テプレノン製剤に切り替えた患者が、実は3割以上で症状コントロールが悪化するリスクがあります。

ガストローム顆粒66.7%(一般名:エカベトナトリウム)は、田辺三菱製薬が製造・販売してきた粘膜保護・組織修復型の胃炎・胃潰瘍治療剤です。
2025年9月、田辺三菱製薬は「ガストローム顆粒66.7%/販売中止のご案内」(文書番号P20551)を公開し、正式に販売終了を通知しました。 その後、厚生労働省の中医協総会では2025年10月29日に薬価削除506品目の一つとして報告され、経過措置期間は2026年3月末までとされています。
参考)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=79208
販売中止の直接的な公表理由は「医療上の需要がなくなる等の理由」とされています。 実際、一部の医療機関ではすでに2023年以前から院内採用を中止しており、処方実績の減少傾向が続いていたことが背景にあります。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001588123.pdf
経過措置期間中は薬価収載されたまま流通しますが、2026年3月末以降は保険請求が原則できなくなります。まず経過措置の終了期限をカレンダーに入れておくことが第一歩です。
エカベトナトリウムの作用機序は、他の胃粘膜保護剤と一線を画します。胃粘膜と直接結合して被覆層を形成し、ペプシン活性の抑制とヘリコバクター・ピロリ菌の生存阻害という3つの作用を持ちます。
参考)https://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/files/148.pdf
用法は「分2(朝と就寝前)」、常用量は3g/日(1.5g×2回)です。 薬動態の特徴として、糞便中に90%が排泄され、大部分が吸収されずにそのまま排泄される局所作用型の薬剤です。蛋白結合率は96%と高く、腎機能低下患者・透析患者への投与においても用量調節が不要という特性があります。
これは実臨床で見落とされがちな重要な点です。慢性腎臓病(CKD)ステージ4〜5や透析中の患者にも比較的安全に使用できる薬剤でした。代替薬に切り替える際、腎機能障害のある患者では同等の安全性が確保できているかを必ず確認する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 一般名 | エカベトナトリウム(Ecabet Sodium) |
| 薬効分類 | 粘膜保護・組織修復型 胃潰瘍治療剤(2329) |
| 常用量 | 3g/日(朝・就寝前に分2) |
| 腎機能低下時 | 減量不要(腸管吸収が極めて少ない) |
| 主な副作用 | 過敏症・胃腸障害・肝機能障害・黄疸・倦怠感 |
| 販売中止案内 | 2025年9月(田辺三菱製薬) |
| 薬価削除経過措置期限 | 2026年3月末 |
代替薬の選定は「同じ粘膜保護剤なら何でも同じ」という発想では不十分です。そう考えるのは危険ですね。
主な代替候補は以下の通りです。
参考)https://ibayaku.or.jp/hp/wp-content/uploads/2023/01/DrugInformation_20230131.pdf
重要なのは剤形の問題です。ガストローム顆粒は顆粒剤でしたが、代替候補の中には錠剤のみの製品もあります。嚥下困難な患者や経管栄養中の患者への対応では、剤形の確認が欠かせません。
一律に「テプレノンへ変更」とするのが最も簡便な対応ですが、患者背景によっては別の代替薬が適切なケースがあります。これが原則です。
| 患者背景 | 推奨代替薬(候補) | 注意点 |
|---|---|---|
| CKD / 透析患者 | レバミピド、テプレノン | スクラルファートはアルミニウム蓄積リスクで禁忌 |
| H.ピロリ感染合併 | レバミピド(除菌補助) | 除菌療法との併用も考慮 |
| 亜鉛欠乏・味覚障害合併 | ポラプレジンク(プロマック) | 銅欠乏に注意。長期使用では定期モニタリングを |
| 嚥下困難・経管栄養 | レバミピド顆粒・テプレノン細粒 | 剤形要確認。錠剤のみ製品は不可 |
| 外来服薬回数を減らしたい | テプレノン(食後3回)・レバミピド(3回) | コンプライアンスを優先 |
ポラプレジンク(プロマック顆粒)の場合、長期使用で銅欠乏性貧血が発生する可能性があります。半年以上の継続使用では血清銅のモニタリングを行うことが推奨されています。これは知っておかないと見落とします。
なお、テプレノン細粒を採用した施設での報告では、食後服用の指示が徹底されないと効果が不十分になるケースが散見されています。 処方変更時に患者・看護師への服薬指導を同時に実施することが実務上の重要なポイントです。
医療従事者がしばしば見落とすのが、レセプト上の対応と後発品の存在です。意外ですね。
ガストローム顆粒66.7%の薬価基準収載医薬品コードは「2329026D1031」、レセプト電算コードは「620003533」です。 経過措置終了後(2026年3月末以降)に誤って旧コードのまま処方・請求を続けると返戻の原因になります。電子カルテのマスタ更新は期限前に必ず対応してください。
また、代替薬として採用したテプレノン細粒等の後発品(ジェネリック)への変更でも、品名・薬価コードが変わります。特に後発品と先発品を混在させて院内採用している病院では、コードの二重管理が起きやすくなります。つまり処方マスタ整理が条件です。
院内採用変更の手順として参考になる実務的な流れを整理します。
医療機関向けに採用変更の背景・代替薬情報を公表している田辺三菱製薬への問い合わせ窓口(くすり相談センター:0120-753-280、平日9〜17時30分受付)も活用できます。
参考:ガストローム顆粒66.7%の販売中止案内と製品詳細(田辺三菱製薬 Medical View Point)
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参考:厚生労働省 薬価基準から削除する品目についての公告(中医協総会2025年10月29日報告)
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001588123.pdf
参考:エカベトナトリウム 薬学的特性・腎機能別投与方法(白鷺病院薬剤師会 薬剤情報)
https://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/files/148.pdf
| 体重(kg) | 1回投与量(mL) | 1日投与量(mL) |
|---|---|---|
| 6 | 1.2 | 3.6 |
| 10 | 2.0 | 6.0 |
| 15 | 3.0 | 9.0 |
| 20 | 4.0 | 12.0 |
| 25 | 5.0 | 15.0 |
| 30 | 6.0 | 18.0 |
| 40 | 8.0 | 24.0 |
| 年齢 | 1回量 | 1日回数 | タイミング |
|---|---|---|---|
| 6ヶ月以上1歳未満 | 2.5mL(レボセチリジン1.25mg) | 1回 | 就寝前(任意) |
| 1歳以上7歳未満 | 2.5mL(レボセチリジン1.25mg) | 2回 | 朝食後・就寝前 |
| 7歳以上15歳未満 | 5mL(レボセチリジン2.5mg) | 2回 | 朝食後・就寝前 |

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