
乳酸ナトリウムを含む製剤(乳酸リンゲル液など)の添付文書には、「過敏症」として紅斑- 蕁麻疹- そう痒感が記載されています。ただし、これらは「真のアレルギー(免疫介在性)」とは限らず、非免疫性の過敏反応や、他の成分との関連も考慮する必要があります。
参考)https://med.nipro.co.jp/servlet/servlet.FileDownload?file=01510000000JVhyAAG
臨床現場でよくあるシナリオは以下の通りです。
「乳酸ナトリウム単独」でのアナフィラキシー報告は極めて稀ですが、「乳酸ナトリウムを含む輸液」全体での過敏症は複数の医薬品情報に記載があります。
「乳酸ナトリウムが直接アレルゲンになる」機序は、現時点では明確に証明されていません。考えられる機序は主に2つです。
また、一般社団法人 日本皮膚科学会 薬剤アレルギー Q&A にも記載がある通り、薬物アレルギーの多くは免疫反応によるものですが、乳酸ナトリウムのような低分子化合物では、ハプテン結合を介した反応が想定されます。 ただし、乳酸ナトリウム単体での特異的IgE抗体や、皮膚テストの陽性報告はほとんど見当たりません。
参考)薬剤アレルギー/Q&A|一般社団法人日本アレルギー学会
「乳酸ナトリウム アレルギー」を診断する際、以下の鑑別が重要です。
診断的アプローチ:
「乳酸ナトリウム単独」でのアレルギー診断は困難であり、「乳酸ナトリウムを含む製剤全体」での反応と捉えるのが現実的です。
「乳酸ナトリウム アレルギー」が疑われる場合、以下の代替輸液が考えられます。
特に、高乳酸血症- 肝不全- 重症敗血症では、乳酸の代謝が障害されるため、乳酸ナトリウム含有輸液の投与は禁忌または慎重投与です。 また、日本薬局方 L−乳酸ナトリウムリンゲル液 添付文書 にも「高乳酸血症の患者」は禁忌と明記されています。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00060336.pdf
「乳酸ナトリウム=乳製品?」と誤解されがちですが、乳酸ナトリウムは牛乳由来ではありません。
意外な事実として、「乳」という名称が付いていても、乳アレルギーの原因にはならない成分は他にもあります。
参考)乳酸菌飲料は牛乳アレルギーでも飲んで大丈夫でしょうか?
これらの情報は、HAPIKU栄養相談室 や 環境再生保全機構 食物アレルギー対応ガイドブック にも明記されています。
参考)https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/02/pdf/sukoyaka42.pdf