の種類や受診目安、…
その種類から、すぐ受診すべき危険なサイン、適切な対処法までを確認しましょう。
感染部位・重症度・腎機能・妊娠可能性・併用薬を踏まえて調整します。
適応患者の選択(小児・高齢者・腎機能障害患者)は重要です。血中濃度のモニタリングも重要です。
高齢者のバンコマイシンの半減期は、成人の3倍以上です。1日の投与量が同じなら、投与間隔をあけて最低血中濃度を下げることが必要です。
最近は投与量のモノグラムやTDMソフトなどもインターネット上で入手できます。クレアチニン値・体重などから血中濃度の推測も可能です。これらを投与計画に役立て、副作用防止につとめましょう。
ピボキシル基を持つ抗生物質の副作用は、小児(1~5歳)の方に多いと報告されています。
小児(特に乳幼児)への投与においては、血中カルニチンの低下に伴う低血糖症状(意識レベル低下、痙攣等)に注意してください。
アミノグリコシド系薬剤の第8脳神経(内耳神経)障害は有名な副作用です。被疑薬である硫酸カナマイシン注では、副作用発現のリスク要因の高い高齢者(60歳以上)・腎機能低下した患者への投与量は1回0.5~0.75gとするよう記載されています。
高齢者への投与量は個別性があるため、ともすれば成人量投与で医療がされやすいので注意が必要です。
産科・小児科などを除いた病棟では、高齢者が多く、そのリスクを抱えています。
この副作用を防ぐために、抗生物質耐性の乳酸菌または酪酸菌などの製剤が投与される場合があります。しかし、その場合でも下痢が起こる可能性がありますし、重い下痢が起きた場合には抗生物質の投与を中止する必要があります。
抗生剤と整腸剤の併用ガイドも参考になります。
整腸剤の併用:抗生剤と整腸剤の併用ガイド
抗生剤(抗菌薬)/抗生物質の基礎、正しい飲み方、副作用(下痢・吐き気)、飲み合わせ、整腸剤(プロバイオティクス)の併用、アレルギー(薬疹・じんましん)の見分け方を医師監修で解説します。
参考)抗生剤(抗菌薬)ガイド|副作用・飲み合わせ・整腸剤・アレルギ…
プロバイオティクス(乳酸菌や酪酸菌)を抗生剤と併用することで、腸内細菌叢のバランスを保ち、下痢のリスクを軽減できる可能性があります。
ただし、抗生剤と整腸剤を同時に服用すると、抗生剤が整腸剤の菌を殺してしまうため、服用時間を2~3時間ずらすことが推奨されます。
抗生剤の服用中は、腸内環境を整える食事を心がけ、発酵食品や食物繊維を積極的に摂ることも有効です。
抗生剤の副作用予防には、服薬指導と医薬品の適正使用推進と医薬品を使用した患者の安全管理(副作用・相互作用回避)が重要です。
関連ページとして、長引く下痢・腸炎の評価:感染性腸炎の整理があります。
薬疹・アレルギー:抗生剤アレルギーの基礎知識も参考になります。
整腸剤の併用:抗生剤と整腸剤の併用ガイドも有用です。
膀胱炎(抗菌薬が出る代表):膀胱炎(検査・治療方針)も参考になります。
皮膚感染症:蜂窩織炎・ひょうそ等も関連します。
関連コラム:ただいま準備中です。少々お待ちください。
副作用モニター情報履歴一覧も参考になります。
「いつでも元気」くすりの話し一覧も有用です。
薬学生の部屋も参考になります。
本ページは一般的な医療情報です。投与の可否・用量・期間は、感染部位、重症度、腎機能、妊娠可能性、併用薬などで変わります。危険サインがある場合は受診を優先してください。
抗生剤の副作用に関するFAQ(よくある質問)も参考になります。
参考)【専門家監修】抗生剤の副作用でだるい・眠い?原因と4つの対処…
感染症の治療で抗生剤(抗生物質)を飲み始めたけれど、体がだるくて起きられない…異常に眠いのは、薬の副作用なのだろうか?
このような不安を抱えていませんか?体を治すための薬で別の不調が出ると、このまま飲み続けていいのか迷ってしまいますよね。
結論から言うと、抗生剤の服用中に起こる「だるさ」や「眠気」は、薬の直接的な副作用だけでなく、免疫反応や腸内環境の変化が原因であるケースが多く存在します。
この記事では、抗生剤でだるさや眠気が出る具体的な原因と、今すぐ実践できる対処法、そして絶対にやってはいけない注意点を分かりやすく解説します。記事を読めば、薬と安全に付き合いながら、不安なく体力を回復させる方法が分かります。
PREMEDI:抗生物質:どんな時に使えばいいの?副作用はあるの?市販...
抗生剤の副作用が不安な方へ。「受診の目安」と「家庭でできる対処」+「薬剤別に多い副作用」を確認しましょう。
下痢・吐き気・軽い発疹は比較的よくあります。いっぽうで息苦しさ/喉の腫れ/血便/強い腹痛/高熱でぐったり/粘膜(目・口・陰部)のただれは緊急性があることがあります。
受診の目安(トリアージ)を確認し、症状別の対処法、薬剤別に多い副作用、LINE相談テンプレを活用しましょう。
※「自己判断で中止しない」が基本ですが、危険サインがある場合は中止して当日受診が原則です。
今の症状に近いところから確認(タップで移動)しましょう。✅受診の目安(トリアージ)💡症状別の対処🧾薬剤別に多い副作用📩LINE相談テンプレ
当院の方針(適正使用・医療安全のため)として、症状のない薬(予備の抗生剤・予防目的の追加薬・"ついで処方")は、原則として同時に処方できません。
副作用や相互作用、耐性菌の増加を避けるため、「いま必要な薬を、必要な期間だけ」を基本にしています。
一方で、症状が出た時の"線引き"と家庭でできる対処はこのページにまとめています。迷ったらご相談ください。
※医療安全と適正使用の観点からの運用です。ご理解いただける方の受診を歓迎します。
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