
査定対象とは、審査支払機関がレセプト(診療報酬明細書)の審査を行った結果、保険診療のルールや医学的妥当性の観点から「不適当」「過剰」「根拠不足」と判断された診療行為や薬剤、検査などのことを指します 。
参考)https://www.phchd.com/jp/medicom/park/idea/management-receipt-explanation
具体的には、以下のような状況が査定対象となります。
査定されると、該当部分の診療報酬が不支給または減額された状態で支払われるため、医療機関の収入に直接的な影響を及ぼします 。返戻とは異なり、査定は原則として再請求ができないため、予防的な対策が極めて重要です 。
参考)レセプト査定とは?返戻との違い、理由一覧や対応についても解説…
実際の現場で頻繁に発生する査定対象の事例を、A・B・C・Dの4つの査定区分に分けて整理します 。
参考)レセプト点検のやり方と業務フロー徹底解説|医療事務が押さえる…
A査定(根拠不足・基準未達)
B査定(記載内容不備、書類不備)
C査定(保険適応外、請求不可)
D査定(形式的なミス、入力誤り)
特に注意すべきは、「療養担当規則に基づき査定」というコメントが付されたケースです。これは「医学的妥当性が疑問」「診療の必要性が証明できない」「記録が不十分」といった理由で、診療報酬の一部が認められなかったことを意味します 。
医療従事者の多くが見過ごしがちな、意外な査定対象の事例をいくつか紹介します。
① 3か月分まとめて処方のリスク
慢性疾患患者に対して、利便性向上の目的で3か月分の薬剤をまとめて処方するケースがあります。しかし、必要性の証明が不十分だと、保険請求を査定されてしまう可能性があります 。
参考)知っておきたい「療養担当規則」あれこれ①~そもそも療養担当規…
② 「レセプト病名」の濫用
保険適応外の診療行為を保険請求するために、実態のない架空の傷病名(いわゆる「レセプト病名」)を用いてレセプトを作成することは、極めて不適切で認められません 。診断の都度、医学的に妥当適切な傷病名を主治医自ら診療録に記載することが義務付けられています 。
参考)厚生局の指導等及び医療監視への対応策「傷病名の記載」について…
③ 症状詳記の不足
検査や処置の医学的必要性を証明するために、症状詳記(診療内容の補足説明)が求められます。この記載が不十分だと、「なぜこの検査が必要だったのか」が審査側に伝わらず、査定対象となるリスクが高まります 。
参考)疑義照会とレセプトの関係とは?返戻・査定を防ぐ実務ポイントを…
④ 電子カルテのテンプレート依存
電子カルテのテンプレート機能を活用して診療録を作成する際、患者個別の所見を十分に記載せずにテンプレート文言のみで済ませてしまうと、「記録不備」として査定される可能性があります 。
参考)Clinical Documentation Gaps Ca…
査定対象となるリスクを最小限に抑えるためには、以下の予防策を日常的に実践することが重要です 。
① チェックリストの活用
自院でよく算定する項目と、その算定要件・記載要件をリスト化しておけば、確認漏れを大幅に減らせます。査定対策と返戻対策は、それぞれ異なるチェック観点が必要なので、リストも分けて作成することをおすすめします 。
具体的なチェック項目の例。
参考)【レセプト返戻・査定を減らす】医療事務が今すぐできる5つの実…
② ダブルチェック体制の構築
一人で点検するのと、別の目が入るのとでは、発見できるミスの数がまったく違います。可能な範囲で複数人によるチェック工程を取り入れましょう 。
具体的な運用例。
③ 事例の共有と分析
過去に査定・返戻を受けた事例を院内で共有し、「なぜそうなったのか」を分析することで、同じミスの再発を防げます 。
参考)レセプトの査定とは?返戻との違いと減点を防ぐ対策を解説
参考)レセプト査定を減らすために電子カルテデータをどう使うか
④ 電子カルテの請求機能の最適化
電子カルテの機能を最大限に活用して、査定リスクを自動で検知する仕組みを構築します 。
参考)【保存版】レセプト返戻・査定を減らす電子カルテの請求機能の仕…
⑤ 診療報酬改定情報の継続的なキャッチアップ
厚生労働省や支払基金のウェブサイト、医療事務の専門誌から最新情報を取得する習慣を身につけましょう 。
参考)第13回 訪問診療のレセプト返戻を防ぐには? ~よくあるミス…
査定内容に不服がある場合、医療機関は審査支払機関へ「再審査請求」を行うことができます 。
再審査請求の概要
再審査請求で勝つためのポイント
参考)Medical Necessity Criteria: Es…
ただし、再審査請求は時間と労力を要するプロセスであるため、予防的な対策を徹底して査定そのものを防ぐことが、医療機関の経営にとっては最も効率的なアプローチです 。
参考)診療報酬の算定漏れを防ぐ対策7選!原因とミスを減らすコツを解…
国民健康保険 減額査定通知について(大阪市)
レセプト業務の流れと査定・返戻対策(PHCホールディングス)
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厚生局の指導等及び医療監視への対応策「傷病名の記載」(事務長ネット)
レセプト査定を減らすために電子カルテデータをどう使うか(Clius)
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