
パルスオキシメーターに表示される数値は、SpO2(経皮的酸素飽和度)とPR(脈拍数)の2つが基本です。SpO2は赤色光と赤外光の2つの波長の光を指先に当て、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの比率から算出されます。
参考)https://www.jrs.or.jp/file/pulse-oximeter_medical.pdf
正常値の目安は以下の通りです。
参考)【血中酸素濃度の正常値は?】パルスオキシメーターを読む!
医療現場では、SpO2が90%を切ると「呼吸不全」と定義され、何らかの治療が必要と判断されます。ただし、慢性呼吸器疾患を持つ患者では、普段のSpO2が90〜94%程度で安定しているケースもあり、個々の患者の基準値を把握しておくことが重要です。
参考)https://sumitomo-naibunpitsu.com/wp/nurse/?p=1004
意外な事実として、SpO2が正常でも生体は低酸素状態になることがあります。貧血や心拍出量の低下、異常ヘモグロビンの存在など、酸素運搬能力が低下している場合、SpO2は正常でも組織への酸素供給が不足する可能性があります。
パルスオキシメーターの測定値は、以下の要因で誤差が生じることがあります。
測定に影響する物質の存在
循環状態の影響
外部要因
測定部位の違い
インドシアニングリーン(ICG)やメチレンブルーなどの色素静注もSpO2に影響します。ビリルビン>20mg/dlの高度な黄疸症例を除き、黄疸はSpO2に影響しません。
看護師がパルスオキシメータを使用する際、以下のポイントに注意します。
表示値だけで判断しない
SpO2は単独で診断を決める数字ではありません。呼吸数、努力呼吸、会話の途切れ、意識状態、顔色、冷汗、胸部症状、患者さんの「苦しい」という訴えと重ねて見ます。
参考)パルスオキシメータはどこを見る?波形と末梢循環確認と安全に進…
波形と脈拍数の確認
測定前の準備
測定中の観察
記録と申し送り
「SpO2 96%、問題なし」ではなく、「右示指で測定、室内気、波形安定、SpO2 96%、脈拍表示と橈骨動脈の脈拍に大きな差なし、呼吸苦訴えなし」と記録します。
SpO2が正常なのに呼吸困難を訴える場合があります。これは、呼吸困難が呼吸の努力感と充足感のバランスによって生じるためです。
呼吸困難が生じるメカニズム
臨床では、十分な酸素療法を行っている喘息発作やCOPD急性増悪の患者で、SpO2は正常でも呼吸困難を訴えることがよく見られます。SpO2が良好で「苦しいのは気のせい」と誤認されないよう注意が必要です。
健常人でも最大負荷の運動直後は、SpO2がそれほど低下しなくても呼吸困難を感じます。SpO2値が正常なのに呼吸困難を訴えることは珍しくありません。
無呼吸から呼吸を再開する場合や酸素投与した場合、即時にSpO2が反応せずに10〜30秒くらいの遅れが生じることがあります。この遅延の原因を理解しておくことが重要です。
遅延が起こる要因
1. 機械的要因:機器自体の応答性、移動平均の設定時間
2. 生理的要因:肺胞から末梢循環までの到達時間
3. 病的要因:循環時間の延長(心不全など)
循環時間の詳細
応答性の違い
ほとんどのパルスオキシメーターは、過去数秒間のSpO2データを移動平均して表示します。平均時間を長くすれば表示は安定しますが応答が遅くなり、短くすれば変動しやすくなります。
安静時の評価では問題になりませんが、酸素投与、運動、体位変換など呼吸循環動態が変化した直後は、測定値に遅延が起こることを考慮しながら測定を行う必要があります。
酸素療法では、一般的にSpO2 90%以上を目標として酸素吸入を行います。心不全患者や病状が不安定な患者などでは、安全域をとってSpO2 95%以上を目標とすることもあります。
酸素療法の注意点
ドクターコールの目安
患者の普段のSpO2の値よりも3〜4%低下した場合は、急性増悪が疑われドクターコールするめやすになります。SpO2が90%未満であれば酸素療法も考慮されます。
在宅酸素療法(HOT)の適応
HOTの適応基準値PaO2 55mmHgは、SpO2 88%に相当します。SpO2測定のみでHOT適応を判断することができます。
往診時の相談基準
安静時のSpO2が95%以下であれば専門医に相談すべきです。95%を超えていても息切れなどの症状がある時は相談を考慮します。
日本呼吸器学会 パルスオキシメータ ハンドブック - 医療従事者向け詳細ガイド
パルスオキシメータはどこを見る?波形と末梢循環確認と安全に進める看護の流れ - 看護現場での実践的観察ポイント
日本呼吸器学会 酸素飽和度 SpO2とは 何ですか?- 一般向け解説
【指定医薬部外品】 新ビオフェルミンS錠 550錠 61日分整腸剤 大正製薬【Amazon.co.jp限定】 [乳酸菌/ビフィズス菌/フェーカリス菌/アシドフィルス菌 配合] 腸内フローラ改善 便秘や軟便に