
ベナパスタ軟膏4%の有効成分は、ジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩40mg(1g中)です。これは第一世代の抗ヒスタミン薬であり、副腎皮質ステロイドは一切含まれていません。
参考)http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se26/se2642703.html
つまり非ステロイド外用薬ということですね。
ステロイド外用薬と混同されやすいのは、見た目や使われる場面が似ているためです。皮膚科や小児科の外用薬棚を整理する際、ステロイド軟膏とベナパスタを並べて管理しているケースもあり、患者向け説明資料を作る際は成分名を明記しておくと取り違えを防ぎやすくなります。
ベナパスタの作用機序は、ヒスタミンのH1受容体への結合を阻害することでかゆみや炎症反応を抑える点にあります。ヒスタミン皮膚反応における紅斑・膨疹・そう痒に対して抑制作用を示すことが添付文書にも記載されています。
適応症はじん麻疹、湿疹、小児ストロフルス、皮膚そう痒症、虫さされの5つです。発売は1950年と非常に古く、長期間にわたり臨床現場で使われてきた実績があります。
70年以上の歴史がある薬ということですね。
炎症症状が強い浸出性の皮膚炎の場合は、適切な外用剤の使用で炎症が軽減した後、かゆみだけが残るケースに使用することが添付文書の注意事項として明記されています。つまりステロイド外用薬で炎症を抑えた後の「かゆみ止め」としての位置づけが想定されている場面もあるわけです。患者への説明では、ステロイド治療の前後関係を意識した使い分けを記録しておくと、処方意図が後から振り返りやすくなります。
両者の違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | ベナパスタ軟膏 | ステロイド外用薬 |
|---|---|---|
| 分類 | 第一世代抗ヒスタミン薬 | 副腎皮質ステロイド |
| 主な作用 | かゆみの抑制(H1受容体拮抗) | 抗炎症・免疫抑制作用 |
| 適応 | じん麻疹、湿疹、虫さされなど | 湿疹、皮膚炎全般 |
| 主な副作用 | 灼熱感0.91%、過敏症0.76% | 皮膚萎縮、毛細血管拡張など |
| 薬価規格 | 24.9円(4%10g) | 製剤により異なる |
ステロイドのような抗炎症・免疫抑制作用は持っていません。
そのため強い炎症を伴う皮膚炎には単独での十分な効果が見込めない場合があります。炎症が強い症例では、ステロイド外用薬と併用しながら、炎症が落ち着いた後のかゆみ対策としてベナパスタを使う使い分けが現実的です。院内で処方箋テンプレートを作成している場合は、併用パターンをあらかじめ登録しておくと処方時間の短縮につながります。
近年、ベナパスタ軟膏の供給状況について話題になることがあり、販売中止や出荷調整の情報を目にした医療従事者も少なくないはずです。実際には製造販売元の変更や出荷調整のタイミングによって、入手しづらい時期が生じることがあります。
参考)【徹底解説】ベナパスタ軟膏が販売中止なのはなぜ?代わりの解決…
入手困難な期間は地域や卸によって差があります。
代替として検討されるのが、同じ抗ヒスタミン系の外用薬や、レスタミン軟膏のような類似成分を含む製剤です。在庫切れに備えて、院内採用薬リストに代替候補をあらかじめ複数登録しておくと、急な処方変更にも対応しやすくなります。
参考)外用薬の使用方法の説明、効果的な塗り薬の使い方説明します
実務上、患者や家族から「これはステロイドですか」と聞かれる場面は珍しくありません。ベナパスタは見た目が白い軟膏でステロイド外用薬と区別がつきにくく、特に長期的にステロイド忌避傾向のある患者からは安心材料として選ばれることもあります。
成分名を口頭で伝えるだけでなく、薬剤情報提供書に「非ステロイド」と明記しておくと誤解防止につながります。また、目に入った場合はすぐに水またはぬるま湯で洗うよう指導する必要がある点も、添付文書上の注意事項として共有しておきたい情報です。
参考)ベナパスA - 基本情報(効果・効能、用法・用量、副作用など…
外用にのみ使用する薬という点も忘れずに伝えたいところです。
小児への使用時は保護者の指導監督のもとで使用させる旨が用法用量に関連する注意として記載されています。院内の患者向け説明シートにこの一文を加えておくだけで、誤用に関する問い合わせ件数を減らせる可能性があります。
ベナパスタ軟膏4%の添付文書・効能効果・副作用の詳細はこちら(ケアネット医療用医薬品検索)
患者向けにかみ砕いた説明資料が必要な場合はくすりのしおりが参考になります
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