あなたの疑義照会、実は不要かもしれません。

カタリンとカタリンKは、どちらも有効成分がピレノキシン0.005%です。効能・効果も「初期老人性白内障」で完全に一致しています。
参考)https://www.ygken.com/2016/04/k.html
用法・用量も「1回1〜2滴、1日3〜5回点眼」とまったく同じです。つまり成分だけを見れば違いはゼロということですね。
参考)https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/syaho/ganyaku_11.pdf
このため薬局では、カタリンからカタリンKへの変更、あるいはその逆の変更が起きても、成分上の問題は発生しません。にもかかわらず、名前が違うために「別の薬」と誤解する医療従事者や患者さんも少なくありません。
医薬品情報サイトで添付文書を確認する習慣をつけておくと、こうした思い込みによる確認漏れや不要な問い合わせを減らせます。
参考)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/380086_1319706Q2039_1_08
カタリンは錠剤タイプで、専用の溶解液に錠剤を溶かして使う製剤です。一方カタリンKは、あらかじめ細かい顆粒状にした主成分を溶解液に溶かすタイプです。
参考)カタリン®(K)とカリーユニ®の違い(ピレノキシン)について…
顆粒にした理由は、溶解のしやすさを改善するためです。錠剤だと溶け残りが出やすく、患者さんが自宅で調製する際に苦労するケースがありました。
顆粒サイズはおおよそ砂糖粒より少し大きい程度で、振れば数秒で溶解液になじみます。錠剤より溶解時間が短いというのが、患者さんにとっての実質的なメリットです。
高齢の患者さんが自己調製する場面では、溶解のしやすさが服薬継続率に直結します。薬局窓口では、溶解の様子を実演したミニ動画や説明書を活用している薬局もあります。
参考)【白内障】カタリンK点眼用、ピレノキシンの解説 - YouT…
カタリンのpHは5.5〜6.5、カタリンKは4.5〜6.5、そしてジェネリックのカリーユニは3.4〜4.0です。目の表面のpHは7.0〜7.4程度なので、この値に近いほど点眼時の刺激(しみる感覚)が少ない傾向があります。
数字だけだと分かりにくいですが、pHの差はレモン汁と炭酸水くらいの酸性度の違いに相当します。カリーユニの方が酸性寄りで、しみやすい可能性がある一方、常温保存が可能という利点があります。
カタリンとカタリンKは溶解後、冷所遮光保存が必須です。冷蔵庫のドアポケットではなく、庫内の安定した場所に保管するのが基本です。
保存温度が不安定だと有効成分の分解が進みやすくなります。患者さんへの服薬指導では、保存方法の違いを一言添えるだけで、薬剤への信頼感が変わってきます。
ここが意外と知られていないポイントです。処方箋が「ピレノキシン点眼液」という一般名処方で書かれている場合、カタリンでもカタリンKでもどちらを調剤しても差し支えありません。
商品名で「カタリンK」と指定されている処方箋であっても、成分・効能が同一であることを根拠に、疑義照会なしで銘柄変更調剤(一般名処方の範囲内での変更)が認められる場合があります。医療機関ごとの取り扱いルールを確認しておくことが前提です。
成分同一が原則です。
この知識があれば、在庫切れ時の代替調剤や、患者さんからの「薬が変わった」という不安への説明がスムーズになります。院内フォーマットに一般名処方の取り扱い例外リストをメモしておくと、現場判断が速くなります。
カタリンKは溶解後、できるだけ冷所保存で4週間以内に使い切るのが目安です。カタリンは3週間以内とされ、わずかに短い設定になっています。
参考)白内障薬:カタリンK,カリーユニ、タチオンは何が違うの? -…
期限管理には注意が必要です。
1本の容量はカタリンKで15mL程度、1日3〜5回点眼という用法から逆算すると、期限内に使い切れる量として設計されています。期限切れの点眼液を使い続けると、防腐効果の低下や成分変性により、効果が薄れるだけでなく眼への刺激が強まるリスクがあります。
溶解した日付を容器やアプリのリマインダーに記録しておくと、期限切れの使用を防げます。スマートフォンのカレンダーアプリで溶解日から4週間後に通知を設定する、というシンプルな方法が実践的です。
医療用医薬品の添付文書情報(PMDA)で、カタリン・カタリンKの最新の使用上の注意を確認できます。