特定保険医療材料とは、保険医療機関または保険薬局で支給される医療材料のうち、支給に要する平均的な費用が診療報酬とは別に評価される材料です。医療行為に包括される一般的なディスポーザブル材料とは異なり、材料価格基準に収載された区分ごとに、保険償還上の価格が定められます。
実務上は、「商品名一覧」を探す際に注意が必要です。公的な材料価格基準が原則として示すのは、メーカー固有の販売名を網羅したカタログではなく、保険請求で用いる特定保険医療材料名称、機能区分、算定単位および材料価格です。たとえば「人工股関節用材料」「冠動脈用ステントセット」「皮膚欠損用創傷被覆材」といった大分類があり、その下に固定方式、サイズ、機能、使用目的などで細分化された機能区分が置かれます。
したがって、院内で使用する製品の販売名だけを見て請求名称を判断すると、誤った機能区分への紐付け、算定単位の取り違え、保険請求コードの誤入力につながるおそれがあります。製品の添付文書、保険適用通知、メーカーが提供する保険償還情報、院内マスタ、厚生労働省の告示・通知情報を相互に照合し、使用日時点で有効な区分を確認することが重要です。
材料価格基準では、在宅医療に関係する腹膜透析液交換セット、在宅中心静脈栄養用輸液セット、気管切開後留置用チューブ、膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル、栄養カテーテルなども定められています。一方、手術・処置に関連しては、カテーテル、ステント、人工関節、人工血管、ペースメーカー、止血材、創傷被覆材など、多数の高額・高度管理材料が収載対象となります。材料価格基準は、材料とその区分ごとの価格を定める公的根拠です。
参考)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9731&dataType=0&pageNo=1dataType=0href="https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9731&dataType=0&pageNo=1">https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9731&dataType=0&pageNo=1pageNo=1" target="_blank" rel="noopener">・特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)(◆平成2…
「特定保険医療材料 商品名 一覧 2025」という検索意図に対しては、単一のPDFだけを保存して完結させるのではなく、使用日・請求月に応じて複数の公的情報を確認する運用が安全です。特に2025年は年度途中の新規保険収載、価格改定、経過措置、既収載区分の変更があり得るため、古い院内マスタや前年の一覧をそのまま流用しないことが求められます。
確認の起点は、厚生労働省の「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」です。ここでは、医科点数表の区分に沿って、材料名称、機能区分、算定単位、基準材料価格をたどれます。次に、診療報酬情報提供サービスの「特定保険医療材料告示・通知情報明細」を確認します。同サービスでは、名称、算定単位、金額、経過措置年月日、請求コードを確認でき、検索・マスタ照合の実務に適しています。なお、同サービスは改正告示と施行日を明示しているため、参照したデータの適用時期を記録することが大切です。
参考)https://shinryohoshu.mhlw.go.jp/shinryohoshu/paMenu/doPaDetailTpNext&100
厚生労働省「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)」
診療報酬情報提供サービス「特定保険医療材料告示・通知情報明細」
| 確認対象 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 告示上の材料名称 | 材料価格基準に掲載される正式な特定保険医療材料名称 | 販売名・通称と一致しないことがある |
| 機能区分 | 構造、使用目的、医療上の効能・効果等が類似する材料の保険償還上の分類 | 同一大分類内でも価格と要件が異なる |
| 基準材料価格 | 材料価格基準に定められた保険償還上の価格 | 医療機関の実購入価格そのものではない |
| 請求コード | レセプト・電子請求や院内マスタ照合に使用するコード | 名称だけでなくコードも確認する |
| 経過措置年月日 | 旧区分や特例的な取扱いの終了時期を確認する項目 | 改定・新規収載時に重点確認する |
| 適用日 | 告示、通知、施行日および請求対象となる診療日 | 購入日ではなく使用・算定時点で判定する |
2025年の情報として価格を確認する場合、薬価改定のページと材料価格基準を混同しないことも重要です。薬価基準は医薬品の価格体系であり、特定保険医療材料は別の材料価格基準と関連通知に基づきます。薬価改定に関する厚生労働省ページは医薬品の告示・通知を整理したものであり、医療材料の請求名称や材料価格の確認先とは区別して運用します。
以下は、2025年の検索・照合で頻出しやすい特定保険医療材料名称を、診療領域ごとに抜粋して整理したものです。これは全品目を転載する一覧ではなく、販売名から公的名称を探すための索引的な例示です。実際の請求時には、必ず該当する機能区分、価格、請求コード、適用時点の告示内容まで確認してください。
材料価格基準の例では、皮膚欠損用創傷被覆材は創傷の深達度や材料形状によって区分され、真皮に至る創傷用は1平方センチメートル当たり6円、皮下組織に至る創傷用の標準型は1平方センチメートル当たり10円、筋・骨に至る創傷用は1平方センチメートル当たり25円と定められています。同じ「創傷被覆材」という言葉であっても、創傷の状態や区分によって請求内容が変わるため、販売名からの類推だけで入力してはいけません。
循環器領域でも、冠動脈用ステントセットは一般型、救急処置型、再狭窄抑制型、生体吸収・再狭窄抑制型などに区分されます。材料価格、構造、用途、関連する手技および算定条件の確認が必要です。たとえば告示上、冠動脈用ステントセットの一般型は97,000円、再狭窄抑制型は113,000円、生体吸収・再狭窄抑制型は249,000円といったように、区分によって保険償還価格が異なります。
医療機関で扱う製品には、メーカー名、販売名、規格、カタログ番号、ロット、院内材料コードなどが存在します。しかし、レセプトで求められるのは、これらの情報をそのまま転記することではなく、当該製品に対応する特定保険医療材料の請求名称および請求コードを用いて、適切な区分で算定することです。特に高額材料では、材料区分の誤りが査定・返戻、監査対応、患者負担額への影響につながる可能性があります。
照合は、まず製品の添付文書またはメーカー資料で販売名、一般的名称、承認・認証番号、使用目的、構造、サイズ、滅菌形態、付属品の有無を確認します。次に、メーカーが提示する保険償還区分または医療機器保険適用に関する情報を参照し、材料価格基準上の機能区分と照らし合わせます。最後に、診療報酬情報提供サービスの名称・請求コード・金額・適用日を確認し、院内マスタとレセコン設定に反映されている内容が一致しているかを点検します。
たとえば「交換用胃瘻カテーテル」は一つの名称に見えても、胃留置型か小腸留置型か、バンパー型かバルーン型か、ガイドワイヤーの有無などで区分されます。材料価格基準では、胃留置型バンパー型はガイドワイヤーあり21,700円、なし15,500円、胃留置型バルーン型は7,420円、小腸留置型バンパー型は26,500円、小腸留置型一般型は15,800円とされています。処置記録、使用製品、規格、区分を一連の情報として保存し、請求根拠を説明できるようにしておくことが実務上有用です。
また、同一の材料名称に対して複数の請求コードが見られることがあります。これは診療区分、在宅・入院外来の扱い、制度改定、電子請求上の枝番などに関連する場合があるため、名称が似ているからといって任意のコードを選択することは避けるべきです。院内の医事課、診療科、購買部門、材料部、医療情報部門が連携し、マスタ変更時には根拠資料と変更日を残す体制を整えましょう。
特定保険医療材料の運用では、「収載されている材料であること」と「当該患者に対して当該日に算定できること」は別問題です。材料価格基準への収載は保険償還上の価格設定を意味しますが、実際の算定には診療報酬点数表、留意事項通知、施設基準、関連する手技の算定要件、適応、使用量・回数の制限、併算定の可否などを確認する必要があります。
院内マスタを更新する際は、材料の販売開始・変更・終売だけでなく、告示上の収載区分変更、価格改定、新規保険適用、経過措置終了、請求コード変更の有無を確認してください。特に年度改定や新規収載が集中する時期には、購買マスタの製品名と医事マスタの請求名称がずれていないか、セット品に含まれる付属材料を重複算定していないか、単位が「個」「本」「セット」「グラム」「ミリリットル」「平方センチメートル」のどれかを誤認していないかを点検する必要があります。
診療報酬情報提供サービスの特定保険医療材料告示・通知情報明細では、名称だけでなく、金額、算定単位、請求コード、経過措置年月日を確認できます。たとえば骨セメント、人工骨、中心静脈用カテーテル、人工血管、胃管カテーテル、人工鼻材料などについて、細かな機能区分ごとの名称とコードが提示されています。こうした公式情報を基準に、院内採用品目の照合表を作成すると、製品切替時やレセプト点検時の確認負担を減らせます。