あなたが警告する副作用実は早漏治療に効くんです。

ユリーフ(一般名シロドシン)は前立腺肥大症治療薬の中でも、射精障害の発現率が特に高いことで知られています。承認時までのデータでは17.2%の患者に射精障害が発現したと報告されており、これはおよそ6人に1人という高さです。
さらに詳細な臨床試験データでは、シロドシン群の副作用発現割合は54.9%、うち射精障害単独では22.3%というデータもあります。これは他のα1遮断薬であるフリバスやハルナールと比較しても明確に高い数値です。
つまりユリーフは効果が高い分、射精障害のリスクも高い薬ということですね。
患者さんに処方する際は、この頻度の高さを事前に説明しておくことが重要です。説明不足のまま処方すると、患者さんが自己判断で服薬を中断してしまうケースにつながります。
なぜユリーフで射精障害が起こりやすいのでしょうか?その理由はα1受容体遮断作用の広さにあります。
ユリーフは前立腺や尿道だけでなく、精嚢や精管に分布するα1受容体にも作用します。この作用によって膀胱頸部(内尿道口)の閉鎖不全が起こり、精液が膀胱側に逆流する「逆行性射精」が生じます。
参考)302 Found
イメージとしては、本来なら一方通行の出口を通るはずの水が、扉が半分開いたままになって逆流してしまうような状態です。精嚢・精管内圧の低下によって精液の射出そのものが弱まる「射出障害」も併発することがあります。
なお、膀胱内に逆流した精液は、その後の排尿と一緒に体外に排出されるため、体内に留まって害を及ぼすことはありません。
参考)https://med.kissei.co.jp/dst01/pdf/UR012.pdf
射精障害が起きた場合、まず確認すべきは症状の重症度と患者さんの困り具合です。軽度で経過観察が可能な場合と、服薬変更を検討すべき場合があります。
副作用モニター情報では、服用開始から1週間程度で症状が出現した症例と、4カ月後に自覚した症例の両方が報告されています。個人差が大きいということですね。
対応としては、まず自己判断による中断を防ぐために事前説明を徹底し、症状が強い場合はタムスロシンなど他のα1遮断薬への変更を検討する、という流れが基本です。
過去の報告では、他剤(タムスロシンなど)からユリーフへの変更後に射精障害を自覚し、再度他剤へ戻したケースもあります。これは使えそうな判断基準ですね。
処方時には、患者さん自身が症状をメモできるよう簡単な服薬記録表を渡しておくと、次回診察時の評価がスムーズになります。
前立腺肥大症治療で用いられるα1遮断薬には、ユリーフのほかにフリバス(ナフトピジル)やハルナール(タムスロシン)などがあります。
参考)前立腺肥大症の薬「α1遮断薬」の効果と副作用を医師が解説 -…
フリバスは射精障害の副作用報告が低率であることが知られています。射精障害が少ないということは、裏を返せば射精を遅らせる効果も乏しいとも言えます。
つまり効果とリスクはトレードオフの関係にあるということですね。患者さんの年齢やパートナーの有無、挙児希望の有無によって、どの薬剤を選択すべきかが変わってきます。
挙児希望がある患者さんには射精障害リスクの低い薬剤を優先し、症状のコントロールを重視する患者さんにはユリーフを選ぶといった使い分けが現実的な対応です。
ここまでは副作用としての側面を説明してきましたが、実はこの「射精を遅らせる」という作用そのものを治療目的で活用する動きもあります。
早漏症治療において、射精を遅延させる薬剤として海外ではさまざまな薬剤が使われており、ユリーフもその候補の一つとして報告されています。
これは意外ですね。同じ薬理作用でも、前立腺肥大症の患者さんにとっては望まない副作用、早漏に悩む患者さんにとっては望む効果になるという点は、患者背景ごとの説明の仕方を工夫するヒントになります。
処方の目的によって「副作用」と「効果」の説明の重みづけを変える、という視点を持っておくと、患者さんへのカウンセリングの質が上がります。性機能障害治療に精通した医師と連携し、メリットとデメリットを踏まえた処方判断を行うことが望ましいとされています。
患者向け説明資料:ユリーフによる射精障害のメカニズムと服用時の注意点が図解でまとめられています
副作用モニター情報:実際の症例2件と全国7例の集計データが確認できます
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