実は「ジェネリックなら一般名で処方すれば全部同じ製剤に切り替えられる」は誤解です。

「リノコート」という商品名で後発品が出ていると思っている人は意外と多いです。
ですが実際には、後発品メーカーは「リノコート」という商標を使えません。
一般名であるベクロメタゾンプロピオン酸エステルを冠した製品名、たとえば「ベクロメタゾン点鼻液50μg」のような形で流通しています。
参考)http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se13/se1329702.html
つまりジェネリックを探すときは「リノコート ジェネリック」ではヒットしにくいということですね。
これは処方や薬歴管理の場面で混乱を招きやすいポイントです。
院内採用薬リストを確認する際は、一般名「ベクロメタゾンプロピオン酸エステル」で検索することをおすすめします。
実は、かつて存在したリノコートカプセル鼻用50μgはすでに販売中止になっています。 nihs.go(https://www.nihs.go.jp/drug/ecqaged/bluebook/h/e_Beclometasone_Aer(1)_01.pdf)
現在流通している先発品はリノコートパウダースプレー鼻用25μgのみです。 リノコートパウダースプレー鼻用25μgの基本情報(副作用・効…
カプセル製剤を念頭に薬剤情報を調べると、古い情報に当たってしまうので注意が必要です。
添付文書を確認する際は、必ず現行の剤形であるパウダースプレー版であるかをチェックしましょう。
PMDAの医療用医薬品検索ページでは最新の添付文書が確認できます。
参考)医療用医薬品 添付文書等情報検索
PMDA医療用医薬品検索ページ(添付文書の最新版を確認できます)
リノコートとよく似た立ち位置にあるのがフルニソリド製剤です。
両者は同じステロイド点鼻薬というカテゴリーですが、有効成分が異なります。
リノコートの有効成分はベクロメタゾンプロピオン酸エステルで、フルニソリドはロート製薬の「ロートアルガードクリアノーズ」などに使われています。
参考)https://www.yakuji.co.jp/entry100020.html
成分名を取り違えると、患者説明や薬歴記載でミスにつながりかねません。
これは薬剤師や医師にとって地味に見落としやすい落とし穴です。
患者から「前にもらった点鼻薬と同じですか」と聞かれた際は、必ず成分名で照合する習慣をつけておくと安心です。
先発品であるリノコートパウダースプレー鼻用25μgの薬価は1瓶843.3円です。
参考)リノコートパウダースプレー鼻用25μgの添付文書・薬価・薬剤…
噴霧回数は1容器あたり60回までと添付文書に明記されています。
つまり1回あたりのコストで考えると、患者の負担感はそれほど大きくありません。
ただし長期処方になるアレルギー性鼻炎治療では、薬価差が積み重なることもあります。
後発品の薬価情報は個別の薬価基準収載一覧やDI Stationなどで確認するのが確実です。
DI Station リノコート添付文書情報(薬価や副作用詳細を確認できます)
意外と知られていませんが、リノコートに関しては過去に後発品メーカーとの訴訟事例があります。
帝人ファーマは、噴霧器のデザインが酷似しているとして東和薬品を相手取り提訴し、後に和解しています。
参考)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=37932
容器のデザインや使用方法が似ていても、製剤としての同等性とは別問題だということですね。
患者指導の場面では、見た目の類似性だけで「同じ薬」と判断しないよう伝えることが大切です。
噴霧器の操作方法に不慣れな患者には、薬局でのデモンストレーションをすすめると安心して使ってもらえます。
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