指定難病医療費助成制度は、難病法に基づき国が指定する333の疾患を対象とした医療費支援制度です。 患者の所得に応じて月額5,000円から20,000円の自己負担上限額が設定され、それを超えた医療費が公費で負担されます。
参考)指定難病患者への医療費助成制度のご案内 – 難病…
この制度の重要な特徴として、受給者証の交付前に支払った医療費についても、後日払い戻しを受けることができる「償還払い」制度が用意されています。 申請から受給者証交付まで3〜4か月かかるため、この制度を正しく理解しておくことが経済的負担の軽減に直結します。
参考)https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kenkotaisaku/0000078618.html

払い戻し申請は、住所地を管轄する保健所の窓口で行います。 申請時期は、払い戻しの対象となる診療月の翌月以降であれば可能ですが、時効は5年間と定められています。
参考)国が指定する難病医療費助成制度(特定医療費)について/長野県
申請の流れは以下の通りです。
意外な注意点として、領収書は「原本」の提出が必須で、再発行されたものは無効となる自治体がほとんどです。 医療機関を受診した際に、必ず領収書の原本を保管しておく必要があります。
参考)https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/621434_2857237_misc.pdf
また、申請は「診療月の翌月以降」でなければ受理されません。 例えば、1月に受診した場合、申請できるのは2月以降となります。早すぎる申請は却下されるため注意が必要です。
払い戻し申請に必要な書類は自治体によって若干異なりますが、基本的に以下の書類が必要です。
参考)京都市:特定医療費(指定難病)の療養費(医療費の払い戻し)申…
長野県の様式ダウンロードページ
このリンクに主要な申請書類のPDFが用意されています。
医療費証明書は、各医療機関ごとに作成が必要で、複数の医療機関を受診している場合は、それぞれで書類を用意しなければなりません。 薬局での調剤も対象となるため、処方箋薬局でも証明書の作成を依頼しましょう。
相続人が申請する場合は、戸籍謄本や同意書など追加書類が必要です。 受給者が死亡した場合の手続きについては、事前に保健所に確認することをお勧めします。
払い戻し金額の計算は、以下の式で求められます。
払い戻し額 =(医療費総額 − 高額療養費)− 自己負担上限額
具体的には、3割負担で支払った医療費から、まず高額療養費として返還される金額を差し引きます。 次に、自己負担上限額(所得に応じて5,000円〜20,000円)を超える分が払い戻しの対象となります。
参考)https://www.pref.nagano.lg.jp/matsuho/gyomu/iryo/documents/7shison.pdf
例として、医療費総額100,000円(10割)、自己負担上限額10,000円の場合。
このように、高額療養費制度を先に適用した残りが計算対象となります。 医療保険の患者負担割合が2割や1割の方は、それぞれの負担割合が適用されます。
参考)富山県/5)特定医療費(指定難病)の償還払い申請について
意外な事実として、介護保険適用分の訪問看護等も合算対象となります。 病院・診療所の受診、薬局での保険調剤、訪問看護ステーションの利用をすべて合算して計算するため、複数のサービスを利用している場合は忘れずに申告しましょう。
払い戻し申請の期間は、以下の2つのパターンに分かれます。
受給者証交付前に支払った医療費の場合
参考)難病医療費助成制度(償還払い申請)について - 保健福祉部健…
受給者証有効期間中に提示できなかった場合
時効は5年と定められていますが、 実際には「受給者証の有効期間内」の医療費のみが対象となります。 有効期限は原則1年で、毎年更新が必要です。
重要な注意点として、申請から受給者証交付まで3〜4か月かかるため、 新規申請の場合は「申請日からの原則1か月」まで遡って助成が開始されます。 診断日から1か月以内に申請できなかった場合、やむを得ない理由があれば最長3か月まで遡りが延長されます。
更新申請は毎年6月1日から受付開始で、 有効期間の満了前に手続きを完了させる必要があります。有効期間を過ぎると医療費助成は支給されません。
あまり知られていない重要な制度として、「軽症高額該当」があります。 これは、重症度分類を満たさない軽症患者でも、医療費が高額であれば助成対象となる特例措置です。
具体的には、申請日の属する月を含む直近12か月のうち、指定難病に係る医療費総額(10割)が33,330円(診療報酬点数3,333点)を超える月が3か月以上ある場合、助成対象となります。
この制度の意外な点は、「発症日以降」の医療費しか対象とならないことです。 臨床調査個人票に記載された発症日以前の医療費は、どれだけ高額でもカウントされません。申請時に発症日を正確に確認しておく必要があります。
また、軽症高額該当の助成開始日は、「軽症高額の基準を満たした日の翌日」からとなります。 例えば、1月、3月、5月に33,330円超の医療費が発生した場合、助成開始は5月の翌日である6月1日となります。
軽症高額該当者も、重症度分類を満たす患者と同様に、受給者証交付前の医療費について払い戻しを受けることができます。 症状が軽度でも医療費負担が大きい場合は、この制度の活用を検討しましょう。
難病医療費助成制度のご案内(日本難病・疾病団体協議会)
このリンクに制度の概要と申請資格の詳細が記載されています。