
サルタノールインヘラーは、成人で1回2吸入、小児で1回1吸入が基本の用法です。1日の使用回数は原則4回まで、成人で最大8吸入、小児で最大4吸入が上限とされています。
参考)https://www.cgh.org.tw/rwd1320/store/F4/1338-09.pdf
吸入の手順は意外とシンプルです。
吸入口は口から約4cm離して吸う方法と、唇や歯で軽くくわえる方法の2種類があります。どちらでも効果に大きな差はないとされています。
薬剤が舌の上で止まると効果が出にくくなる点は見落とされがちです。舌を下げて「お薬の通り道」を作る意識が重要です。「ホー」と発音するイメージで大きく息を吸うと、舌が自然に下がりやすくなります。
参考)https://www.kakohp.jp/wp-content/uploads/aerosol_03_a.pdf
うがいの正しい方法は「ガラガラ5秒、クチュクチュ5秒、合計10秒」が目安です。この短時間で口腔内に残った薬剤をしっかり洗い流せます。
具体的には、まず口を閉じてクチュクチュうがい(リンシング)を行い、次に喉の奥までガラガラうがい(ガーグリング)を行う、2段階の流れが推奨されています。東京都のアレルギー情報でも、この2種類を2〜3回ずつ行うことが望ましいとされています。
参考)成人のぜん息|よくある質問|東京都アレルギー情報navi.
うがいをしないとどうなるか、気になりますよね。実際には舌に白いコケ状の付着物ができたり、声がかすれたりする例が報告されています。これは吸入薬全般(特にステロイド配合の吸入薬)で起こりやすい現象です。
サルタノール単剤ではステロイド性の副作用リスクは低いです。ただし配合剤や吸入ステロイドを併用している患者では、うがいの徹底が重要になります。
参考)喘息吸入薬「サルタノールインヘラー」効果・副作用を医師が解説…
うがいが困難な高齢患者や小児にどう対応するか、悩む場面も多いはずです。
対処法としてまず、うがいの代わりに食前吸入を勧める方法があります。吸入後に口腔内へ薬剤が残っても、食事と一緒に体内へ入り、胃や肝臓で分解されるためです。
また、誤嚥リスクのある患者に無理にうがいをさせると、誤飲事故につながる可能性も指摘されています。姫路聖マリア病院のチェックシートでも「誤嚥の危険がある場合はこの限りではない」と明記されており、食事や飲水での対応が代替手段として認められています。
参考)https://www.himemaria.or.jp/data/media/himemaria/page/departments/pharmacy/sultanol.pdf
この場面での指導は、患者の全身状態を見極めることが原則です。うがいが難しいなら食前吸入に切り替える、という選択肢を持っておくと安心です。
意外と忘れられがちなのが、アダプター(吸入口)の手入れです。
少なくとも週1回以上、流水または温湯でアダプター内側と外側をよく洗い、十分に乾燥させる必要があります。乾燥が不十分だと噴霧不良の原因になります。乾燥時間はおおよそ半日、目安としてはスマートフォンの充電1回分程度の時間を確保すると安心です。
洗浄直後にすぐ使う必要がある場合は、水分をよく切ってから空気中に数回空噴霧し、噴霧状態を確認してから使用します。ボンベ本体は絶対に濡らさないよう注意が必要です。
これは吸入効果を安定させるための基本のケアです。
臨床現場では、吸入手技の自己流化が起こりやすく、これは検索結果には出てこない視点です。
松本薬剤師会が公開している吸入指導マニュアルでは、うがいの必要性は薬剤ごとに判断すると明記されています。つまり全ての吸入薬に一律のうがい指導をするのではなく、薬剤特性に応じた指導が原則です。
参考)https://toneyama.hosp.go.jp/patient/department/pharmacy/pdf/kyunyu2012-03.pdf
患者ごとに使用している吸入薬の種類(β2刺激薬単独か、ステロイド配合か)を確認し、うがいの必要度を個別に判断する運用が実務的です。姫路聖マリア病院のような医療機関で使われているチェックシート形式のツールを活用すると、吸入手技の抜け漏れを防ぎやすくなります。
GSK公式のサルタノールインヘラー使用ガイド(吸入手順の図解と用法用量が詳細に掲載)
松本薬剤師会の吸入指導連携ページ(医療従事者向けの吸入指導フローと注意点)
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