ベナパスタ軟膏はステロイドが入ってる?成分と副作用を解説

ベナパスタ軟膏にステロイドは含まれているのでしょうか。成分や効能、販売中止後の代替品まで整理しました。あなたの現場での対応は正しいでしょうか?

ベナパスタ軟膏にステロイドは入ってる?

あなたが使うベナパスタ軟膏、実はステロイド0%です。


ベナパスタ軟膏の基礎知識
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ステロイドは不使用

有効成分はジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩で、抗ヒスタミン薬に分類されステロイドは含まれていません。

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2024年3月末で販売中止

1950年発売のロングセラー薬でしたが、経過措置期間満了日は2024年3月31日で保険請求ができなくなりました。

⚠️
副作用は灼熱感が最多

灼熱感0.91%、過敏症0.76%と報告され、ステロイド外用薬とは異なるタイプの副作用が中心です。


ベナパスタ軟膏の成分とステロイド不使用の理由



ベナパスタ軟膏の有効成分はジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩です。これは第一世代の抗ヒスタミン薬で、ステロイドとは作用機序がまったく異なります。ヒスタミンがH1受容体に結合するのをブロックし、紅斑・膨疹・そう痒を抑える仕組みです。


参考)ベナパスタ軟膏4% - 基本情報(用法用量、効能・効果、副作…


つまりステロイドの抗炎症作用ではなく、痒みの神経伝達を抑える薬ということですね。


現場では「ステロイドが入っている軟膏」と誤解して患者説明をしているケースも見られます。実際は非ステロイドの抗ヒスタミン外用剤4%製剤です。ステロイドの長期使用による皮膚萎縮を心配して処方を控える必要がない点は、患者説明の際に伝えると安心材料になります。


参考)http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se26/se2642703.html


ベナパスタ軟膏4%の添付文書(効能・用法用量・副作用の詳細)


ベナパスタ軟膏の効能効果と使い方

適応はじん麻疹、湿疹、小児ストロフルス、皮膚瘙痒症、虫さされの5つです。用法は「1日数回、患部に塗布又は塗擦する」というシンプルな指示になっています。


参考)ベナパスタ軟膏4% - 添付文書


塗布量の目安は指先から第一関節までの量で、成人の手のひら2枚分の範囲に相当します。いわゆるフィンガーチップユニット(FTU)の考え方ですね。


参考)外用薬の使用方法の説明、効果的な塗り薬の使い方説明します


炎症症状が強く浸出性の皮膚炎の場合は、まず適切な外用剤で炎症を抑えたうえで、痒みが残る段階で使用するという注意点があります。薬価は10gあたり24.9円と非常に安価な部類です。


参考)https://www.data-index.co.jp/medsearch/ethicaldrugs/searchresult/detail/?trk_toroku_code=2642703M1036


コスト面のメリットが大きい薬だったと言えます。


処方時の使い分けメモとして、電子カルテのテンプレートに「炎症軽減後の残存瘙痒に使用」と記載しておくと、後発薬への切替時も混乱を避けやすくなります。


ベナパスタ軟膏の副作用と注意点

主な副作用は過敏症、皮膚発赤、皮膚腫脹、皮膚そう痒感、皮膚湿潤で、いずれも0.1〜5%未満の頻度です。具体的な発現率で見ると灼熱感が0.91%、過敏症が0.76%と報告されています。


参考)ベナパスタ[ジフェンヒドラミンラウリル硫酸塩]作用機序、特徴…


100人に使って1人未満というレベルなので、頻度としては高くありません。


ステロイド外用薬に特有の皮膚萎縮や毛細血管拡張、副腎機能への影響といったリスクは、ベナパスタでは基本的に考慮不要です。この違いを知らずにステロイド外用薬と同じ注意喚起をしていると、患者に誤った情報を伝えてしまう恐れがあります。



異常が認められた場合は使用を中止し、適切な処置を行うことが原則です。



ベナパスタ軟膏の販売中止と代替品

田辺三菱製薬のベナパスタ軟膏4%は、経過措置期間満了日が2024年3月31日と発表され、以降の投薬分は保険請求ができなくなりました。70年以上使われてきた薬の販売中止は、業界でも話題になりました。


参考)https://www.ygken.com/2024/01/4.html


代替品としては、同じジフェンヒドラミンを成分とするレスタミンコーワクリームが候補になります。


参考)[医師監修・作成]蕁麻疹に処方される塗り薬


成分は共通なので、切替時の説明はシンプルで済みます。


在庫が乏しい薬局も出ているため、処方切替の判断が必要な場面では、地域の医薬品供給状況を薬剤師会や卸のポータルで確認するという一手間が有効です。


ベナパスタ軟膏4%の販売中止経緯と代替品候補の解説(薬剤師執筆)


ベナパスタ軟膏とステロイド外用薬の使い分け(独自視点)

臨床の現場では「痒み止め=ステロイド」という短絡的な発想で処方が選ばれがちです。しかしベナパスタのようなヒスタミン拮抗型の外用薬は、炎症が落ち着いた後の残存瘙痒に限定して使う位置づけです。



ステロイドは炎症そのものを抑える薬、ベナパスタは痒みの伝達だけを抑える薬という整理です。


役割が異なるため、単純に「強い方」「弱い方」で比較する発想自体がずれていることになります。今後は同成分のレスタミンコーワクリームへの置き換えが進むと見られますが、処方設計としては「炎症期はステロイド、鎮痒期は抗ヒスタミン外用薬」という二段構えの考え方を院内マニュアルに残しておくと、後発品切替が起きても対応がぶれません。



ベナパスタ軟膏4%の薬剤評価コメントと薬価情報(医療従事者向けデータベース)

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