
アレジオン錠 販売中止の情報は、日本ベーリンガーインゲルハイムから医療機関・薬局向けに複数回に分けて正式通知されています。
参考)https://www.bij-kusuri.jp/information/files/al_mic_mca_info_202308.pdf
2026年作成の「販売中止のお知らせ」によると、アレジオン錠10(100錠包装:10錠PTP×10)が販売中止品として明記され、販売中止時期は2027年3月頃、経過措置期間満了日は2029年3月頃と案内されています。
同時に、アレジオン錠20については販売継続とされており、すべてのアレジオン錠が一律に販売中止されるわけではない点が、実務上の重要な確認事項になります。
参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kaisyu/2019/kaisyuu2019-2-9374.html
さらに、2023年作成の「販売中止包装のお知らせ」では、アレジオン錠10の300錠包装(10錠PTP×30)、アレジオン錠20の700錠・1000錠包装など、大容量包装単位の在庫限り販売終了が通知されています。
この通知では「販売中止予定時期:2024年3月」とされており、特約店向けの出荷終了時期ベースで案内されているため、現場では若干のタイムラグを考慮して在庫管理を行う必要があります。
ドライシロップ製剤については、アレジオンドライシロップ1%の自主回収後、2025年3月31日をもって経過措置期間満了とし、販売中止に至ることが別文書で示されています。
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このように、「アレジオン錠 販売中止」と一括りにしてしまうと情報が混乱しやすく、対象が錠剤10なのか、大容量包装なのか、ドライシロップなのかを丁寧に切り分けて伝えることが、医療従事者向け情報提供では欠かせません。
院内の採用品目・在庫状況に応じて「いつまで処方可能なのか」「どの規格は既に切り替え済みなのか」を棚卸しし、医師・薬剤師・看護師間で共通認識を持つことが安全な薬物療法につながります。
参考)抗アレルギー剤(アレジオン/エピナスチンDS)の自主回収
アレジオン錠やアレジオンドライシロップの自主回収・販売中止の背景には、ICH-M7ガイドラインに基づく変異原性不純物の管理強化が存在します。
参考)https://yakuzaishi.love/entry/epinastine-recall-20210315
厚生労働省の回収情報によると、アレジオン錠20の一部ロットでは、原薬自体は承認規格に適合しているものの、企業側が自主的に実施した調査で、ICH M7ガイドラインでクラスIIに分類される不純物が原薬中で管理指標を超えていることが判明したとされています。
このため、対象ロットについて自主回収が行われ、「一生涯服用した場合において健康被害が生じる可能性は完全には否定できないものの、直ちに重篤な健康被害が発生する恐れはない」と評価されつつ、予防的な措置が取られました。
同様に、アレジオンドライシロップ1%では、ICH-M7に基づく調査の結果、クラスIIに分類される可能性のある分解物が許容限界度を超えていることが判明し、2021年3月に自主回収連絡が出されています。
岐阜県総合医療センターの通知では、院内・院外採用分を含めて処方停止とする旨が示されており、「錠剤は問題ないがドライシロップ製剤が対象」という点を明確にして、現場の混乱を抑える工夫がなされています。
小児科クリニックのブログでも、ドライシロップ服用中の患者に対して服薬中止を呼びかけつつ、他の抗アレルギー薬への切り替えを案内しており、医療従事者による迅速な情報共有が現場対応の鍵となったことがうかがえます。
ICH-M7ガイドラインは、低レベルの変異原性不純物による生涯リスクを定量的に評価し、許容限度を設定する枠組みであり、企業が自主的な評価・回収を行う背景となっています。
エピナスチン塩酸塩製剤に限らず、近年は複数の先発・後発医薬品で同様の不純物管理強化による回収・販売中止が相次いでおり、薬剤選択にあたっては「有効性・安全性」だけでなく「製造工程の変化や規制動向」も意識する必要が出てきています。
参考)Redirecting to https://med.tow…
販売中止通知では、アレジオン錠10の代替候補品としてビラノア錠20mgが具体的に挙げられており、包装単位やGS1コードまで示されています。
販売中止・切り替え時の服薬指導では、「薬が販売中止になった=危険な薬だった」という誤解を防ぐコミュニケーションが重要です。
厚労省の回収情報でも、健康被害報告はなく、直ちに重篤な健康被害が発生する恐れはないとされていますが、患者側は「がんリスク」「不純物」という言葉から強い不安を抱きやすいため、リスク評価の枠組みや予防的措置であることを、平易な言葉で説明する必要があります。
また、ドライシロップから錠剤や他のシロップ製剤への切り替えでは、服用量・味・服用回数が変わることが多く、小児患者・保護者への説明では「なぜ薬が変わるのか」「どう飲めばよいのか」を絵や表を用いて視覚的に伝える工夫も有用です。
アレジオンDS(エピナスチン塩酸塩ドライシロップ1%)については、先発・後発合わせて複数社が販売中止を決定したことが、薬局向けニュースメディアで報じられています。
PHARMACY NEWSBREAKの記事によると、先発品「アレジオンDS1%」を持つ日本ベーリンガーインゲルハイムと、後発品を扱う沢井製薬・東和薬品・日医工の計4社が、出荷停止後に切り替えが進んだことなどを背景として販売中止に踏み切ったとされています。
ジェネリック各社の販売中止は、単に安全性だけでなく、市場性や他剤への切り替え状況も加味した判断とされており、「需要減少が継続している状況を踏まえ」という表現はアレジオン錠10の販売中止通知にも共通しています。
つまり、アレジオン錠 販売中止・アレジオンDS販売中止は、ICH-M7ガイドラインに基づく不純物管理強化と、その後の処方切り替えによる需要減少が組み合わさって生じた現象と整理できます。
この流れは、他の抗アレルギー薬や循環器領域の薬剤(ミカルディス、ミカムロなど)の包装販売中止とも共通するものであり、今後も「需要減+規制対応+製造ライン再編」による販売終了は続く可能性があります。
また、ジェネリックの販売中止が続く領域では、先発品への回帰や、全く別の有効成分への切り替えが起こるため、医薬品情報担当者は「価格面」「供給面」「規格のラインナップ」まで含めて最新情報をアップデートしておく必要があります。
参考リンクの説明:アレジオンドライシロップ1%自主回収とICH-M7関連情報の詳細を確認したい場合の一次情報へのリンクです。
【アレジオン】エピナスチン塩酸塩ドライシロップ自主回収とICH-M7解説(薬剤師向け詳細解説)
アレジオン錠 販売中止に伴う現場対応では、「どの規格がいつまで使えるのか」といった事務的な情報だけでなく、「患者がどう受け止めるか」「医療チームがどう共有するか」というコミュニケーション設計が重要になります。
特に、小児の保護者や慢性疾患患者は「いつもの薬がなくなる」ことに強い不安を感じがちであり、単なる代替薬情報提供ではなく、治療継続の安心感をどう言語化するかがポイントになります。
医療従事者向けには、例えば以下のような院内共有・患者説明の工夫が考えられます。
アレジオン錠 販売中止の対象製剤・時期・代替薬を1枚のスライドに整理し、外来医師・薬剤師・看護師が共通資料として参照できるようにしておくことで、説明内容のブレを最小化できます。
「販売中止=危険な薬」ではないこと、代替薬の有効性と安全性、服薬方法の違いなどを、表やアイコンを用いて視覚的に示すことで、短時間でも理解を促しやすくなります。
さらに、今回のアレジオン錠 販売中止・アレジオンDS販売中止をきっかけに、医療従事者自身がICH-M7ガイドラインや不純物管理の最新動向を学び直すことも、長期的には患者安全に直結します。
最後に、電子カルテ・院内チャット・薬局システムなど、既存のITインフラを活用した販売中止情報の自動通知・リスト化も、忙しい現場におけるヒューマンエラー防止に役立ちます。
「いつの間にか在庫が切れていた」「経過措置期間終了を失念していた」といった事態を避けるために、販売中止・経過措置情報を定期的にメンテナンスし、アラートを設計しておくことは、医療従事者にとって今後ますます重要なスキルとなるのではないでしょうか。
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