クラビット点眼は、コンタクト装用中に使うと、実は角膜がダメージを受けやすくなります。

クラビット点眼液は、レボフロキサシン水和物を有効成分とする広範囲抗菌点眼剤です。眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、そして眼科周術期の無菌化療法に用いられます。用法は通常1回1滴、1日3回とされますが、細菌性角膜炎などでは症状に応じて1日8回まで増量することもあります。 クラビット点眼液0.5%の基本情報(副作用・効果効能・電子添…
臨床試験のデータでは、238例中7例(2.9%)に副作用が認められ、そのうち眼刺激は3件(1.3%)でした。感染性角膜炎への使用では、有効率100%という結果も報告されています。数字だけ見ると高い効果ですが、レンズとの併用は別問題として考える必要があります。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00059439.pdf
「防腐剤フリーだから大丈夫」と思っていませんか。実はこの考え方には落とし穴があります。
添付文書上でも患者への服薬指導として、容器の先端が直接目に触れないようにすること、点眼後1〜5分間は閉瞼して涙嚢部を圧迫すること、他の点眼剤との併用時は5分以上間隔をあけることが求められています。この間隔管理を怠ると、複数の点眼薬が混ざり合い、効果が薄れる恐れがあります。患者説明の際は、点眼メモアプリや手帳での時間記録を勧めると管理しやすくなります。
ソフトコンタクトレンズは含水率が高く、薬剤成分を吸着しやすい素材構造をしています。一方でハードコンタクトレンズは比較的吸着リスクが低いとされていますが、それでも装用中の点眼は推奨されません。管理薬剤師.comの一覧表では、添付文書上でソフトコンタクトレンズを外すよう明記された薬剤が整理されています。
参考)点眼薬一覧
花粉症治療などに用いる抗アレルギー点眼薬の一部は、ソフトコンタクトの上からでも点眼可能な製品が存在します。ただしクラビットのような抗菌薬点眼はこの例外に含まれません。つまりクラビットは要注意ということです。
参考)ソフトコンタクトの上から点眼可能な抗アレルギー点眼薬【ファー…
薬局の現場でよく聞かれる「コンタクトの上から目薬をさしてもいいか」という質問には、基本的にはレンズを外して点眼するという回答が原則になります。花粉症やドライアイの予防目的で軽症の場合は上から使えるケースもありますが、ベンザルコニウムを含有する点眼薬はレンズを外す必要があります。結膜炎やものもらいなど感染症の治療中は、そもそもコンタクトの装用自体を中止することが望ましいとされています。
点眼してから何分後にレンズを装着すればいいのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この問いに対する明確な数字は薬剤ごとに異なりますが、少なくとも点眼直後の再装用は避けるべきとされています。
参考)点眼薬(目薬)について|医療コラム|新百合ヶ丘総合病院
クラビット点眼液は室温保存が基本ですが、外箱開封後は遮光して保存することが取扱い上の注意として定められています。遮光が不十分だと薬剤成分が分解し、効果が落ちる可能性があります。直射日光の当たる洗面所の棚などに置いている場合は、すぐに保管場所を見直したほうがよいでしょう。
新百合ヶ丘総合病院の薬剤師コラムでは、点眼薬の正しい使い方として、点眼後すぐにまばたきをすると薬液が涙点から鼻涙管へ流れ出てしまい、効果が十分に発揮されない点が指摘されています。これは10円玉ほどの小さな涙点から、薬液があっという間に流れ出てしまうイメージです。まばたきを我慢して閉瞼するだけで、効果の実感が変わってきます。
クラビット点眼単体の情報は多く出回っていますが、他の点眼薬との併用順序まで意識している患者は意外と少ないものです。添付文書では他剤併用時に少なくとも5分以上の間隔をあけることが明記されていますが、この5分という時間感覚は思いのほか軽視されがちです。
コンタクト装用者が複数の点眼薬を使用している場合、レンズの吸着リスクと薬剤同士の希釈リスクが重なり合う点に注意が必要です。薬剤師として患者指導する際は、点眼順序を紙に書いて渡すなど、視覚的なサポートを行うと定着率が上がります。日々の服薬指導の負担を減らすには、点眼スケジュール管理アプリを一つ紹介しておくのも実務上有効な手段です。
点眼剤の正しい服薬指導方法について、参天製薬の医療従事者向けサイトで詳しく解説されています。
クラビット点眼液1.5%の添付文書全文を確認したい場合はこちらのPDFが参考になります。
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