日医工は2025年9月、業界最大手の沢井製薬と後発医薬品の製造所集約・品目統合に向けた協業に合意しました。対象は15成分30品目で、うち16品目は中止代替(一方を発売中止し他方で代替供給)、14品目は製造所集約(一方の製造所に統合)として2026年以降、準備が整い次第順次開始される計画です。
参考)https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_27019
この協業は、厚生労働省が設置した「後発医薬品製造基盤整備基金」などを活用し、生産効率の向上と生産キャパシティの増加を図ることで、後発医薬品の安定供給体制の構築を目的としています。
2026年現在、日医工の全製品供給状況は順次更新されており、一部の製品で限定出荷や販売中止の案内が出されています。例えば、プレガバリンOD錠50mg「日医工」は2026年7月に販売中止が告知され、ドネペジル塩酸塩内服ゼリー3mg「日医工」は薬価削除により供給停止となっています。
参考)お知らせ一覧
日医工 行政情報・医薬品情報(Stu-GE)
変更調剤とは、処方箋に記載された医薬品について、一定の条件を満たす場合に薬剤師が別の医薬品・規格・剤形へ変更して調剤する行為です。この取扱いは厚生労働省通知「処方せんに記載された医薬品の後発医薬品への変更について」(平成24年3月5日保医発0305第12号)で示されています。
参考)【2026】変更調剤の最新ルールを学ぼう。事例からわかりやす…
基本的なルールは以下の通りです。処方箋は「銘柄名処方」と「一般名処方」で扱いが分かれ、銘柄名処方は「変更不可」欄に保険医の署名があれば変更できません。一般名処方は同一成分なら先発・後発どちらでも調剤可能ですが、別規格・類似別剤形への変更は原則として後発医薬品に限られます。
後発品への変更には患者への説明と同意が必要であり、含量規格違い・類似別剤形への変更も後発医薬品に限られます。内服薬の類似別剤形は同一区分内(ア/イ/ウ)に分けられ、グループをまたいだ変更は基本的に不可です。また、変更後の薬剤料は変更前と同額以下でなければなりません。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 処方箋の種類 | 銘柄名処方/一般名処方 | 銘柄名処方は変更不可欄+署名で変更不可 |
| 変更可能な範囲 | 同一成分の先発・後発 | 別規格・類似別剤形は後発医薬品に限る |
| 患者同意 | 必須 | 説明と同意を得た上で変更調剤を実施 |
| 薬剤料の比較 | 変更後≦変更前 | 薬価ではなく薬剤料で比較(特例あり) |
| 類似別剤形 | 同一区分内(ア・イ・ウ) | グループ跨ぎは原則不可(特例あり) |
医薬品の供給状況や需給の逼迫により、保険薬局で処方薬の必要量が用意できないやむを得ない状況においては、患者への説明と同意を前提に変更調剤を柔軟に取り扱うための当面の間の取扱いが整理されています。
この特例措置では、以下の3つの取扱いが可能となります。取扱い1として、後発医薬品の銘柄処方で「変更不可」欄に記載がなければ、説明・同意のうえ先発医薬品へ変更できます。取扱い2として、含量規格が異なる/別剤形の後発医薬品などへは、薬剤料が上回っても説明・同意のうえ変更できます。
取扱い3として、内服薬のうち類似する別剤形の後発品への変更調剤がやむを得ずできない場合に限り、区分アの錠剤を区分イの散剤へ変更するなど、分類間の別剤形(含量規格が異なる場合を含む)への変更調剤が可能です。ただし、区分ウ(液剤関連)への変更は引き続き不可です。
日医工製品の供給状況は2026年9月現在、多くの品目で通常出荷が継続されていますが、一部で限定出荷や供給停止、販売中止の製品があります。例えば、アムロジピン錠10mg「日医工」は通常出荷、ロキソプロフェン錠60mg「日医工」も通常出荷ですが、ドネペジル塩酸塩内服ゼリー3mg「日医工」は供給停止(薬価削除)となっています。
参考)ドネペジル塩酸塩(アリセプト内服)(3mg1個)の出荷調整・…
日医工と沢井製薬の協業により、2026年以降順次開始される中止代替品目については、一方の製品を発売中止し、もう一方の製品で代替供給されるため、変更調剤の観点では代替品への円滑な切り替えが重要となります。
実務対応としては、日医工の「全製品の供給状況」ページやStu-GE(日医工の行政情報・医薬品情報サイト)で最新の供給状況を確認し、供給停止や販売中止が告知された品目については、事前に代替可能な後発医薬品や先発医薬品をリストアップしておくことが推奨されます。
薬局が変更調剤をしたあとに、処方箋を発行した医療機関へ「実際に調剤した薬剤」を情報提供する必要があります。これは疑義照会ではなく、事後報告です。変更してよい範囲内で調剤したあと、処方元にフィードバックするものです。
ただし、事前合意により報告方法・頻度・要否を簡略化・省略している薬局もあります。地域や医療機関との連携状況に応じて、適切な報告体制を構築することが重要です。
実務チェックリストとして、以下の項目を確認しましょう。処方箋の種類(銘柄名/一般名)と変更不可欄の有無、患者への説明と同意の取得、変更後の薬剤料が同額以下か(特例適用時はその根拠)、類似別剤形の変更が同一区分内か、医療機関への事後報告の実施、日医工製品の供給状況の最新確認、これらを徹底することが求められます。