
ナトリウムチャネル遮断により、以下の電生理学的変化が生じます。
リドカインの静注には、大きく2つの方法があります。緊急時に使用される「静注(ショット)」と、持続的な効果を期待する「持続点滴(オリベス)」です。
参考)VT・VFで登場!リドカイン静注vsオリベス!看護師が押さえ…
静注(ショット)の投与法
参考)リドカイン静注用2%シリンジ「テルモ」の基本情報(薬効分類・…
持続点滴(オリベス)の投与法
リドカインの副作用は、血中濃度と密接に関連しています。安全域が狭く、中毒症状が重篤になりやすいため、継続的な観察が不可欠です。
血中濃度と症状の関連性
参考)302 Found
観察すべき主な副作用
参考)リドカイン塩酸塩注1%「日新」の基本情報(薬効分類・副作用・…
特に注意すべき点
中枢神経症状は循環器系症状に先行して出現することが多く、ほとんどが投与後5分以内に発症します。しかし、60分後にも発症した報告があるため、投与後1時間以上の観察仍需です。
痙攣が出現した場合は直ちに投与を中止し、気道確保・100%酸素投与・ベンゾジアゼピン系薬剤による痙攣コントロールを行います。循環虚脱が持続する場合は、20%脂肪乳剤の投与が有効とされています。
リドカイン投与中の心電図モニタリングは、副作用の早期発見と治療効果の評価のために必須です。
観察すべき心電図変化
参考)自覚症状はないが、モニタには変化がある。そんなとき、どうアセ…
心電図モニタリングの実際
モニタで不整脈を認めた場合、まずは患者の意識レベルとバイタルサインを確認します。循環動態が不安定な場合は即時対応が必要です。安定している場合は12誘導心電図を施行し、詳細な評価を行います。
参考)モニタで不整脈が出たら、まず、何をする? やっぱり12誘導心…
不整脈の鑑別では、P波の有無・QRS波の幅(狭いか広いか)とリズム(規則的か)を観察します。特に注意すべきは、VT/VF・PEA・心静止などの心停止リズムです。
モニタ確認のポイント。
リドカインが第一選択ではなくなった現状において、看護師が知っておくべき意外な事実があります。2000年代初頭の大規模試験(ALIVE試験)により、アミオダロン静注がリドカイン静注よりも有効であることが明らかになり、欧米ではアミオダロンが第一選択薬となりました。
参考)https://new.jhrs.or.jp/pdf/book/shoseki_jobun04.pdf
しかし日本では、2007年にアミオダロン静注薬が承認されるまで、本邦開発のニフェカラント(III群抗不整脈薬)が広く使用されてきました。現在でも、特にカテーテルアブレーション施行中の急性心室不整脈では、ニフェカラントが第一選択として使用されることが多いです。
参考)https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282679749598464
リドカイン vs ニフェカラント vs アミオダロン
日本独自の事情
院外心肺停止患者における電気的除細動抵抗性のVT/VFに対して、ニフェカラント追加投与による除細動効果は院内89%、院外75%と高い成績を示しています。しかし、約25%の患者はニフェカラント抵抗性であり、リドカインやアミオダロンとの併用や、左星状神経節ブロックなどの追加治療が必要になるケースがあります。
現代のACLSアルゴリズム
現在のACLS(Advance Cardiovascular Life Support)ガイドラインでは、無脈性VT/VFに対して。
1. 即時除細動
2. CPR継続中にエピネフリン(3〜5分ごと)
3. 2回目のショック後:アミオダロン(300mg IV)またはリドカイン(1〜1.5mg/kg IV)
リドカインは現在、アミオダロンが使用できない場合や、アミオダロン抵抗性のVT/VFに対する二次治療として位置づけられています。看護師はこの「治療の階層構造」を理解し、いつ・どの薬剤が使用されるべきかを把握することが、緊急時の迅速な対応につながります。
2020年改訂版不整脈薬物治療ガイドライン(日本循環器学会):不整脈薬物治療の最新エビデンスと臨床応用
リドカイン・ニフェカラント・アミオダロン静注薬の使い方:重症心室不整脈への対策:各薬剤の特性と使い分けの詳細
院外心肺停止患者における電気的除細動抵抗性の心室頻拍・心室細動に対するリドカインとIII群抗不整脈薬の効果:日本での臨床経験と治療戦略
【指定第2類医薬品】ブテナロックVαクリーム 18g