
炎症性腸疾患は、慢性的な腹痛、下痢、血便を中心に、発熱、倦怠感、体重減少を伴うことがあります。症状は持続するだけでなく、良くなったり悪くなったりを繰り返す点が重要です。
一見すると感染性腸炎や過敏性腸症候群に似るため、症状の経過を丁寧にみる必要があります。長引く下痢や血便は、単なる胃腸不調として片づけないことが大切です。日本赤十字社医療センターの解説には、腹痛・下痢・血便・発熱が寛解と再燃を繰り返す特徴が整理されています。
潰瘍性大腸炎では、大腸粘膜の炎症により、血便、粘血便、下痢、腹痛が前景に立ちます。炎症範囲が広いほど、発熱や貧血、全身倦怠感が目立ちやすくなります。
潰瘍性大腸炎は、大腸に病変が限局するため、下痢や血便の評価では便回数、便性状、夜間症状、体重変化を合わせてみます。活動期と寛解期を分けて把握すると、重症度の見通しが立てやすくなります。大阪消化器内科・内視鏡クリニックの解説では、下痢や血便の重症度と活動性の幅が示されています。
クローン病では、口から肛門までの消化管どこでも炎症が起こりうるため、腹痛、下痢、血便に加え、肛門周囲痛、腫れ、排膿が手がかりになります。体重減少や発熱、食欲低下が先に目立つこともあります。
腸管外症状として、関節痛、皮疹、眼症状が出ることもあり、消化器症状だけでは見落としやすい点です。肛門症状を伴う若年患者では、早い段階でクローン病を疑う視点が有用です。同院の解説では、肛門周囲の痛みや腫れ、体重減少がクローン病の手がかりとして挙げられています。
初期には、はっきりした血便よりも、便意切迫、軟便、倦怠感、微熱が先行することがあります。本人が「疲れやすいだけ」と受け止めてしまい、受診が遅れることも少なくありません。
症状が軽く見えても、腸管炎症は進行している場合があります。早期に拾いたいのは、回数よりも「いつもと違う下痢が続くかどうか」です。初期症状として、ひどい腹痛、反復する下痢、血便、体重減少、発熱がまとめられています。
診断では、大腸内視鏡検査が中心で、必要に応じて小腸内視鏡やカプセル内視鏡、血液検査、便検査を組み合わせます。治療は、炎症を抑えて寛解を保つことが基本で、病型と重症度に応じて薬物療法や外科的治療を選びます。
意外に重要なのは、症状が落ち着いても治療を自己中断しないことです。寛解中の維持療法が、再燃と合併症を減らす鍵になります。日本消化器病学会のIBD診療ガイドライン一覧では、診断と治療の基本指針が確認できます。
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