クローン病 症状 チェック 早期発見 診断

クローン病の症状チェック項目と診断基準、検査方法を詳しく解説。腹痛や下痢が続く場合、どのような検査が必要?

クローン病 症状 チェック

クローン病の主な症状チェックポイント
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腹痛と下痢

半数以上の患者にみられる特徴的な症状で、特に右下腹部に痛みを感じることが多い

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発熱と体重減少

38度前後の発熱や、ダイエットをしていないのに体重が減少する

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血便と肛門病変

血便や肛門周囲の膿瘍、痔瘻などの肛門病変がみられる


クローン病 症状 チェック 下痢 腹痛 発熱



クローン病の初期症状として最も頻度が高いのが、腹痛と下痢です。患者さんの半数以上にこれらの症状が認められ、特に右下腹部に痛みを感じることが特徴的です。


参考)クローン病の症状・タイプとさまざまな合併症


症状の進行とともに、以下のような全身症状が現れることがあります。


  • 38度前後の発熱が数日以上続く
  • 食欲不振や栄養吸収障害による体重減少
  • 全身のだるさや倦怠感
  • 貧血によるめまいや立ちくらみ


これらの症状が慢性的に続き、寛解(症状が安定している状態)と再発を繰り返すのがクローン病の特徴です。若年層、特に10代から20代の方に多く発症し、30代以降も発症する可能性があります。


参考)クローン病の初期症状や治療法・食事について医師が詳しく解説


夜間の就寝中に腹痛で目が覚めたり、排便のためにトイレに何度か行きたくなったりする症状も、クローン病を疑う重要なサインです。


参考)IBDチェックシート-武田薬品工業|炎症性腸疾患(潰瘍性大腸…


クローン病 症状 チェック 肛門病変 痔瘻 膿瘍

クローン病の患者さんの70〜80%に肛門病変が合併します。これはクローン病の非常に特徴的な所見であり、消化器症状が現れる前に肛門病変だけで診断されるケースも少なくありません。


参考)https://www.isoda.or.jp/wp-content/uploads/2020/05/000057311.pdf


肛門病変には以下のようなものがあります。


  • 裂肛(切れ痔):一般の裂肛と異なり、潰瘍の幅が広く深く、周囲の粘膜が腫れている
  • 痔瘻:肛門内の病変からトンネル状に穴が周囲の皮膚に通じている状態
  • 肛門周囲膿瘍:病変周囲の皮下や筋肉の間に膿が溜まって腫れている
  • 浮腫状皮垂:肛門の皮膚が腫れて大きくなっている
  • 肛門狭窄:炎症が長く続くことで肛門が狭くなる


特に、裂肛が大きい、側方にある、潰瘍のような形態をしている場合、クローン病を強く疑う必要があります。また、やせ形の体型で傷が治りにくい、痔瘻が深く複雑であるといった特徴も、クローン病に伴う肛門病変の重要な所見です。



クローン病 症状 チェック 診断基準 縦走潰瘍 敷石像

クローン病の診断は、一つの検査だけで決まるものではなく、複数の所見を組み合わせて総合的に判断されます。2019年改訂の診断基準では、以下の主要所見と副所見が定められています。


参考)https://www.jimro.co.jp/pdf/h30_CD_shindan_2019-01.pdf


主要所見

  • 縦走潰瘍:腸管の長軸方向に走る潰瘍
  • 敷石像:腸管粘膜が敷石のように隆起した状態
  • 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫:組織検査で確認される特徴的な病変


副所見

  • 消化管の広範囲に認める不整形〜類円形潰瘍またはアフタ
  • 特徴的な肛門病変
  • 特徴的な胃・十二指腸病変


確診例となるのは、主要所見の縦走潰瘍または敷石像を有する場合、あるいは主要所見の肉芽腫と副所見のいずれか1つを有する場合です。ただし、縦走潰瘍のみの場合は虚血性腸病変や潰瘍性大腸炎を除外する必要があり、敷石像のみの場合は虚血性腸病変を除外する必要があります。


参考)https://www.pref.aichi.jp/kenkotaisaku/tokuteisikkan/beppyo/kizyun/kizyun170.doc


内視鏡検査でこれらの所見が確認できれば、クローン病と診断されます。早期の検査で正確な診断と治療方針の決定ができます。



クローン病 症状 チェック 検査方法 内視鏡 CT MRI

クローン病が疑われる場合、以下の検査が行われます。


血液検査

  • 炎症反応(CRP、白血球数、血沈):体内の炎症の程度を把握
  • ヘモグロビン濃度:腸からの出血による貧血の有無を確認
  • 栄養状態:アルブミン値などで栄養吸収障害を評価


参考)クローン病


内視鏡検査

  • 大腸内視鏡:回盲部(小腸と大腸のつながる部分)の病変を確認
  • 胃カメラ:上部消化管の病変を確認
  • 生検:組織を採取して肉芽腫の有無を確認



画像検査

  • CT検査:腸管の狭窄や膿瘍、瘻孔などの合併症を確認
  • MRI検査:特に小腸病変や肛門病変の評価に有用
  • 消化管X線造影検査:腸が細くなって内視鏡が通過しない場合でも病変の範囲や分布を確認可能



クローン病では消化管全体の検査が必要となるため、これらの検査を組み合わせて総合的に評価します。症状が強い場合にはCTやMRI検査により、狭窄や膿瘍の病変を確認する必要があります。


参考)クローン病


クローン病 症状 チェック 治療法 栄養療法 生物学的製剤

クローン病の治療は、症状の程度や病変の範囲、合併症の有無に応じて個別に選択されます。治療の目標は、寛解の導入と維持、QOL(生活の質)の向上です。


栄養療法

  • 要素食(エレメンタル):消化吸収が容易な栄養剤で、腸管の炎症を軽減
  • 経腸栄養:経鼻チューブや経口摂取で栄養を補給
  • 在宅中心静脈栄養:重度の栄養障害や腸閉塞の場合に実施


参考)https://www.jimro.co.jp/pdf/h30_CD_geka_chiryou_2018-1.pdf


薬物療法

  • 5-ASA製剤:軽症例の炎症抑制
  • ステロイド:中等症から重症の活動性炎症の寛解導入
  • 免疫調節薬:アザチオプリン、6-MPなど、寛解維持に使用
  • 生物学的製剤:抗TNF-α抗体(インフリキシマブ、アダリムマブなど)、抗インテグリン抗体(ベドリズマブ)、抗IL-12/23抗体(ウステキヌマブ)など、中等症から重症例に使用


参考)3.クローン病初期治療(1)抗TNFα抗体から開始する立場か…


生物学的製剤は、2002年にインフリキシマブ(レミケード)が承認されて以来、クローン病治療の考え方を大きく変えました。約8割の患者に有効であり、内視鏡的粘膜治癒を達成することも可能です。



外科治療
絶対的手術適応には、穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、内科的治療で改善しない腸閉塞、膿瘍などがあります。相対的手術適応には、難治性腸管狭窄、内瘻、外瘻、難治性肛門部病変などがあります。



腸管温存を原則とし、合併症の原因となっている主病変部のみを対象とした小範囲切除術や、限局性の線維性狭窄では狭窄形成術を行います。



クローン病 症状 チェック 早期発見 IBDチェックシート

武田薬品工業が提供する「IBDチェックシート」では、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎またはクローン病)の早期発見を目的に、以下の8項目のセルフチェックが可能です。



  • 慢性的に下痢が続いている
  • 夜間の就寝中などに、腹痛で目が覚めたり、排便(下痢)のためにトイレに何度か行きたくなったりする
  • お腹が張る、腹痛などの症状が慢性的に続いている
  • 血の混じった便や血液だけ出ることがある
  • 肛門周囲に痛みや腫れ(はれ)があったり、膿(うみ)が出ている
  • ダイエットなどをしていないのに体重減少がある(3か月前と比べて著明な体重減少がある)
  • 原因不明の熱(37.5℃以上)が数日以上続くことがある
  • 便意はあるのにガスだけ、または何も出ないことがある


これらの項目に該当する場合は、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患(IBD)が疑われます。正しい診断を受けるためには、必ず医師の診察を受けてください。



IBDチェックシート - 武田薬品工業
このリンクでは、腹痛や下痢などの症状をセルフチェックできる8項目のチェックシートが提供されています。所要時間は2〜3分で、炎症性腸疾患の早期発見に役立ちます。


クローン病 症状 チェック 腸管狭窄 閉塞 合併症

クローン病が進行すると、腸管の炎症が慢性化し、以下のような合併症が生じることがあります。


腸管狭窄と閉塞

  • 腸管の炎症が繰り返されることで、腸壁が厚くなり、腸管が狭くなる(狭窄)
  • 狭窄が進行すると、腸閉塞を起こし、腹痛、嘔気、嘔吐、発熱などの症状が現れる
  • 腸閉塞は、内科的治療で改善しない場合、手術適応となる



瘻孔形成

  • 内瘻:腸管と腸管、腸管と膀胱などの間に異常な通路(瘻孔)が形成される
  • 外瘻:腸管と皮膚の間に瘻孔が形成され、腸内容物が皮膚から漏れ出る
  • 直腸膣瘻:女性では直腸と膣の間に瘻孔が形成されることがある



その他の合併症

  • 口内炎(アフタ):口腔内に潰瘍が形成される
  • 皮膚病変:結節性紅斑、壊疽性膿皮症など
  • 眼病変:強膜炎、ぶどう膜炎など
  • 関節痛:関節炎や関節痛が現れることがある
  • 成長障害:小児期に発症した場合、成長障害が生じることがあり、思春期発来前の手術が推奨される



これらの合併症は、クローン病の診断を確定する重要な所見となることもあります。特に、肛門病変や瘻孔形成は、クローン病を強く疑わせる特徴的な病変です。



クローン病 症状 チェック 再発予防 寛解維持

クローン病は、症状が改善しても再発を繰り返しやすいことが特徴です。寛解(症状がなく安定している状態)を維持するためには、以下の対策が重要です。


生活習慣の改善

  • 禁煙:喫煙はクローン病の再発リスクを高めるため、禁煙が推奨される
  • ストレス管理:ストレスは症状の悪化を招くことがあるため、適度な休息やストレス軽減が重要
  • 規則正しい生活:十分な睡眠とバランスの取れた食事が、免疫機能の維持に役立つ


食事療法

  • 高脂肪食、高繊維食の制限:消化に負担をかける食品は避ける
  • 要素食の継続:寛解維持のためにも、要素食の継続摂取が有効とされる
  • 栄養バランスの確保:タンパク質、ビタミン、ミネラルの適切な摂取



薬物療法の継続

  • 免疫調節薬や生物学的製剤の維持投与:寛解を維持するためには、薬物療法の継続が不可欠
  • 定期的な通院と検査:症状がなくても、定期的な通院と血液検査、内視鏡検査などで再発の兆候を早期に発見



クローン病は完治が難しい病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善により、寛解を維持し、QOLを向上させることが可能です。



MSDマニュアル−プロフェッショナル版 クローン病
このリンクでは、クローン病の病因、病理生理学、症状、徴候、診断および予後について、医療従事者向けの詳細な情報が提供されています。


慶應義塾大学病院 KOMPAS クローン病
このリンクでは、慶應義塾大学病院の医師、スタッフが作成したクローン病の医療・健康情報が提供されています。患者さんとそのご家族の皆さんへ、病気、検査、栄養、くすりなど、広く医療と健康に関わる情報を提供しています。

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