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近年の全国調査では、「かかりつけ医がいる」と回答した割合はおおむね5〜6割台で推移しており、「いない」あるいは「いないがいた方がよいと思う」という回答が合わせて約4割前後を占めることが示されています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jyuryo/00/kekka-2.html
例えば日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が行った「日本の医療に関する意識調査」では、「かかりつけ医がいる」人が56.9%、「いない」人が26.6%、「いないがいるとよいと思う」人が15.7%と報告されており、かかりつけ医いない割合は約4割弱という構図になっています。
参考)「かかりつけ医」いる56.9%、日医総研調べ - CBnew…
厚生労働省の受療状況調査でも、外来患者の約6割が「日頃病気について診てもらったり相談する医師」がいると回答する一方、残る約4割は明確なかかりつけ医を持たない状態であることが確認されており、一定数が「医療の出入口」を欠いたまま生活していることがわかります。
かかりつけ医いない割合は年代によって傾向が異なり、高齢者では「いる」割合がやや高く、若年層ほど「いない」「必要性を感じない」が増えるとされます。
参考)2ページ目-医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査(令和…
また、都市部ほどかかりつけ医いない割合が高い傾向があり、医療機関の選択肢が多いがゆえに「その都度選ぶ」という受診スタイルが成立してしまうという分析もあります。
参考)https://www.jmari.med.or.jp/wp-content/uploads/2024/01/WP480.pdf
このように、かかりつけ医いない割合は単なる数値以上に、世代・地域・生活様式の違いを反映した指標として捉える必要があります。
医療従事者にとって重要なのは、「かかりつけ医いない=非受診」ではなく、「かかりつけ医いない=場当たり的な受診」になりやすい点です。
参考)かかりつけ医がいない!【どうすればいいの?】
救急外来や大病院外来の初診患者の中には、軽症でも二次・三次医療機関をファーストコンタクトの場として選んでいるケースが一定数あり、その背景にかかりつけ医いない状態や地域医療への不信感があることが指摘されています。
これらのデータと現場の印象を重ねることで、「かかりつけ医いない割合」という数字の意味合いがより立体的に理解できます。
参考:かかりつけ医の有無に関する全国調査の詳細結果
厚生労働省 受療状況調査「かかりつけ医師の状況」
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日医総研の調査では、かかりつけ医いない人にその理由を尋ねたところ、「あまり病気にかからないので必要ない」が約7割を占め、「その都度医療機関を選ぶ」「どのような医師が適しているか分からない」といった回答が続いています。
この結果から、「かかりつけ医いない割合」の背後には、実際の疾病頻度だけでなく、「健康である」という自己認識や「医療への距離感」が大きく影響していることが示唆されます。
医療従事者としては、こうした患者心理を理解した上で、「自分の健康を守るためのかかりつけ医」の意義を丁寧に説明していくことが求められます。
さらに、「その都度選ぶ」という回答には、口コミサイトやSNSで医療機関情報を収集し、その時々の症状や評判に応じて受診先を変える「消費者的医療利用」の増加が背景にあると考えられます。
このようなスタイルは一見合理的に見えますが、継続的な情報共有や長期的な健康管理が分断されがちであり、慢性疾患・精神疾患・希少疾患などの患者にとっては大きなリスクを孕んでいます。
かかりつけ医いない割合を減らすためには、患者心理へのアプローチと同時に、医療者側が「選ばれる理由」を具体的に伝えていくコミュニケーション戦略も重要になります。
参考:かかりつけ医に関する患者心理分析
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かかりつけ医いない患者では、薬剤の重複処方や相互作用リスクの把握が困難になりやすく、医療安全上の懸念が高まることが各種報告で指摘されています。
参考)https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/iryou/iryoujouhou/7ji-iryoukeikaku_d/fil/yonnbu.pdf
特に高齢者や多疾患併存患者では、複数診療科・複数医療機関を利用しながら、処方内容を一元的に管理する医師がいない場合、ポリファーマシーの背景に「かかりつけ医いない状態」が潜んでいるケースが少なくありません。
参考)https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/478099.pdf
薬局薬剤師による服薬情報の統合や、電子カルテ・電子お薬手帳の活用などである程度は補完できますが、最終的な「方針決定」を担うかかりつけ医の存在は、依然として医療安全における重要なキープレイヤーです。
また、かかりつけ医いない患者では、症状が軽いうちは様子見を続け、悪化してから救急外来に受診する傾向が強いとされ、結果として入院率や医療費が高くなる可能性が指摘されています。
海外のプライマリケア研究でも、家庭医やGPとの継続的な関係を持つ患者は、予防接種率やがん検診受診率が高く、入院回数や救急受診頻度が低いことが示されており、日本における「かかりつけ医機能」も同様の効果が期待されています。
日本国内でも、自治体レベルの医療計画で「かかりつけ医機能の強化」が慢性疾患マネジメントや医療費抑制の重要施策として位置付けられており、かかりつけ医いない割合の高さは政策上の課題と捉えられています。
もう一つ見逃せないのが、メンタルヘルスへの影響です。
かかりつけ医いない患者では、身体症状と精神的ストレスが複雑に絡み合う状況で相談先が分散し、診断の遅れや支援の途切れを招きやすいとの指摘があり、特に若年成人で顕著だとされています。
継続的な信頼関係を持つ医師がいることは、「不調を言語化しやすい環境」を提供し、医療者側も患者の背景・価値観を踏まえた介入を行う上で不可欠な土台となります。
参考:地域医療計画におけるかかりつけ医機能の位置付け
福井県 第7次医療計画(医療提供体制に関する記載)
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自治体レベルの調査では、全国調査の平均値と比較して、かかりつけ医いない割合に地域差があることが示されており、都市部・地方部の二極化だけでは説明しきれない要因が見えてきます。
例えば愛知県の「かかりつけ医に関する現状調査」では、「かかりつけ医がいる」とする住民が約8割近くに達しており、全国平均を上回る値が報告されていますが、その一方で「実際には複数の医療機関を使い分けている」という回答も一定数存在しています。
つまり、「かかりつけ医がいる」と自己申告していても、医療従事者がイメージするような「一人の医師が軸になった継続診療」とは必ずしも一致していない可能性があり、かかりつけ医いない割合を議論する際には、この認識ギャップを踏まえる必要があります。
興味深い点として、高齢化が進んだ地域ほど「かかりつけ医がいる」割合が高い一方で、若年層ではSNSや口コミ情報を軸に医療機関を選ぶ「点受診スタイル」が広がっているという分析があります。
この傾向は、医療情報へのアクセスが容易になったことの裏返しであり、情報量の多さが必ずしも「継続的な医療関係」を促進していない事例として、医療従事者にとって示唆に富むポイントといえます。
さらに、地域包括ケアシステムが進んだ地域では、介護事業所や訪問看護ステーションが「準かかりつけ機能」を果たすことで、住民の医療アクセスを支えているケースもあり、かかりつけ医いない割合を単に「医師との関係」の有無だけで測ることの難しさが浮かび上がります。
医療従事者が地域差を理解するうえでは、以下のような視点が役立ちます。
これらを踏まえて「自地域のかかりつけ医いない割合」を眺め直すと、単なる数値以上に、地域医療の構造的課題が見えてきます。
参考:愛知県におけるかかりつけ医の現状
愛知県「かかりつけ医に関する現状調査」報告書
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検索上位の多くは、「かかりつけ医がいない場合の探し方」「いないことのデメリット」に焦点を当てていますが、医療従事者としては「かかりつけ医いない割合が今後どう変わりうるか」「かかりつけ医機能を誰が、どのように担うか」という視点が重要になります。
一つの方向性として、「個人の医師」ではなく「診療所チーム」をかかりつけ医機能の単位とする発想があります。
医師が複数名在籍するクリニックや、医師・看護師・薬剤師・MSWが一体となった多職種チームが、患者一人ひとりの基礎情報を共有しつつ、相談窓口として機能することで、「誰に付けばよいか分からない」という心理的ハードルを下げることが期待できます。
また、オンライン診療や電話再診、チャット相談などを組み合わせた「ハイブリッドかかりつけ医モデル」も、かかりつけ医いない割合を減らす可能性を秘めています。
頻回受診が不要な比較的健康な層に対しては、年に数回の対面受診と、随時オンライン相談を組み合わせることで、「かかりつけ医の敷居」を下げつつ、医療アクセスの継続性を確保できます。
さらに、薬局・訪問看護・リハビリテーション専門職が「日常的な接点」として機能し、医師との橋渡し役になることで、患者にとっての「かかりつけネットワーク」を形成する発想もあります。
医療従事者が現場で取りうる具体的な工夫として、以下のような取り組みが考えられます。
こうした取り組みは、個別医療機関の努力にとどまらず、地域全体の「かかりつけ医いない割合」を下げるうえで重要な役割を果たします。
最後に、かかりつけ医いない割合を「問題」と捉えるだけでなく、「患者の価値観の変化」を映す指標として向き合うことも大切です。
医療従事者が患者のライフスタイルや情報環境を理解したうえで、柔軟なかかりつけ医像を提案していくことが、今後のプライマリケアの発展につながるのではないでしょうか。
参考:日本の医療に関する意識調査の詳細と政策的示唆
日医総研「日本の医療に関する意識調査」ワーキングペーパー
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