鳥居薬品株式会社の会社概要と事業領域

鳥居薬品株式会社の設立、本社、組織、主力領域、主要製品、経営方針を医療従事者向けに整理します。製品情報を確認する際、企業の役割や提供体制まで理解できているでしょうか?

鳥居薬品株式会社の会社概要と事業の核心ガイド

鳥居薬品の基盤と医療貢献
100年超の事業基盤

1921年設立の製薬企業であり、日本橋を本社として医薬品の製造販売を主業としています。

専門領域への集中

腎・透析、皮膚疾患、アレルゲンを主な重点領域とし、治療選択肢の提供に取り組んでいます。

適正使用と安定供給

医療情報の提供、安全性情報の収集、品質保証、供給体制の整備を重要な責務として位置づけています。


鳥居薬品株式会社の基本情報と沿革



鳥居薬品株式会社は、医薬品の製造・販売を主な事業とする製薬企業です。商号は鳥居薬品株式会社、英語表記はTORII PHARMACEUTICAL CO., LTD.です。本社は東京都中央区日本橋本町3丁目4番1号のトリイ日本橋ビルに置かれ、代表取締役社長は近藤紳雅氏です。資本金は51億9,000万円、従業員数は619名であり、2026年3月31日時点の会社概要が公開されています。医療現場に関係する情報を確認する場合は、会社情報と同時に、各製品の最新電子添文、RMP、適正使用情報資材、供給状況を個別に確認することが重要です。


参考)会社概要
同社の源流は、1872年に鳥居徳兵衛氏が横浜で洋薬輸入商を創立したことにさかのぼります。1909年には薬品試験所を設置して自社製品の製造販売を開始し、1921年11月に株式会社鳥居商店として組織化されました。その後、1949年に鳥居製薬株式会社との合併を経て、鳥居薬品株式会社へ商号を変更しています。長期にわたり医薬品事業を継続してきた背景は、同社の企業理解における基本的なポイントです。


参考)https://www.torii.co.jp/ir/library/yuuhou/pdf/133/s133y_01.pdf
近年の製品史を見ると、1963年のアレルゲンエキス発売、1993年のアンテベート軟膏・クリーム発売、2009年のレミッチカプセル発売、2014年のリオナ錠およびシダトレンスギ花粉舌下液発売、2015年のミティキュアダニ舌下錠発売、2018年のシダキュアスギ花粉舌下錠発売、2020年のコレクチム軟膏とエナロイ錠発売、2021年のオラデオカプセル発売、2024年のブイタマークリーム発売などが挙げられます。各製品の承認時期や販売開始時期は、適応追加、剤形追加、用法・用量、安全性情報の更新と必ずしも一致しないため、臨床で利用する際は最新の公式情報を優先してください。


鳥居薬品株式会社 会社概要


会社概要を一覧で確認するポイント

「鳥居薬品株式会社 会社概要」を確認する目的は、所在地や代表者といった基本情報の把握だけではありません。医療従事者にとっては、どのような企業が、どの領域に資源を集中し、どのような供給・安全性・情報提供の体制を志向しているのかを理解することが、製品情報を評価するための補助線になります。とくに専門領域型の製薬企業では、領域内の製品群、開発パイプライン、ライセンス先、流通・供給上の課題を横断してみることで、情報提供活動の背景を把握しやすくなります。

項目 基準・内容 備考
商号 鳥居薬品株式会社 英語表記はTORII PHARMACEUTICAL CO., LTD.
設立 1921年11月1日 長期にわたり医薬品事業を継続
本社 東京都中央区日本橋本町3丁目4番1号 トリイ日本橋ビル
代表者 代表取締役社長 近藤紳雅氏 会社概要掲載時点の情報
資本金 51億9,000万円 公式会社概要による
従業員数 619名 2026年3月31日現在
主な事業内容 医薬品の製造・販売 重点領域を中心に製品を展開
事業所 本社、東京支社、全国7カ所の事業所 医療機関等への情報提供活動を支える体制

なお、鳥居薬品の株式は2025年8月28日付で東京証券取引所プライム市場において上場廃止となっています。そのため、過去のIR資料を参照する際には、上場会社として公開された時点の資料であること、また現在の会社概要や役員体制、組織体制とは異なる可能性があることを踏まえる必要があります。企業の現況は、会社公式サイトで更新される会社概要、ニュースリリース、製品情報などで確認することが適切です。



重点領域と主要製品からみる事業構造

鳥居薬品の事業は、腎・透析領域、皮膚疾患領域、アレルゲン領域を中心に構成されています。2024年12月期の有価証券報告書では、主たる事業を医薬品の製造販売とし、これらの領域に加えて、整腸剤や希少疾患関連製品などを含むその他領域の製商品を扱う構造が示されています。単に製品名を把握するのではなく、診療科、患者背景、治療継続性、服薬・使用手技、安全性モニタリング、供給事情を意識して情報を確認することが大切です。


  • 腎・透析領域では、高リン血症治療剤・鉄欠乏性貧血治療剤のリオナ錠、透析患者における経口そう痒症改善剤のレミッチなどを扱っています。
  • 皮膚疾患領域では、外用JAK阻害剤のコレクチム軟膏、外用副腎皮質ホルモン剤のアンテベートおよびロコイド、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬を対象とするブイタマークリームなどを展開しています。
  • アレルゲン領域では、スギ花粉症に対するシダキュアスギ花粉舌下錠、ダニアレルギー性鼻炎に対するミティキュアダニ舌下錠などのアレルゲン免疫療法薬を扱っています。
  • その他領域には、活性生菌製剤のビオスリー、遺伝性血管性浮腫発作抑制を目的とするオラデオカプセルなどが含まれます。

アレルゲン免疫療法薬では、導入時の初回投与、投与継続、患者への使用方法説明、アナフィラキシーを含む安全性への注意、季節性や原料・製造体制に関わる供給情報など、診療現場で確認すべき事項が多岐にわたります。皮膚疾患治療薬においても、病態や重症度、年齢、使用部位、外用量、併用療法、局所および全身性の有害事象に留意し、製品ごとの電子添文とガイドラインを根拠に判断する必要があります。企業の事業領域は理解の入口であり、個別患者への治療適用を直接決める根拠ではありません。
第133期 有価証券報告書


医療従事者が確認したい情報提供と安全性の視点

鳥居薬品は企業理念として、患者とその家族、医療に携わる人々に誠実に向き合い、健康回復と豊かな人生への貢献を目指す考え方を掲げています。また、経営の基本的考え方として、お客様、株主、社会、社員への責任をバランスよく果たす「4Sモデル」を位置づけています。医療従事者の実務では、このような理念そのものよりも、適正使用情報の質、問い合わせ対応、緊急安全性情報へのアクセス性、供給情報の迅速性、医薬品リスク管理計画の運用といった具体的な活動として確認することが有用です。


安全性の観点では、医薬品には副作用発現の可能性があり、添付文書改訂や適正使用情報の追加が必要になることがあります。同社は、有害事象を含む安全性情報を収集し、評価・分析の結果に応じてRMPや添付文書を改訂し、医療関係者へ情報提供する方針を示しています。医療機関側では、疑われる副作用を認めた際に、院内手順と関連法令に沿って適切に対応するとともに、必要に応じて製造販売業者の安全管理部門へ情報提供する体制を整えておくことが重要です。


また、製品情報を閲覧する際には、広告・販促資料だけで判断せず、承認された効能又は効果、用法及び用量、禁忌、特定の背景を有する患者に関する注意、相互作用、副作用、臨床成績、薬物動態、RMPを確認する姿勢が必要です。とくに生物由来原料や天然由来原料、委託製造を含む製品では、供給上の事情が診療スケジュールに影響する可能性があります。処方や切替を検討する局面では、最新の供給状況と代替対応の可否を、薬剤部・医薬品卸・メーカー窓口を通じて確認してください。


経営方針、開発戦略と安定供給への取り組み

鳥居薬品は、中長期事業ビジョンとして「VISION2030」を掲げ、医療ニーズを深く理解し、高い専門性と機動力を通じて、関係者との共創を最適な形で進め、価値ある新薬を見いだし届ける存在感のある製薬企業を目指す方針を示しています。具体的には、導入活動の強化と、製品価値を最大化する仕組みづくりを事業戦略としており、自社単独の創薬だけに依存せず、外部企業との連携・導入も活用するビジネスモデルが特徴です。


2024年12月期の売上高は604億2,600万円で前期比10.6%増、営業利益は67億9,800万円で前期比35.0%増でした。皮膚疾患領域とアレルゲン領域における販売数量の伸長が増収に寄与しており、主な製品別ではコレクチム軟膏、シダキュアスギ花粉舌下錠、ミティキュアダニ舌下錠などの売上増加が示されています。ただし、これは企業の過去業績に関する情報であり、特定の治療薬の臨床的価値、個別患者への有用性、今後の供給・薬価・採用を保証するものではありません。


安定供給は、医療従事者にとって企業評価の重要な要素です。同社は、製造元の操業停止、原材料の供給支障、自然災害、物流停滞などをリスクとして認識し、BCP整備、複数社からの原薬・原材料調達、東日本・西日本の物流センター活用、製造委託先に対する品質管理状況の確認などを進める方針を開示しています。シダキュアについては原薬製造設備の増設を進める旨も示されており、アレルゲン免疫療法を継続する患者を抱える医療機関では、最新の出荷・供給情報を定期的に確認することが実務上重要です。


鳥居薬品株式会社の会社概要を把握することは、同社製品を扱う際の背景理解に役立ちます。一方で、医療上の意思決定は企業概要や業績ではなく、患者個別の病態、診療ガイドライン、承認情報、最新の安全性情報、院内採用基準、多職種での評価に基づいて行う必要があります。企業情報はあくまで補完的な情報として位置づけ、日常診療では製品ごとの公式情報を継続的に確認することが求められます。

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