
2026年は、病院での抜歯ミス、放射線科の見落とし、手術関連の死亡事例など、複数の医療事故ニュースが報じられています。
参考)https://news.ntv.co.jp/category/society/d8f170f1a1bc4afdbe6cb155d762cff9
医療従事者向けに見るなら、個別事故の是非だけでなく、再発しやすい場面がどこにあるかを拾うことが重要です。
参考)胎児死亡の医療事故 我が子を失った母は「殺されに行ったような…
意外に見落としやすいのは、重大事故の前に小さなヒヤリ・ハットが重なっている点です。
日本医療安全調査機構の公表によると、2026年6月までの累計医療事故報告は3849件で、6月単月は33件でした。
参考)2026年6月までに累計3849件の医療事故が報告され、うち…
2026年1〜6月の報告は216件で、比較可能な2016年以降の1〜6月では最多でした。
参考)医療事故報告216件、1〜6月で最多 前年同期比23%増
同機構の年報や月次報告を見ると、2026年は報告件数だけでなく、院内調査の完了率や相談件数も追う必要があります。
参考)https://www.medsafe.or.jp/med-cms/wp-content/uploads/2026/02/houdoushiryo20260209.pdf
数字そのものより、現場での「報告すべき事故」を適切に拾えているかが重要です。
| 項目 | 2026年の状況 |
|---|---|
| 6月の報告件数 | 33件 |
| 1〜6月累計 | 216件 |
| 制度開始からの累計 | 3849件 |
| 院内調査完了率 | 89.4% |
医療事故調査制度では、病院等の管理者が「予期しなかった死亡または死産」で、医療に起因し、または起因すると疑われる事例をセンターへ遅滞なく報告します。
参考)https://www.medsafe.or.jp/modules/about/index.php?content_id=6
報告方法は、書面提出か電子情報処理組織の利用で、報告事項には施設情報、患者情報、実施計画の概要などが含まれます。
診療現場では、事故発生そのものよりも、報告判断の遅れが二次的な問題になりやすい点が実務上の焦点です。
制度の中心にあるのは、事故を起こした医療機関が自ら原因を調べる院内調査です。
2026年6月までに報告された3849件のうち89.4%で院内調査が完了しており、制度が単なる通報制度ではないことが分かります。
院内調査は「犯人探し」ではなく、背景要因や再発防止策を明らかにするための仕組みです。
小規模施設では調査体制が弱くなりやすいため、外部支援やセンター調査の活用が現実的な選択肢になります。
センターはこれまでに、中心静脈穿刺、アナフィラキシー、転倒・転落、薬剤誤投与、血液検査パニック値などに関する再発防止策や警鐘レポートを公表しています。
ここで重要なのは、事故原因を「個人のミス」で終わらせず、確認手順、情報共有、電子カルテの運用、教育まで含めて見直すことです。
参考)【病院で医療事故】引き継ぎチェック怠る 50代女性がパンを…
独自視点としては、再発防止は「事故後」だけでなく、報告書式や記録様式の標準化から始まると考えると実務に落とし込みやすくなります。
制度の基本は、医療事故調査・支援センターの報告要件と手続きにまとまっています。
2026年の制度動向を押さえるなら、年報と月次の現況報告が最も実務的です。
参考)年報
法改正や運用見直しの方向性は、厚生労働省関連資料と検討会報告書が一次情報になります。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001634537.pdf