
医療現場では、肝機能異常、湿疹、皮膚炎、口内炎などの症状に対して使われることがあり、外用・内服のどちらでも遭遇します。
参考)グリチルリチン酸二カリウム(グリチルリチン酸)
甘草は咳嗽、咽頭痛、胃の不調の緩和目的でも使われ、漢方の中では「補助的だが頻出する成分」として扱うのが実務的です。
参考)甘草 - 24. その他のトピック - MSDマニュアル プ…
意外に重要なのは、甘草が「効き目のある生薬」であると同時に、「重複しやすい成分」でもある点です。
グリチルリチン甘草の最大の注意点は偽アルドステロン症です。
参考)偽アルドステロン症|一般の皆様へ|日本内分泌学会
これはアルドステロンが増えていないのに、体内で塩分と水がたまり、カリウムが失われることで、高血圧、むくみ、筋力低下、こむら返りなどが出る病態です。
厚生労働省資料では、長期大量使用での発現が報告され、数週間から数年後に症状が出ることもあるとされています。
早期発見の鍵は、手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりを「薬剤性の筋症状」として拾うことです。
甘草は漢方薬、かぜ薬、胃腸薬、肝臓の病気の医薬品に広く含まれています。
そのため、単剤では少量でも、複数の処方や市販薬が重なると総摂取量が増えます。
日本内分泌学会の解説では、甘草由来のグリチルリチン酸が腎で11βHSD2を阻害し、コルチゾールがミネラルコルチコイド作用を示すことが示されています。
つまり、問題は「漢方を飲んでいるか」ではなく、「甘草をどれだけ足し込んでいるか」という見方が重要です。
参考)https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_2079
報告では、グリチルリチン酸の長期使用で偽アルドステロン症が起こり、大部分は1日500mg以上でみられたとされています。
一方で、半量程度でも発現例があり、少量だから安全と決めつけられません。
医療用漢方薬でも、1日1~2g程度の甘草で発症例が報告されており、体質や併用薬の影響を無視できません。
参考)https://kirishima-mc.jp/data/wp-content/uploads/2023/04/45615cacabdeea96e807acb535dc094b.pdf
頻度は「高くないが見逃しやすい」ため、定期処方では症状確認をセットで考えるのが実用的です。
見落とされがちなのは、甘草の副作用が皮膚科、内科、耳鼻科、漢方外来にまたがって現れることです。
同じ成分でも、患者は「漢方だから安全」「市販薬だから軽い」と認識しやすく、服薬歴の申告漏れが起きやすいのが難点です。
さらに、低カリウム血症が先に進むと、だるさより先に筋肉痛や脱力として訴える場合があり、電解質異常の入口を臨床症状から拾う必要があります。
つまり、グリチルリチン甘草は薬効だけでなく、診療科横断での服薬確認を鍛える教材としても価値があります。
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