アダラートCR錠(一般名:ニフェジピン)の添付文書は、バイエル薬品株式会社から提供される医療用医薬品の正式な説明書です。 本剤は徐放性製剤として設計されており、1日1回投与による血中濃度の安定化とアドヒアランス向上を目的としています。 添付文書には、効能効果、用法用量、禁忌、副作用、相互作用、薬物動態などの重要情報が網羅されています。
参考)https://pharma-navi.bayer.jp/sites/g/files/vrxlpx9646/files/2023-02/ACR_MPI_202302150.pdf
本記事では、アダラートCR錠の添付文書に基づき、医療従事者が日常診療で押さえるべき要点を体系的に整理します。特に、徐放性製剤特有の注意点や、分割・粉砕できない理由など、患者指導に直結する情報も深掘りします。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000248347.pdf

アダラートCR錠の添付文書に記載されている効能効果は、以下の2つのカテゴリーに分類されます。
参考)アダラートCR錠20mgの基本情報・添付文書情報 - データ…
本剤の一般名はニフェジピンで、持続性カルシウム拮抗薬に分類されます。 薬理作用として、血管平滑筋細胞の膜に存在するカルシウムチャネル(膜電位依存性L型Ca++チャネル)を遮断し、細胞外Ca++の血管平滑筋細胞内への流入を抑制します。 その結果、筋原繊維ATPaseの活性化を阻害し、筋細胞の機械的収縮を抑制します。
参考)医療用医薬品 : アダラート (アダラートCR錠10mg 他…
これにより、全身細動脈及び冠動脈を拡張させ、血管抵抗の減少と血流量の増加をもたらし、抗高血圧作用及び抗狭心症作用を示します。 高血圧症に対する効果は、降圧効果の持続性が確認されており、1日1回投与で24時間の血圧コントロールが可能です。 狭心症に対しては、冠動脈拡張作用により心筋酸素需要を減少させ、発作予防に寄与します。
参考)https://pharma-navi.bayer.jp/adalat/qa
製品Q&A | 製品基本情報 | アダラート | バイエル ファーマ ナビ(効能効果の公式解説)
アダラートCR錠の用法用量は、効能効果によって異なります。 添付文書に記載されている標準的な用法用量は以下の通りです。
参考)https://clinicalsup.jp/jpoc/drugdetails.aspx?code=43804
<高血圧症>
<腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症>
参考)アダラートCR錠10mgの基本情報・添付文書情報 - データ…
<狭心症、異型狭心症>
重要な注意点として、1日80mg(40mg1日2回)までの用法用量は高血圧症のみ適用されます。 狭心症に対しては、通常40mg1日1回投与し、症状に応じ適宜増減しますが、最高用量は1日1回60mgまでです。
飲み方については、添付文書に「本剤は割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないでそのまま嚙まずに服用させること」と明記されています。 これは、徐放性製剤特有の構造によるもので、分割・粉砕すると血中濃度が急激に上昇し、頭痛、顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなるためです。
参考)高血圧症や狭心症治療薬のアダラートCR錠、「分割する」「粉砕…
アダラートCR錠の添付文書には、副作用、禁忌、重要な注意点が詳細に記載されています。
参考)アダラートCR錠20mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文…
禁忌
重要な注意点
副作用(重大なもの)
参考)アダラートCR錠40mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ…
その他の副作用(頻度不明)
副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行う必要があります。 特に、本剤を分割・粉砕して服用した場合のリスクについては、患者指導を徹底することが重要です。
アダラートCR錠40mgの基本情報(作用・副作用・飲み合わせ・添付文書)|QLife(副作用の詳細情報)
アダラートCR錠の添付文書には、他の薬剤との相互作用や薬物動態に関する情報も記載されています。
相互作用(併用注意)
薬物動態
参考)親水性ゲルマトリックスとは?アダラートCR錠に学ぶニフェジピ…
アダラートCR錠の製剤設計のコンセプトとして、親水性ゲルマトリックスを利用した徐放化技術が採用されています。 親水性高分子としてはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用いており、複数の粘度グレードの異なるHPCを適宜組み合わせることで溶出速度が調節されています。
この製剤設計により、消化管内での機械的刺激を受けにくく、胃腸管下部での吸収低下を改善する効果が得られています。 アダラートCR錠は、有核錠を採択し、核錠(Core)からの溶出速度を外殻(Coat)よりも速くなるように設計することで、in vivoでの吸収低下を改善しています。
製品基本資料(医薬品 - アダラート)|バイエル ファーマ ナビ(インタビューフォーム、添付文書のダウンロード)
アダラートCR錠の添付文書において、最も重要な患者指導事項の一つが「分割・粉砕・かみ砕いての服用禁止」です。 これは、本剤が徐放性製剤であることに起因します。
本剤の構造
分割・粉砕禁止の理由
患者指導の徹底
意外な情報:酸化グラフェンナノ粒子による制御放出の可能性
近年の研究では、酸化グラフェンナノ粒子(GO-NPs)を用いたナノ粒径制御ニフェジピン製剤の開発が報告されています。情報源: 別途論文検索が必要 この技術により、さらに精密な薬物放出制御が可能となり、副作用の低減と治療効果の向上が期待されています。ただし、これは研究段階の技術であり、現在のアダラートCR錠には適用されていません。
アダラート®CR錠10mg、20mg、40mgは徐放性製剤です ~ 分割、粉砕、かみ砕いての服用はできません ~|PMDA(PMDAからの注意喚起文書)
【第3類医薬品】ハイチオールCプラス2 360錠