
神経節とは、末梢神経系において神経細胞体が集まっている構造体のことを指します。医療現場で「神経節」という言葉が使われる場合、主に感覚神経節と自律神経節の2種類に大別されます。
参考)神経節
感覚神経節(求心性神経節)は、脊髄神経の領域では脊髄後根(背根)の途中に位置しています。具体的には、前根と後根が合一して脊髄神経が形成される直前の場所で、後根のみに神経節が存在することから「後根神経節」とも呼ばれます。
参考)spinalganglionとは? 意味や使い方 - コトバ…
人体には31対の脊髄神経に対応して、31対の感覚神経節が存在します。これらの脊髄神経節は、皮膚・筋・腱・関節包・内臓などから末梢からの感覚情報を受け取り、中枢側へ伝える中継点として機能しています。
脳神経系にも感覚神経節が存在し、代表的なものとして三叉神経節(半月神経節)が側頭骨岩様部の錐体の尖端部上に位置しています。
自律神経節のうち、交感神経節は中枢神経(脊髄)の近くに位置するという特徴があります。交感神経節はさらに椎傍神経節(交感神経幹神経節)と椎前神経節に分類されます。
椎傍神経節は脊柱の両側に縦走しており、上至顱底、下至尾骨前方まで連続しています。各側には22〜25個の神経節が存在し、節と節の間は節間支と呼ばれる神経繊維で連結され、串珠状の交感神経幹を形成しています。
頸部では3つの交感神経節が確認できます。上頸神経節は第二頸椎と第三頸椎の間の高さにあり、中頸神経節は第六頸椎の高さに位置しています。
参考)神経節 - 脳科学辞典
星状神経節(頸胸神経節)は、下頸神経節と第一胸神経節が癒合したもので、第七頸椎の高さに存在します。鎖骨下動脈の後方に位置するのが普通で、臨床的には星状神経節ブロックの標的として重要な解剖学的ランドマークとなっています。
胸部では第一から第十二胸神経節が肋骨の頭の前に位置し、第一から第四胸神経節からの神経線維が集まって心肺内臓神経が作られ、胸腔内の内臓に分布しています。
腰部では通常3つの腰神経節が存在し、ここから腰内臓神経が起きて下腸間膜神経叢にいたります。仙骨部には4つから5つの仙骨神経節が存在し、仙骨内臓神経が起きて下腹神経叢にいたります。
椎前神経節は、大動脈から分枝する動脈の基部で神経節を形成します。代表的なものとして、腹腔神経節、上腸間膜神経節、下腸間膜神経節などがあります。
腹腔神経節は腹腔動脈の基部両側に位置し、第一腰椎の高さで、胃の背後、小嚢の後方、横隔膜脚の前面に存在します。
上腸間膜神経節は上腸間膜動脈の起始部に近接して存在し、下腸間膜神経節は下腸間膜動脈起始部付近に位置しています。
副交感神経系の神経節は、交感神経節とは対照的に、それぞれ支配する内臓の付近または内部に存在するという特徴があります。
参考)自律神経系の概要 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル…
副交感神経節の例としては、毛様体神経節、翼口蓋神経節、耳神経節、骨盤神経節、迷走神経節などがあります。
副交感神経節は効果器の中に存在するため、節後線維はわずか1〜2mmと極めて短く、この構造的特徴により、副交感神経系は効果器に対して特異的かつ局所的な反応を引き起こすことができます。
消化管では、腸管壁内にオルバッハ神経叢(筋層間神経叢)とマイスナー神経叢(粘膜下神経叢)という副交感神経節が存在し、消化管の運動と分泌を調節しています。
脳神経系の感覚神経節は、各脳神経に対応して複数の神経節が存在します。これらの神経節は、頭蓋内の特定の解剖学的部位に位置しており、臨床的にも重要な意味を持っています。
三叉神経節(半月神経節)は、眼神経・上顎神経・下顎神経の求心性神経の細胞体が集まる部位で、側頭骨岩様部の錐体の尖端部上に位置しています。
膝神経節は顔面神経の最初の彎曲部(顔面神経膝)に存在し、顔面神経の感覚線維の細胞体を含んでいます。
前庭神経節(スカルパ神経節)は蝸牛近傍に位置し、平衡感覚を司る前庭神経の細胞体を含んでいます。ラセン神経節は聴覚を司る蝸牛神経の細胞体が集まる部位です。
舌咽神経には上神経節と下神経節の2つの神経節が存在し、それぞれ頚静脈孔の上部と下部に位置しています。
迷走神経にも上神経節(頚静脈神経節)と下神経節(節状神経節)の2つの神経節が存在し、それぞれ頚静脈孔の上部と下部に位置しています。
神経節の解剖学的知識は、臨床現場で重要な応用があります。特にペインクリニック領域では、星状神経節ブロックがさまざまな疾患の治療に用いられています。
参考)https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide01_05.pdf
星状神経節ブロックの適応疾患には、頭部、頚部、上肢、上胸部の疾患で交感神経を抑えることで痛みが緩和する疾患(交感神経依存性疼痛)や、血流改善により治療効果の得られる疾患が対象となります。
参考)ペインクリニック
具体的な適応疾患としては、頚椎疾患(むち打ち、頚肩腕症候群、頚椎ヘルニア、変形性頚椎症、頚椎手術後痛)、胸郭出口症候群、神経損傷後の疼痛、突発性難聴、顔面神経麻痺、帯状疱疹後神経痛などがあります。
また、帯状疱疹やCRPS(複合性局所疼痛症候群)、口腔顔面痛、ホットフラッシュ、手掌・顔面多汗症、三叉神経障害などにも適応があります。
参考)https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/mondaikaitou_2024.pdf
星状神経節ブロック療法により、視床下部を正常化し、自律神経バランスを整えて治癒に至ると考えられており、本態性高血圧症や腰部脊柱管狭窄症などにも応用されています。
MSDマニュアル プロフェッショナル版 自律神経系の概要 - 自律神経節の位置と機能に関する詳細な解説
脳科学辞典 神経節 - 神経節の分類と機能に関する学術的な情報
徹底的解剖学 神経節 - 感覚神経節と自律神経節の完全攻略ガイド
Visual Anatomy 視覚解剖学 感覚神経節 - 脳神経系の神経節の一覧と解剖学的詳細
日本ペインクリニック学会 治療指針 - 星状神経節ブロックの臨床適応と手技
【指定医薬部外品】 新ビオフェルミンSプラス錠 550錠 61日分 大正製薬 整腸剤 [乳酸菌/ビフィズス菌/ロンガム菌/フェーカリス菌/アシドフィルス菌 配合] 腸内フローラ改善 便秘や軟便に