
プロゲステロンは卵巣の黄体から分泌される黄体ホルモンであり、エストロゲンと並ぶ代表的な卵巣ホルモンとして月経周期と妊娠維持に深く関わります。 排卵後に黄体が形成されるとプロゲステロン分泌が急増し、肥厚した子宮内膜に作用して腺の分泌能を高め、血管新生を促進し、受精卵が着床しやすい「分泌期内膜」を形成します。 この肥厚した内膜は妊娠が成立しない場合、黄体機能の低下により剥脱して月経となるため、看護師は「黄体ホルモン=妊娠が成立しなければ脱落する内膜を作るホルモン」とイメージしておくと生理学的理解がしやすくなります。
プロゲステロンは子宮収縮を抑制し、子宮筋のオキシトシン感受性を低下させることで妊娠の維持に重要な役割を果たします。 特に妊娠初期では、卵巣由来のプロゲステロン分泌が減少し始める妊娠2〜3か月頃に流産リスクが上昇するため、この時期は胎盤からのプロゲステロン分泌が十分になるまでの「ホルモン的な谷間」であると説明されます。 看護の場では、切迫流産に対してプロゲステロン製剤が投与される背景として、こうしたホルモンの移行期の脆弱性を意識し、症状変化のモニタリングと妊婦への説明を行うことが求められます。
参考)https://yamaguchi-endocrine.org/pdf/hirota201309.pdf
プロゲステロンの生理作用は基礎体温とも密接に関連しており、排卵後の高温相はプロゲステロン分泌により体温中枢が再設定されることで生じます。 基礎体温表は、排卵の有無や黄体機能の評価に用いられるだけでなく、不妊治療や月経不順の診断、ピル服用中の説明など、看護師が患者と一緒に「ホルモンのリズム」を可視化するツールとしても活用できます。 看護場面では、プロゲステロンの高温相が持続しない場合や、二相性がはっきりしない場合に、黄体機能不全や排卵障害を疑うきっかけとして説明し、婦人科受診を促す支援が重要になります。
参考)📅 卵巣ホルモンの基礎知識から看護現場での活かし方まで|月経…
月経周期は視床下部−下垂体−卵巣系(HPO軸)のホルモン調節のもと、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期に分けられ、それぞれの期でエストロゲンとプロゲステロンのバランスが変化します。 卵胞期ではエストロゲンが優位となり子宮内膜を増殖させ、排卵前にエストロゲンがピークに達するとLHサージを誘発し排卵を起こしますが、この段階ではプロゲステロンはほとんど分泌されておらず、基礎体温は低温相にとどまります。 排卵後は黄体の発達によりプロゲステロンが増加し、高温相が出現して子宮内膜を分泌期内膜へ変化させるため、高温相の長さや安定性は黄体機能の指標として看護師が注目すべきポイントです。
参考)看護師国家試験 第112回 午前61問|看護roo
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