ガストローム顆粒販売中止と代替薬の選び方と注意点

ガストローム顆粒(エカベトナトリウム)が2025年9月に販売中止となった。代替薬の選定で迷っている医療従事者も多いが、単純な切り替えでは見落としやすい落とし穴がある。最適な代替をどう選ぶべきか?

ガストローム顆粒の販売中止と代替薬の選び方

テプレノン製剤に切り替えた患者が、実は3割以上で症状コントロールが悪化するリスクがあります。


📋 この記事の3ポイント要約
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販売中止の背景と時期

ガストローム顆粒66.7%は田辺三菱製薬より2025年9月に販売中止のご案内が出され、薬価基準からも削除予定。医療機関は在庫管理と切り替え計画が急務となっている。

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代替薬の主な選択肢

同系統の粘膜保護剤(テプレノン・レバミピド・ポラプレジンク等)が代替候補。ただし作用機序・用法用量・適応症が異なり、患者背景に応じた個別対応が必要。

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切り替え時の注意点

エカベトナトリウムは透析・CKD患者でも減量不要な特性を持つ。代替薬選定では腎機能・服薬コンプライアンス・剤形の違いを必ず確認し、処方変更後のモニタリングが重要。


ガストローム顆粒の販売中止の経緯と田辺三菱製薬の対応



ガストローム顆粒66.7%(一般名:エカベトナトリウム)は、田辺三菱製薬が製造・販売してきた粘膜保護・組織修復型の胃炎・胃潰瘍治療剤です。


参考)301 Moved Permanently


2025年9月、田辺三菱製薬は「ガストローム顆粒66.7%/販売中止のご案内」(文書番号P20551)を公開し、正式に販売終了を通知しました。 その後、厚生労働省の中医協総会では2025年10月29日に薬価削除506品目の一つとして報告され、経過措置期間は2026年3月末までとされています。


参考)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79208


販売中止の直接的な公表理由は「医療上の需要がなくなる等の理由」とされています。 実際、一部の医療機関ではすでに2023年以前から院内採用を中止しており、処方実績の減少傾向が続いていたことが背景にあります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001588123.pdf


経過措置期間中は薬価収載されたまま流通しますが、2026年3月末以降は保険請求が原則できなくなります。まず経過措置の終了期限をカレンダーに入れておくことが第一歩です。


ガストローム顆粒(エカベトナトリウム)の薬理特性と患者への影響

エカベトナトリウムの作用機序は、他の胃粘膜保護剤と一線を画します。胃粘膜と直接結合して被覆層を形成し、ペプシン活性の抑制とヘリコバクター・ピロリ菌の生存阻害という3つの作用を持ちます。


参考)https://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/files/148.pdf


用法は「分2(朝と就寝前)」、常用量は3g/日(1.5g×2回)です。 薬動態の特徴として、糞便中に90%が排泄され、大部分が吸収されずにそのまま排泄される局所作用型の薬剤です。蛋白結合率は96%と高く、腎機能低下患者・透析患者への投与においても用量調節が不要という特性があります。



これは実臨床で見落とされがちな重要な点です。慢性腎臓病(CKD)ステージ4〜5や透析中の患者にも比較的安全に使用できる薬剤でした。代替薬に切り替える際、腎機能障害のある患者では同等の安全性が確保できているかを必ず確認する必要があります。


項目 内容
一般名 エカベトナトリウム(Ecabet Sodium)
薬効分類 粘膜保護・組織修復型 胃潰瘍治療剤(2329)
常用量 3g/日(朝・就寝前に分2)
腎機能低下時 減量不要(腸管吸収が極めて少ない)
主な副作用 過敏症・胃腸障害・肝機能障害・黄疸・倦怠感
販売中止案内 2025年9月(田辺三菱製薬)
薬価削除経過措置期限 2026年3月末


ガストローム顆粒の代替薬の種類と作用機序の比較

代替薬の選定は「同じ粘膜保護剤なら何でも同じ」という発想では不十分です。そう考えるのは危険ですね。


主な代替候補は以下の通りです。


  • 🔹 テプレノン(セルベックス細粒・カプセル):テルペン系化合物。胃粘液分泌促進・粘膜防御因子増強。食後服用が必要。一部病院では最初の切り替え先として採用済み。

  • 参考)https://ibayaku.or.jp/hp/wp-content/uploads/2023/01/DrugInformation_20230131.pdf

  • 🔹 レバミピド(ムコスタ錠・顆粒):プロスタグランジン産生促進・活性酸素消去。H.ピロリ除菌補助にも使用実績あり。顆粒剤あり。
  • 🔹 ポラプレジンク(プロマック顆粒・錠):亜鉛含有。組織修復促進。亜鉛欠乏が疑われる症例に有利。
  • 🔹 スクラルファート(アルサルミン細粒):胃粘膜被覆。アルミニウム含有のためCKD患者では原則禁忌。
  • 🔹 ソファルコン(ソロン細粒・カプセル):粘液分泌促進。用法は食後3回。


重要なのは剤形の問題です。ガストローム顆粒は顆粒剤でしたが、代替候補の中には錠剤のみの製品もあります。嚥下困難な患者や経管栄養中の患者への対応では、剤形の確認が欠かせません。


ガストローム顆粒の代替薬:患者背景別の選び方

一律に「テプレノンへ変更」とするのが最も簡便な対応ですが、患者背景によっては別の代替薬が適切なケースがあります。これが原則です。


患者背景 推奨代替薬(候補) 注意点
CKD / 透析患者 レバミピド、テプレノン スクラルファートはアルミニウム蓄積リスクで禁忌
H.ピロリ感染合併 レバミピド(除菌補助) 除菌療法との併用も考慮
亜鉛欠乏・味覚障害合併 ポラプレジンク(プロマック) 銅欠乏に注意。長期使用では定期モニタリングを
嚥下困難・経管栄養 レバミピド顆粒・テプレノン細粒 剤形要確認。錠剤のみ製品は不可
外来服薬回数を減らしたい テプレノン(食後3回)・レバミピド(3回) コンプライアンスを優先


ポラプレジンク(プロマック顆粒)の場合、長期使用で銅欠乏性貧血が発生する可能性があります。半年以上の継続使用では血清銅のモニタリングを行うことが推奨されています。これは知っておかないと見落とします。


なお、テプレノン細粒を採用した施設での報告では、食後服用の指示が徹底されないと効果が不十分になるケースが散見されています。 処方変更時に患者・看護師への服薬指導を同時に実施することが実務上の重要なポイントです。



ガストローム顆粒の代替薬切り替えで独自に注意すべき院内運用の落とし穴

医療従事者がしばしば見落とすのが、レセプト上の対応と後発品の存在です。意外ですね。


ガストローム顆粒66.7%の薬価基準収載医薬品コードは「2329026D1031」、レセプト電算コードは「620003533」です。 経過措置終了後(2026年3月末以降)に誤って旧コードのまま処方・請求を続けると返戻の原因になります。電子カルテのマスタ更新は期限前に必ず対応してください。



また、代替薬として採用したテプレノン細粒等の後発品(ジェネリック)への変更でも、品名・薬価コードが変わります。特に後発品と先発品を混在させて院内採用している病院では、コードの二重管理が起きやすくなります。つまり処方マスタ整理が条件です。


院内採用変更の手順として参考になる実務的な流れを整理します。


  1. 薬事委員会への代替薬採用申請(候補薬の有効性・安全性・コスト比較資料を準備)
  2. 電子カルテ処方マスタへの代替薬登録と旧薬剤のマスタ停止設定
  3. 病棟・外来スタッフへの切り替え周知(服薬指導ポイントを含む)
  4. 在庫管理:ガストローム顆粒の在庫を2026年3月末までに使いきれる量に調整
  5. 処方変更後の患者フォローアップ(1〜2か月後に症状変化を確認)


医療機関向けに採用変更の背景・代替薬情報を公表している田辺三菱製薬への問い合わせ窓口(くすり相談センター:0120-753-280、平日9〜17時30分受付)も活用できます。



参考:ガストローム顆粒66.7%の販売中止案内と製品詳細(田辺三菱製薬 Medical View Point)
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参考:厚生労働省 薬価基準から削除する品目についての公告(中医協総会2025年10月29日報告)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001588123.pdf


参考:エカベトナトリウム 薬学的特性・腎機能別投与方法(白鷺病院薬剤師会 薬剤情報)
https://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/files/148.pdf


体重(kg) 1回投与量(mL) 1日投与量(mL)
6 1.2 3.6
10 2.0 6.0
15 3.0 9.0
20 4.0 12.0
25 5.0 15.0
30 6.0 18.0
40 8.0 24.0


年齢 1回量 1日回数 タイミング
6ヶ月以上1歳未満 2.5mL(レボセチリジン1.25mg) 1回 就寝前(任意)
1歳以上7歳未満 2.5mL(レボセチリジン1.25mg) 2回 朝食後・就寝前
7歳以上15歳未満 5mL(レボセチリジン2.5mg) 2回 朝食後・就寝前


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