
呼吸不全は、動脈血ガス分析でPaO2が60 Torr以下となる状態を基本に考えます。
Ⅰ型呼吸不全はPaO2 60 Torr以下かつPaCO2 45 Torr以下、Ⅱ型呼吸不全はPaO2 60 Torr以下かつPaCO2 45 Torr超で分類します。
この区別は、酸素化障害が前景か、換気障害が前景かを示すため、治療方針の整理に役立ちます。
参考)https://www.atomed.co.jp/openfacemask/column/01/
慢性呼吸不全は1か月以上持続する状態で、急性呼吸不全とは経過の見方が異なります。
P/F比はPaO2÷FiO2で求め、酸素投与の影響を補正して酸素化を評価します。
参考)P/ F 比
室内気呼吸ではFiO2を0.21として計算し、人工呼吸や酸素投与中の患者でも比較しやすくなります。
参考)P/F比で見る酸素化の評価!ARDS診断に欠かせない指標の読…
P/F比はPaCO2を直接反映しないため、換気の情報は別途確認が必要です。
参考)https://www.wakayama-med.ac.jp/med/eccm/assets/images/library/bed_side/03.pdf
酸素化の悪化を短く把握できる一方、単独評価では病態が隠れることがあります。
ARSDでは軽症、中等症、重症の区分にP/F比が用いられ、治療強度の判断に直結します。
気管支喘息や心不全と異なり、ARDSでは肺実質の障害が強く、P/F比の低下が病態理解の中心になります。
参考)https://www.takamatsu.jrc.or.jp/archives/010/201711/ARDS%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%20%E6%B2%BB%E7%99%82%E7%B7%A8%E9%9B%86.pdf
人工呼吸管理ではPEEP調整とあわせてP/F比を追うことで、酸素化改善の方向性を確認できます。
臨床ではPaO2、PaCO2、pHを同時に見て、酸素化と換気と酸塩基平衡をまとめて判断します。
参考)https://ccpat.net/ccpat/wp-content/uploads/2020/04/Acute-Respiratory-Failure.pdf
PaO2だけでは酸素投与中の状態を見誤りやすく、P/F比があることで比較の精度が上がります。
A-aDO2も併用すると、換気血流比不均等や拡散障害の可能性を補助的に評価できます。
看護や初学者教育では、PaO2 60 Torr、PaCO2 45 Torr、P/F比 300という3つの数字を軸に覚えると整理しやすくなります。
P/F比は便利ですが、FiO2の見積もりがずれると評価もぶれます。
酸素投与デバイスごとのFiO2差を意識しないと、同じPaO2でも重症度の印象が変わります。
また、呼吸不全の定義は「数値」だけでなく、意識障害や呼吸困難などの臨床症状も合わせて考える必要があります。
そのため、P/F比は診断の入口であり、病態全体を置き換える指標ではありません。
参考リンクの要点は、呼吸不全の定義と血液ガスの基礎整理です。
参考リンクの要点は、P/F比とARDS重症度の考え方です。
参考リンクの要点は、血液ガス分析で酸素化能を読む視点です。