高用量でなくても認知症リスクが上がる場合があります。
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レンドルミン(ブロチゾラム)は短時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。GABA受容体に作用して鎮静・催眠効果をもたらしますが、この作用機序が認知機能にも影響を及ぼす可能性が指摘されています。
神経病理学的な検討では、ベンゾジアゼピン系薬剤がタウ蛋白のリン酸化や神経細胞の脱落に関与する可能性が示されています。つまり、単なる眠気だけでなく、脳内の変性プロセスに関わる可能性があるということですね。
参考)Q60 ベンゾジアゼピン系睡眠薬の長期服用は認知症の発症リス…
高齢者では認知機能障害や転倒などの有害事象も多く報告されています。長時間作用型ほどリスクがわずかに高い傾向も見られました。ただし統計学的に有意ではない例もあります。
このため、処方時には作用時間の短いタイプを優先する医師も少なくありません。患者への説明では「短時間作用型だからリスクゼロ」という誤解を避けることが重要です。用量と使用期間の記録を診療記録アプリで管理する運用も有効です。
カナダ・ケベック州の症例対照研究では、ベンゾジアゼピン系薬剤の服用者はアルツハイマー型認知症の発症が1.5倍多かったという結果が出ています。この研究では1796名の患者と7184名の対照群を比較しています。
参考)安定剤や睡眠薬(ベンゾジアゼピン系薬剤)と認知症 :: 医療…
服用期間が長いほど、また作用持続時間が長い薬剤ほど、発症との関連が強かったとされています。これは面積で言えば東京ドーム約1.5個分の差に相当するイメージで捉えると分かりやすいかもしれません。
一方、Penninkilampi氏らのメタ解析では常時使用でオッズ比1.39、5年以上の長期使用でも1.30という結果でした。プロトパシックバイアス(因果の逆転)を制御してもリスクは残ったとされています。
意外ですね。
短期処方であればリスクは限定的とみる専門家もいます。処方期間の目安をカルテのテンプレートに組み込んでおくと、漫然投与の防止に役立ちます。
つまり、認知機能低下の前駆症状として不眠が現れ、それに対してレンドルミンが処方された結果、見かけ上リスクが高く出ている可能性があるということですね。
処方前に認知機能スクリーニングを簡易チェックリストで確認しておくと、こうした因果関係の混乱を減らす助けになります。
患者や家族への説明では、「睡眠薬が直接認知症を引き起こす」という単純化した表現は避けるべきです。因果関係が証明されていない以上、正確な情報提供が求められます。
オランダの5,400人以上を対象にした研究では、認知機能が正常な成人においてベンゾジアゼピン系薬剤の使用と認知症リスク増加との関連は認められませんでした。ただし脳の構造にかすかな影響を及ぼす可能性は指摘されています。
結論は「関連はあるが証明された因果関係ではない」です。
説明の際は、不眠自体が認知症リスク因子である可能性にも触れると、患者の理解が深まります。抗コリン作用の強い市販薬との比較情報も、必要に応じて軽く紹介すると良いでしょう。
参考)睡眠薬と認知症は本当に関係ある?|研究と安全な不眠治療
ベンゾジアゼピン系以外にも、比較的安全性の高い睡眠薬が存在します。オレキシン受容体拮抗薬やメラトニン受容体作動薬などは、作用機序が異なるため認知機能への影響が比較的少ないとされています。
これは使えそうです。
不眠治療の第一選択を薬物療法に限定せず、睡眠衛生指導や認知行動療法を組み合わせる方針も有効です。厚生労働省は睡眠薬の適正使用に関するガイドラインを公表しており、処方の目安として参照できます。
常時使用によるオッズ比や作用時間別のリスク差など、メタ解析の詳細データはこちら
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