
クローン病の初期症状として最も頻度が高いのが腹痛と下痢です。患者さんの半数以上にみられ、何となく腹部全体が痛むケースや、特に右下腹部に痛みを感じるケースが特徴的です。
参考)クローン病の症状とは?|炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン…
初期症状の具体的なチェックポイントは以下の通りです:
参考)クローン病の初期症状や治療法・食事について医師が詳しく解説
腸管に炎症が起き、潰瘍ができるため腹痛が生じます。小腸や大腸に潰瘍ができることで消化・吸収が悪くなり、下痢を引き起こします。 また、夜間に下痢を起こす場合は症状が悪化している可能性があるので注意が必要です。
参考)クローン病の症状
発熱は炎症が起きているためで、一般に微熱が続きます。症状が悪化すると、より高熱になることもあります。 若い方が下痢症状が数ヶ月持続し、倦怠感、微熱、体重減少などの症状が認められたら、病院を受診することが望まれます。
参考)クローン病
潰瘍性大腸炎でよくみられる血便は、クローン病ではそれほど多くありませんが、頻度は多くないものの粘血便を認めることもあります。
クローン病の非常に特徴的な症状として、肛門病変が挙げられます。クローン病の70~80%に肛門病変が合併し、この病変が他の消化器疾患と区別する重要なポイントとなります。
参考)クローン病に伴う肛門病変
肛門病変の種類と特徴:
参考)クローン病肛門病変の特徴 クローン病に伴う肛門病変|【公式】…
一次性病変(クローン病そのものによる肛門病変)
二次性病変(一次病変から波及して生ずる病変)
クローン病に伴う痔瘻の特徴は、通常の痔瘻とは大きく異なります。
通常の痔瘻は低位筋間痔瘻が2/3と最も多いのに対し、クローン病に合併する痔瘻では複雑低位筋間痔瘻や坐骨直腸窩痔瘻が多くなっています。瘻管の走行が複雑で、多発性であるという特徴があります。前壁に好発し、肛門から離れた位置に二次口が存在することも多く、炎症の長期化によって直腸肛門部の狭窄や閉塞をきたすことがあります。
椅子に座ったとき、排便するときに尻が痛くなったり、肛門や肛門周囲が腫れて痛くなったり膿が出たりする場合は、肛門病変の可能性があります。 これらの肛門のトラブルは、クローン病に伴う症状として現れることがあり、場合によっては肛門病変の存在よりクローン病と診断されることもあります。
クローン病では、栄養障害と貧血が重要な合併症として現れます。腸管の炎症によって消化・吸収が悪くなるために栄養障害が起こり、体重が減少します。
栄養障害の主な原因:
栄養状態が低下しているため、1日のエネルギー量が「標準体重1kgにつき35~40Kcal」になるよう心がける必要があります。
高カロリーで高たんぱく質、かつ低脂肪・低残渣(ていざんさ)の食事が推奨されています。ただし病変部位や消化吸収機能は患者さん一人ひとり異なりますので、症状や重症度、合う食品、合わない食品などを確認しながら、食事療法を進める必要があります。
脂肪は腸管へ刺激を与えてしまうため、多く摂ると下痢が起こりやすくなります。また、炎症を引き起こす原因にもなります。再燃を防ぐため、1日の脂肪の摂取量は30g以上にならないように気を付けましょう。
貧血については、腸管の炎症や出血により鉄分が失われることで鉄欠乏性貧血をきたすことがあります。また、ビタミンB12や葉酸の吸収障害も貧血の原因となります。
症状が悪化している状態(活動期)が続くと栄養障害や貧血などの全身の症状があらわれることがあるので、長期にわたる治療や定期的な検査を続けることが重要です。
クローン病が疑われる場合、医師による問診・診察に加え、血液検査や内視鏡、MRIなど多くの検査が行われます。一つひとつの検査で細かく調べることで、今後の患者さんの治療方針に役立てられます。
参考)クローン病はどんな検査をするの?診断基準も併せて解説! |…
検査の流れと内容:
参考)クローン病 診断のためにはどのような検査をするの?|はやわか…
問診
便の検査
血液検査
内視鏡検査
参考)クローン病の基礎知識-クローン病の検査|クローン病のそばに
CT検査・MRI検査
X線造影検査
参考)https://ibd-hiroba.jp/cd/inspection.html
診断では、クローン病に特徴的な縦走潰瘍や敷石像などを見つけることが重要です。 内視鏡検査では、クローン病に特徴的なびらんや潰瘍の有無や炎症の程度を確認します。
クローン病を完治させる治療法は残念ながらありません。そのためクローン病の治療では活動期の症状を素早く抑え、寛解期をより長く持続させるよう努めることをゴールとしています。
参考)クローン病の治療とは? 詳しい治療法について解説! |炎症性…
主な内科治療法としては、薬物療法と栄養療法があります。
薬物療法
クローン病の治療では主に以下の薬物が使用されます:
参考)クローン病の治療で使用する主なお薬一覧 – IB…
5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤
ステロイド
免疫調節薬
生物学的製剤
参考)クローン病の治療|薬物療法、外科治療など、各治療について解説…
栄養療法
栄養状態が低下しているため、1日のエネルギー量が「標準体重1kgにつき35~40Kcal」になるよう心がけましょう。高カロリーで高たんぱく質、かつ低脂肪・低残渣(ていざんさ)の食事が推奨されています。
1. クローン病初回診断、他の炎症性疾患の鑑別
2. クローン病小腸病変の存在診断、範囲診断
3. クローン病治療の効果判定
4. 臨床的寛解患者の内視鏡モニタリング
小腸狭窄のリスク評価
クローン病では腸管の炎症が高度になったり、腸管の狭窄(狭くなること)を認めるようになると、強い腹痛、嘔気、嘔吐、発熱の症状が認められるようになり、入院が必要となります。 この狭窄により、カプセル内視鏡が滞留するリスクがあります。
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臨床的意義
カプセル内視鏡は管を体内に入れるよりも体への負担が少ない検査方法ですが、小腸狭窄のリスクがある患者さんでは事前に消化管開通性を評価する必要があります。 このリスク評価を怠ると、カプセルが狭窄部位で滞留し、外科的に除去する必要が生じる可能性があります。
クローン病はどんな検査をするの?診断基準も併せて解説! - IBDステーション
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