最新の二次医療圏一覧と実務活用の要点

二次医療圏の定義、最新一覧の確認先、医療計画・地域医療構想・病床機能報告との関係を医療従事者向けに解説します。二次医療圏を正しく把握し、地域の医療提供体制の検討に活用できているでしょうか?

二次医療圏一覧の最新情報と実務活用ガイド

二次医療圏を正確に確認する視点
最新一覧は公的データで確認

二次医療圏名だけでなく、市区町村対応表と更新日を併せて確認し、旧資料との混同を避けることが重要です。

医療計画の基本単位を理解

二次医療圏は一般入院医療を中心とした提供体制を考える区域であり、病床整備や地域医療構想にも深く関係します。

圏域数だけで判断しない

圏域名、構成市町村、人口動態、患者流出入、医療資源を一体で確認して初めて地域の実態を把握できます。


二次医療圏とは何かを医療計画から整理する


二次医療圏とは、都道府県が医療計画において設定する地域単位の一つです。主として、入院医療を提供する体制を地域で確保するための区域として位置付けられています。一般的には、住民が日常生活の範囲で受療し、病院による入院医療を利用する地域を想定します。ただし、全ての医療を圏域内で完結させることを意味するものではありません。高度かつ専門性の高い医療、広域での連携が必要な救急医療、希少疾患への対応などは、三次医療圏や都道府県境を越えた連携体制で提供される場合があります。
医療法に基づく医療計画では、都道府県が地域の人口、交通事情、地理的条件、医療機関の配置、患者の受療動向などを勘案し、二次医療圏を設定します。そのため、二次医療圏は単純な行政区分ではありません。市町村単位を基本に構成されますが、住民の生活圏や受療圏を踏まえて設定されるため、都道府県内の保健所管轄、鉄道路線、通勤圏、救急搬送圏などと必ずしも完全には一致しません。
医療従事者が二次医療圏を理解する意義は大きいといえます。自院の病床機能、救急受入、在宅療養支援、紹介・逆紹介、回復期リハビリテーション、周産期・小児医療、精神科医療などを検討する際には、自院所在地だけでなく、圏域内外の医療需要と医療資源を把握する必要があるためです。特に地域医療構想や病床機能報告を読むときは、「自施設がどの二次医療圏に含まれ、その圏域でどの機能が不足・過剰と評価されているか」という視点が実務の出発点になります。
厚生労働省「二次医療圏の設定について」


最新の二次医療圏一覧を確認する方法

「二次医療圏 一覧 最新」と検索した際に最も注意したい点は、資料の作成時点です。二次医療圏は恒久不変の区分ではなく、都道府県が医療計画を改定する局面などで見直されることがあります。市町村合併、人口減少、高齢化、交通インフラの変化、医療機関の再編、救急搬送の実態、患者流出入の変化などを踏まえ、圏域の再編・統合・名称変更が行われる可能性があります。
全国横断で構成市区町村まで確認したい場合は、e-Govデータポータルで公開されている「二次医療圏−市区町村対応表」が有用です。検索結果上では、2024年3月15日更新のファイルとして、令和5年12月31日時点の市区町村対応表が公開されています。圏域コード、二次医療圏名、市区町村コード、市区町村名を確認できるため、住所データの名寄せ、医療機関データの圏域付与、人口統計の集計単位設定などに活用できます。


参考)https://data.e-gov.go.jp/data/uploads/resource/%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%9C%8F.xlsx
一方で、制度運用や都道府県独自の最新方針まで把握するなら、各都道府県が公開する第8次医療計画も確認してください。全国一覧の表だけでは、圏域再編の背景、疾病・事業別の連携体制、基準病床数、地域医療構想区域との関係、医療従事者確保策までは読み取れません。特に病院の管理者、地域連携部門、企画部門、医療法人本部、医療系コンテンツ制作担当者は、全国データと都道府県計画を組み合わせて確認する運用が適切です。

確認したい内容 確認先・基準 実務上の注意点
圏域名と構成市区町村 e-Govの二次医療圏一覧・市区町村対応表 ファイルの更新日と基準日を必ず確認する
圏域設定の考え方 厚生労働省の医療計画関連資料 一般入院医療を中心とした区域という位置付けを押さえる
都道府県内の最新運用 都道府県の第8次医療計画 名称、再編経緯、疾病・事業別の扱いを確認する
病床・医療需要の分析 地域医療構想、病床機能報告、医療需要データ 圏域境界を越える患者流出入を含めて評価する
過去資料との比較 旧医療計画、旧統計、研究報告 圏域数や圏域コードの時点差による誤集計を防ぐ

e-Govデータポータル「二次医療圏−市区町村対応表」


全国の圏域数と一覧データを扱う際の注意点

二次医療圏の全国数は、どの時点の医療計画・統計資料を参照するかによって異なります。例えば、厚生労働省の資料には令和3年10月時点で335医療圏とする資料があります。 一方、第8次医療計画の開始に向けた再編状況を踏まえ、2024年時点では全国330医療圏として整理する情報も確認できます。 したがって、「全国に二次医療圏はいくつあるか」という問いに対しては、単に数字だけを示すのではなく、対象資料の時点を明記することが不可欠です。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000946893.pdf
コンテンツ制作や院内資料の作成では、「全国330医療圏」という表現を用いる場合でも、第8次医療計画の対象期間や参照資料の公表日を併記すると誤解を減らせます。過去の資料には349医療圏、344医療圏、335医療圏といった記載もあり、古いPDF、研究論文、民間データベース、既存の社内マスタを混在させると、圏域数の不一致や市町村の割当誤りが起こり得ます。


参考)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000058300.pdf

  • 記事・報告書では、「○年○月時点」「第○次医療計画」と対象時点を本文中に明記する
  • 市町村を圏域に紐付ける処理では、圏域名だけでなく都道府県コードと二次医療圏コードを保持する
  • 患者住所、医療機関所在地、保健所管轄、診療圏を同じ概念として扱わない
  • 旧市町村名を含むデータは、自治体コードや住所正規化のルールを使って突合する
  • 都道府県境を越える受療が多い地域では、圏域内完結率だけで結論を出さない

とりわけ分析用のCSVや医療機関リストを作成する場合、表記ゆれにも注意が必要です。「大阪市」「大阪市医療圏」「大阪市二次医療圏」のような名称差だけでなく、同名・類似名の圏域を都道府県情報なしに扱うと集計エラーにつながります。データ項目としては、少なくとも都道府県名、都道府県コード、二次医療圏コード、二次医療圏名、基準日、出典を保存しておくと、更新時の差分確認が容易になります。


二次医療圏と地域医療構想・病床機能の関係

二次医療圏は、医療計画における病床整備や入院医療提供体制の検討に関わる重要な単位です。病床の必要量、病院病床の整備、疾病・事業ごとの連携体制、医療従事者の確保、在宅医療との連携などを地域特性に応じて検討する際に、圏域単位の分析が基盤となります。
ただし、地域医療構想区域と二次医療圏は常に完全一致するわけではありません。国の資料では、地域医療構想区域が二次医療圏と一致する都道府県がある一方、複数の二次医療圏を統合して構想区域を設定する例や、一部で異なる区分を設ける例が示されています。 そのため、「二次医療圏別の指標」と「地域医療構想区域別の病床機能・必要病床数」を比較するときは、集計単位が一致しているかを最初に確認しなければなりません。


参考)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000164337.pdf
病院の経営企画、地域連携、医療DX、データ分析の実務では、急性期・回復期・慢性期・休棟等の病床機能を圏域内で見るだけでは不十分です。救急患者の搬送先、がん・脳卒中・心筋梗塞・分娩・小児救急の対応可能施設、在宅療養後方支援、回復期への転院先、介護施設との連携状況を重ね合わせる必要があります。圏域の人口規模が大きくても、専門医療資源が中心部に偏在していることがあり、逆に人口規模が小さい圏域でも、隣接圏域との連携によって必要な医療アクセスが支えられている場合があります。
医療機関の広報や採用コンテンツでは、「地域の中核病院」「二次医療圏の救急医療を支える」といった表現を使うことがあります。この場合は、単なるキャッチコピーにせず、救急告示、紹介率・逆紹介率、対応する疾病・事業、救急搬送件数、地域連携パス、在宅復帰支援など、圏域内で担っている具体的役割に結び付けて説明することが信頼性につながります。
厚生労働省「医療圏、基準病床数、指標(総論)について」


医療従事者が一覧を業務に生かす実践手順

二次医療圏一覧は、確認して終わりではなく、医療現場や医療関連事業の意思決定に結び付けることで価値を発揮します。まず自施設または分析対象の医療機関について、所在地を二次医療圏コードに変換します。次に、同一圏域の病院・診療所・訪問看護・介護施設・救急医療機関・行政機関などを可視化し、患者の流出入や紹介先・逆紹介先を重ねて把握します。この手順により、地図上の圏域区分を、実際の地域連携や医療提供の構造として読み解きやすくなります。
例えば、急性期病院が回復期の受入不足を課題として認識している場合、院内の平均在院日数や転院待機日数だけを確認しても、原因を特定できないことがあります。圏域内の回復期病床、地域包括ケア病床、リハビリテーション提供体制、療養病床、介護施設、在宅療養支援診療所の分布を確認し、さらに隣接圏域への転院実績を見なければ、ボトルネックが圏域内の供給不足なのか、紹介調整の課題なのか、患者・家族の居住地とのミスマッチなのかを判断できません。
データ更新の運用としては、全国一覧を一度ダウンロードして固定的に使い続けるのではなく、医療計画改定時、自治体再編時、院内マスタ更新時、年次の地域分析時に出典と更新日を再確認してください。特に医療情報サイト、法人サイト、地域連携資料、営業資料、研究用データセットなど複数の媒体で圏域名を使う場合は、共通の圏域マスタを用意し、管理責任者と更新ルールを明確にしておくことが重要です。
二次医療圏は、地域医療を一律に区切るための境界線ではなく、地域の医療ニーズと提供体制を把握し、関係機関が連携を設計するための共通言語です。最新の一覧を入口にしながら、都道府県医療計画、地域医療構想、患者流出入、医療資源、交通・地理条件を重ねて確認することで、より実態に即した医療提供体制の検討につながるでしょう。




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