先発品エクア錠を処方し続けているあなた、後発品に変更すると患者の自己負担が月に数百円どころか年間で1万円以上変わる可能性があります。

エクア錠50mg(一般名:ビルダグリプチン)は、ノバルティスファーマ株式会社が製造販売し、住友ファーマ株式会社が販売する選択的DPP-4阻害薬です。 2010年1月20日に製造販売承認を取得し、同年4月16日に薬価基準収載・販売が開始されました。 開発コードはLAF237、1998年にスイスのノバルティス社で発見された化合物で、国内では2001年から臨床開発が始まっています。
作用機序はDPP-4を選択的かつ可逆的に阻害することで、内因性GLP-1濃度を高め、血糖依存性にインスリン分泌を促進させながらグルカゴン分泌を抑制するものです。 低血糖のリスクが少ない点が特徴のひとつです。
参考)https://www.gifu-upharm.jp/di/mdoc/iform/2g/i1114242510.pdf
承認当初の適応は「食事療法・運動療法のみ、あるいはスルホニルウレア剤使用でも効果不十分な場合に限る2型糖尿病」でしたが、2013年2月に一部変更承認を受け「2型糖尿病」へと拡大されています。 これにより、現在の後発品も最初から「2型糖尿病」の適応で承認されており、先発品と後発品の適応に差はありません。
参考)【GE】エクアの後発品の特徴を比較【2024年12月薬価収載…
用法・用量は通常「50mgを1日2回朝夕に経口投与」が基本ですが、患者の状態に応じて1日1回朝投与も可能です。 中等度以上の腎機能障害患者や透析中の末期腎不全患者では1日1回投与が推奨されており、腎機能に応じた用量調整が必要な点は先発・後発共通の注意事項です。
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薬価の違いは、医療従事者が後発品採用を判断する上で最も現実的な根拠のひとつです。 後発品の薬価だけ覚えておけばOKです。
令和6年度薬価改定後、エクア錠50mgの薬価は42.70円/錠となっています。 沢井製薬のビルダグリプチン錠「サワイ」は18.40円/錠で、1錠あたりの差額はおよそ24.3円です。 1日2回投与の場合、1日あたりの薬剤料差は約48.6円、これを1年(365日)で換算すると約17,739円の差になります。 患者の自己負担3割で計算すれば、年間約5,322円の節約が見込めますね。
参考)302 Found
さらに注目すべき点がある。令和6年度の薬価制度改革により、後発品の内用薬は同時収載銘柄数が7を超える場合、先発品薬価の0.4掛けが適用されるルールに変更されています。 ビルダグリプチンは9銘柄が収載されるため全て0.4掛けの対象となり、仮に令和6年度改定前のエクア錠薬価(60.60円)を基準にすれば理論値は24.24円/錠まで下がる計算です。
加えて、先発品エクア錠は「新薬創出・適応外薬解消等促進加算(新薬創出等加算)」の対象品目であり、この加算部分を除外した価格をベースに後発品薬価が算定されるため、実際の後発品薬価はさらに低くなる可能性があります。 つまり、後発品への変更による薬剤費削減効果は想定より大きくなる可能性があるということです。
後発品選択で迷う医療従事者が多いのが「どの銘柄を選ぶか」という問題です。 エクアのAGは承認されていない、これが原則です。
ビルダグリプチン後発品として承認を取得した9銘柄は下記の通りです。
これらのうち「ZEとニプロ」「フェルゼンと日新」は共同開発品で、成分・製法が同一です。
製剤特性の面では、先発品エクア錠を含む全ての後発品が「割線入り素錠」ですが、ビルダグリプチン錠50mg「トーワ」のみがフィルムコーティング錠となっています。 これは意外ですね。ビルダグリプチン原薬にはにおいがあることが知られており、フィルムコートによる臭気抑制効果に期待が集まっています。ただし、フィルムコーティング錠は簡易懸濁法への影響も生じうるため、施設での採用判断時に確認が必要です。
錠剤サイズでは、「フェルゼン」「日新」が先発品の半分程度の重量(約0.10g)で、一回り以上小さく作られています。 これは、ビルダグリプチンの成形性の低さを顆粒化という工程で克服した結果であり、同時に分解物も生じにくくなるという製剤上の工夫が施されています。嚥下困難な患者には利点になりますね。
【GE】エクアの後発品の特徴を比較 – 薬剤師向けに製剤特性・添加物・PTP外観まで詳細に比較されています
先発品エクア錠の有効性について、医療従事者が改めて確認しておくべき数字があります。結論はHbA1c低下効果が明確ということです。
国内のプラセボ対照二重盲検比較試験(1202試験)では、食事・運動療法のみでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者に12週間投与した結果、ビルダグリプチン50mg 1日2回群でHbA1c(NGSP値)がプラセボとの差で−1.20%という有意な低下が認められています(p<0.001)。
また、実薬対照試験(1301試験)ではボグリボース0.2mg 1日3回と比較し、ビルダグリプチン50mg 1日2回投与群がHbA1cで有意に大きな低下(群間差−0.57%、p<0.001)を示しました。 さらに空腹時血糖の変化量はビルダグリプチン群−24.06 mg/dLに対し、ボグリボース群−7.81 mg/dLと明確な差があります。 これは使えそうです。
長期投与の安全性に関しても注目すべきデータがあります。52週間の長期投与試験(1304試験)では、ビルダグリプチン単独群での低血糖発現率は0%(0/103例)でした。 SU薬との併用群でも3.8%と低水準に抑えられており、低血糖リスクが少ないという先発品の特性は、後発品でも同じ有効成分・用量である以上、そのまま引き継がれます。
製造販売後調査でも10,658例という大規模な症例で6ヵ月間の安全性が確認されており、副作用発現割合は2.44%と低い水準でした。 主な副作用は低血糖症(35件)、肝機能異常(22件)、便秘(21件)であり、事前にモニタリング計画を立てる際の参考になります。
後発品への変更を実施する際に、意外と見落とされやすいのが特定患者への注意事項の再確認です。 腎機能障害への対応が条件です。
ビルダグリプチンは、中等度以上の腎機能障害患者または透析中の末期腎不全患者では1日1回朝投与に減量が必要です。 これは先発・後発共通の注意事項ですが、GEへの変更に伴い処方内容を見直す際に確認を怠るケースがあります。慢性腎臓病(CKD)ステージG3b以上ではeGFRが50 mL/min/1.73m²を下回ることが多く、対象患者には用量変更が必要になります。
腎機能障害患者を対象とした特定使用成績調査(237例、観察期間12ヵ月)では、中等度障害患者での副作用発現割合6.84%、重度障害患者では8.55%で、主な副作用は「代謝及び栄養障害」(高血糖など)でした。 腎機能障害があっても投与自体は可能ですが、用量調整と定期的なモニタリングが原則です。
肝機能障害患者については、軽度・中等度の肝機能障害合併2型糖尿病患者を対象とした特定使用成績調査(336例)で副作用発現割合2.45%と比較的低く、重篤な副作用としては薬疹と肝機能異常が各1件でした。 高度肝機能障害については使用成績データが限られるため、使用には十分な注意が必要になります。肝機能に注意すれば大丈夫です。
後発品への変更時は処方箋の記載だけでなく、患者の背景情報(腎機能・肝機能検査値、他剤との併用)を確認した上で変更を進めることが重要です。施設ごとに採用銘柄が異なるため、変更前に薬剤師との連携を確認する行動が1つで完結します。
ビルダグリプチン錠 医薬品インタビューフォーム(岐阜薬大DI室)– 腎・肝機能障害患者への対応、薬物動態、臨床成績を網羅的に確認できます
| 鑑別項目 | アフタ性口内炎 | ヘルペス性口内炎 |
|---|---|---|
| 原因 | ストレス・栄養不足・免疫低下 | 単純ヘルペスウイルス(HSV-1) |
| 形態 | 円形〜楕円形の白い潰瘍 | 小水疱→びらん(複数群発) |
| 水疱の有無 | なし | あり(初期に出現) |
| 全身症状 | ほぼなし | 発熱・リンパ節腫脹を伴うことがある |
| 感染性 | なし | あり(接触感染) |
| 適切な治療薬 | ステロイド含有軟膏(オルテクサー等) | 抗ウイルス薬(アシクロビル等) |